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独の環境保全の報告書作成 福山の市民団体 '03/6/25

 ■バイオガスなど紹介

 バイオガス施設や「エネルギー植物」で、環境に優しく―。福山市の環境市民団体「e&g研究所」(村田民雄代表)は、ドイツの環境への最新の取り組みを調べた報告書をまとめた。 

 A4判、十一枚。五月中旬から約十日かけ、ドイツ南部の施設を視察したり、専門家から聞き取ったりした環境技術の最新状況を、写真を添えて記してある。

 環境先進地のドイツでは、国の後押しや環境技術開発の進展から、一九九二年には百三十九カ所しかなかったバイオガス施設が二〇〇二年には千九百カ所に急増。風力やふん尿など自然エネルギーを使う発電プラントには個人農家などが出資する施設も多く、社会全体で石油の使用を減らす仕組みが進んでいる。 

 また、経営環境が厳しい農業や林業関係者が、サトウキビやイモなどの「エネルギー植物」を耕作し発電に利用するなど、環境対策が新産業育成にも役立っているという。

 日本でも今年四月、自然エネルギーの利用を進める法律が施行されたばかり。村田代表は「制度や教育など、日本がドイツに学ぶべき点は多い。ぜひ参考にしてほしい」と話している。

 報告書は、希望者には送料負担だけで概要版を配布するほか、八月中旬にはより詳細な冊子にまとめ、五百円程度で販売する予定。TEL084(924)4435。 

【写真説明】ドイツの環境への取り組み状況を調べ、報告書をまとめた村田さん