秋葉広島市長提唱の「広島・長崎講座」をベルリン工科大学で開設
〜15年間の日独市民交流が実を結ぶ〜

 
 秋葉広島市長は、9月上旬、ドイツのハノーヴァーとベルリンを訪れました。主要行事は、広島市とハノーヴァー市との姉妹都市提携20周年祝賀会ですが、ベルリンにおいては、シュレーダー首相との会談を通じて、核廃絶に向けた行動への協力要請をするものでした。
 この秋葉市長の訪独を通して大変嬉しいことが実現しました。それは、日独市民交流を通して築き上げてきたネットワークが大きな力を発揮し、ベルリン工科大学での「広島・長崎講座」開設が決まったからです。
 日独の市民交流は、戦前戦後の日独の歴史の共通性から過去の歴史を直視し、未来に向けて市民の力で平和を築き上げていこうと、1987年「日独平和フォーラム」として始まりました。具体的には、お互いの国の敗戦日を目途に訪問し、交流を進めながら討論を深めていくものです。私がこの運動に関わり始めたのが翌年の1988年で、同年8月、初めてドイツからの訪問団を受け入れ、その翌年、まだベルリンの壁が存在した時、私にとっての初めてのドイツ訪問となりました。
 この運動のドイツでの主要拠点は、ハノーヴァー、ベルリン、カッセルです。それぞれがネットワークを生かしながら進めていく市民運動のスタイルをとるものですが、新聞記事に登場するオイゲン・アイヒホルンさん(ベルリン工科大学教授)は共同代表の一人です。
 オイゲンさんは昨年夏も来日し、8・6広島訪問時に、秋葉市長が提唱する「広島・長崎講座」を自分の勤務する大学で始めたいとの意向を示され、広島市の担当者(国際部 平和推進課)と実務的な話を進めました。
 この度の秋葉市長訪独が、希望を伝えるいいチャンスだとは思っていましたが、忙しいスケジュールゆえ、特にシュレーダー首相との会談が主要なものだけに、オイゲンさんの希望したユダヤ博物館案内と「広島・長崎講座」等の提案のための時間調整ができるかどうか不安ではありました。
しかし、これまでのお互いの信頼関係とネットワークを生かしながら調整した結果、見事に願いが叶いました。
 この他、以下のオイゲンさん達の提案に対しても、広島市長が前向きに検討されていることが、帰国後の記者会見の中で明らかにされました。

 @第2次世界大戦後に犠牲者と加害者の第二世代が抱える問題に関する国際シンポジウム「プロジェクト 2005」
 Aベルリンのユダヤ博物館と広島市平和記念資料館との交流 
 Bドイツ「良心的兵役拒否者」の受入れ。

(使用資料:中国新聞、経済リポート)