ニュースレター「ふくやま多文化共生」No.3発行
大きく花開いた多文化共生の取り組み
第4回フレンドリーピックMatsunaga Carpe Diemに8800人参加
1月26日、27日と2日間にわたって開催された「第4回フレンドリーピックまつながカープヂェー」は、これまでの積み重ねが大きく花開いた「多文化共生」をテーマとしたイベントになりました。
今年のテーマも「だれもが暮らしやすい、多文化共生のまちづくり」です。開催地の松永地域は、外国籍/外国人市民の集住地域で、多くの「外国人」が暮らしています。この特徴をまちづくりに生かそうと、2010年から始めた取り組みです。この取り組みの特徴は、地域、外国籍市民、行政、NGOが一体となり、それぞれの主体性を尊重しながら進めていることです。
内容は多岐に渡り、26日のオープニングでは、聴覚障がいというハンディーを克服した和太鼓グループ「天手鼓舞」の演奏、また、イラン出身のサヘル・ローズさんの講演「あきらめないで 生きること」がありました。サヘル・ローズさんは、イランにおいても、日本においてもさまざまな苦難を経験しながら、母親の愛情に育まれてそれを克服していく感動的な内容でした。
2日目は、「まちづくり饗演舞台」、「まつなが地球市民ステージ」、ベトナム喫茶、中国茶体験、「外国人のための一日相談会」など、多彩な内容でした。
また、2日間を通して多国籍の屋台でにぎわいました。台湾美食をはじめ、ブラジル、タイ、ベトナム、中国、ケニア等、おいしいもん広場としてにぎわいました。
最後に、私(村田)が担当した「まつなが地球市民ステージ」での感想。ここでは、ベトナムの楽器演奏やブラジルの子どもたちの踊りなど多彩で充実した内容でしたが、韓国紹介の時間には1階サロンがいっぱいになる程の聴衆であふれ、韓国や韓国語の話を熱心に聴いていました。国と国の間では大きな軋轢を抱えながら、市民レベルでは相互理解が進んでいることを実感することができ嬉しく思いました。さらにもう一つ。今回の参加者はこれまで以上多国籍にわたり、多様な文化的背景を持った方々の交流が進みました。
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ホールでの和太鼓・天手鼓舞の演奏 |
1階サロンでの韓国紹介 |
韓国の遊び「ユンノリ」 |
人で溢れる会場入り口付近の様子 |
多文化共生理解、多文化共生センターマネジメント講座
「多文化共生理解、多文化共生センターマネジメント講座」を開催します。
この講座は、福山市立大学の先生方、福山市(人権推進課、松永生涯学習センター職員)とNPOが共同で実施するものです。
来年度の「多文化共生センター」開設に向けて、「多文化共生理解」を深めるものです。
参加申し込み受付中です。 |
多文化共生理解
多文化共生センターマネジメント講座
~「多文化共生」についての理解を深め、「多文化共生センター」の役割を学ぼう~
月日 |
講師 |
内容 |
第1回
11月17日
(土) |
第1講座 |
福山市立大学 教育学部 児童教育学科 准教授
劉郷英さん |
日本語教育と母国語教育の現状と課題 |
第2講座 |
可児市多文化共生センター 事務局長
各務 真弓さん |
多文化共生センターの役割と活用 |
第2回
11月24日
(土)
※ |
第3講座 |
福山市立大学 教育学部 児童教育学科 教授
田渕五十生さん |
福山市の定住外国人の現状と課題 |
第4講座 |
多言語センターFACIL 理事長
吉富志津代さん |
NPOの多言語/多文化ビジネス |
第3回
12月1日
(土) |
第5講座 |
福山市立大学 都市経営学部 都市経営学科 教授
前山総一郎さん |
まちづくりと共生の現在の問題と地域まちづくりセンター |
第6講座 |
参加者の皆さんが主役です |
講座の振り返りと、私たちの役割
参加者による意見交換/ワークショップ |
前半の講座 13:00~14:45
後半の講座 15:00~17:00
【会場】
第1回(11月17日)・第3回(12月1日)
福山市立大学小講義室E(当日は、西側の管理棟の防災センターからお入りください。)
福山市港町2丁目19-1
TEL:084-999-1111
第2回目(11月24日)
福山市人権交流センター第1会議室(3階) ※場所が変更になりました
福山市佐波町262-3
TEL:084-951-5700
【対象】
多文化共生に関心のある市民
および学生の方々
【受講料】
無料
【主催】
福山市多文化共生の場づくり推進委員会
【申し込み/ 連絡先】
福山市役所人権推進課
TEL:084-928-1006
メール:jinken-suishin◆city.fukuyama.hiro (◆→@)
NPO法人e&g 研究所
TEL:090-2002-8644
メール:e-and-g◆mx41.tiki.ne.jp (◆→@)
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*上記チラシをクリックしたら拡大します(JPGファイル) |
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「多文化共生理解・多文化共生センターマネジメント講座」報告 |
第1講座「日本語教育と母国語教育の現状と課題」
講師:劉郷英さん(福山市立大学教育学部)
先生の魅力は、何と言っても中国の出身で、中国で日本語を学び、教え、そして日本生まれの我が子をバイリンガルで育てられたことです。その経験と研究を踏まえて、日本語教育と母国語教育の大切さについて講演されました。
まず、戦後の在日外国人の歴史と現状に触れられましたが、来日直後「先進国」の日本でありながら在日コリアンに対する厳しい差別がることを知り、大きなショックを受けたそうです。
「多文化共生」については、「国際理解」→「異文化理解」→「多文化共生」へと変遷した経過について説明され、「2008年が多文化共生元年とも呼ばれ、さまざまな地域で、多文化共生推進プランの実現に向けた、あるいは推進プランとは別途展開していた自治体独自の施策展開がなされた」。
「在日外国人の子どもに対する教育の現状と課題」について、オールドカマーの教育が、「日本の学校教育からの排除」「民族教育機会の剥奪」「同化教育の強制」など深刻な問題を孕んでいることを指摘、この歴史がニューカマーへの教育にも影響し、「外国人児童・生徒の教育を『権利』ではなく、『恩恵的なもの』とする意識が強いとのこと」です。
「ニューカマー」の子どもが抱えている教育問題については、「不就学」の問題や「日本語教育」に特化した施策の問題点を指摘。来日前に自国で習得の基礎を固めてきた母語での「学習(思考)言語」は一切伸びていないばかりか、日本語の学習に専念していた分、母語が「(日常)生活言語」まで退化し、家庭で日常的に使っている程度のものしか保持できていない子どももいる。したがって、母語でも日本語でも「学習(思考)言語」が獲得できない状況に置かれてしまう子どもたちがいることを指摘されました。
今後の課題として、子どもたちの学力形成、人格形成に注目して、母国語と日本語の二言語習得を「生活言語」レベルだけでなく、「学習言語」レベルにおいても保障しなければならない。として講演を締めくくられました。
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2012年11月18日付 中国新聞 |
第3講座「福山市における外国籍住民の現状と課題
講師:田渕五十生先生(福山市立大学教育学部)
田渕先生は、「多文化共生」を語るに最もふさわしい先生です。「あらゆる差別を許さない」との姿勢で「同和教育」に取り組み、奈良では在日コリアンの子どもたちに寄り添い、その親をも巻き込んで自立への取り組みを長年実践されてきました。まさに現場と研究を一体化させてこられました。
さて、講座の内容ですが、減り続ける「韓国・朝鮮籍」住民とニューカマーとしてやって来る韓国籍など「外国籍」の人々や「残留孤児」の歴史や現状について触れた。その背景として、日本の「植民地支配」の歴史があり、「残留孤児」は日本の棄民政策であった。また、1980年の改訂入管法は、「単純労働者は認めない」との政府方針の「抜け道」。また、企業の「研修・技能実習制度」は低賃金労働の隠れ蓑だが、福山の外国人登録者数の1/3が「実習生」。なお、こういった「外国人労働者」の実態は世界の各地でみられる。
問題は、外国人施策や多文化教育が行政・教育課題として捉えられ、実践されていないこと。「外国人の三つの壁」として、これまで「言葉の壁」「制度の壁」「心の壁」が指摘されてきたが、現在では「雇用の壁」もある。したがって、雇用の創出と研修が求められる。
日本の教育は「等質性」を求めるが、「違うこと」が豊かさ、豊かな感性を生む源泉。外国人の問題は、周囲の日本人の問題でもある。
定住外国人の子どもたちの現状として、文化や母語からの分断があり、「生活言語」(ex. 水を飲む)から思考(学習)言語(ex. 水分補給)を習得するための支援必要である。母語を使いながら日本語も習得する施策をつくる必要がある。
国籍条項に関連して、日本と同様な「血統主義」を採っていたドイツは1997年から「出生地主義」へと変わったし、フランスでは「国際結婚」という言葉すらない、「言葉の壁」を壊すのは文化。
今後は、教育委員会の中に多文化主義、多文化共生の専門家を創っていく必要がある。外国人の教育問題は最終的には周囲の日本人の教育問題である。多文化教育に精通した教師が求められる。
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第5講座 まちづくりと共生の現在の問題と地域まちづくりセンター
講師:前山総一郎先生(福山市立大学教授)
前山先生は、福山市「恊働のまちづくり 第2次行動計画」のアドバイザーでいらっしゃり、「コミュニティ自治」(自分たちの地域を自分たちで構想し、実現しよう!)と提唱されています。
前山先生の講座の結論は、“多数者自体が内部での多様性・やさしさを認めず、「均質性」「同質性」を相互に強いるような近隣社会とさせない!”であり、「弱者や少数者の排除・差別は、多数者自身の不幸と直結」と、まちづくりを広い視野に立って実施することを強調されました。また、今後の展開にむけては、
● 多くの人々を「多文化共生」にコミットしてもらう方向を社会の基本とする(社会正義)
● 「多文化共生」に関する「指針」の設置
● コミュニティ推進と多文化共生の推進の「両輪」推進
を基本として、“全ての人が生きやすい、良い社会を作って参りましょう”と訴えかけられています。
この結論へ至る前提として、「何が問われているのか?」の中で、次のことを指摘されています。
○ 地域の力を地域経営につなげる
○ 地域のすべての人(出身、宗教、考え方、国籍を問わず)が支えあえる地域コミュニティを作る
また、「問われていること」として、○地域での多様な人々相互の絆と信頼感、として、
・ 地位全体のビジョンをつくるためには、一部の人たちだけの考え方だけでは立ち行かない
・ さまざまな考え、出自の人の対等な考え;
・ 「弱者」(身体の弱者、情報弱者、買い物弱者等々)や少数者の人たちの考えを生かす
ことを挙げられています。
また、前山先生が研究のフィールドとされているアメリカでの研究から、
○安定した地域組織、地域運営のためには、特定の人種(白人)だけでは無理 として、「地域づくり」のために「多文化共生」が前提となる。と強調されました。
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ニュースレター「ふくやま多文化共生」No.2発行
「ニュースレター ふくやま多文化共生第2号」を発行しました。
内容は、「多文化共生理解 多文化共生センターマネジメント講座」、「地域で活躍する韓国籍の方々」、「第3回ベトナムまつり報告」です。読んでいただけると嬉しいです!!
*下の画像をクリックすると全ページが開きます(PDFファイル)
「可児市多文化共生センター」視察報告書
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今年6月実施した岐阜県「可児市多文化共生センター」視察報告書ができました。
諸資料を添付した詳しい報告書で、「多文化共生センター」設置に向けた指針ともなりうるものです。
ホームページ上では、感想文のみの掲載ですが、資料も添付した報告書が必要な方は、NPO法人e&g研究所にご連絡ください。
e-mail: e-and-g◆mx41.tiki.ne.jp (◆→@)
*表紙(PDFファイル)
*本文(PDFファイル)
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4000kmを飛び越えて ひとつになる
9/30(水)ベトナムまつり
今年もベトナムまつりがやってくる。
9月30日(日)、駅家コミュニティセンター。29日(土)には、ベトナム大使級総領事の講演もあります。
ベトナムのことを知り、楽しみましょう。詳しくは、チラシを見てください。 |
- 日時:2012年9月30日(日)11:00~15:00
- 場所:福山市駅家コミュニティセンター
住所:福山市駅家町近田12-1(駐車場有)
- 参加費:無料(ベトナム料理の試食も無料です)
- 主催:ふくやまベトナムの会
- 共済:福山市駅家コミュニティセンター、多文化共生のまちづくりチーム
- 後援:ベトナム社会主義共和国総領事館、エフエムふくやま
- 連絡先:駅家コミュニティセンター
TEL:084-976-0470
メール:vnjp2003◆gmail.com
(◆→@)
<内容>
- ベトナム料理の試食
- 民族楽器の紹介と実演
- アオザイの踊り
- ベトナム民話の劇
- 獅子舞の実演
- 神戸「エフエムわぃわぃ」ベトナム語放送DJナムさんの生ラップ
*前日にプレイベント講演会
- 日時:9月29日(土)14:00~15:30
- 講師:ベトナム社会主義共和国総領事館 大使級総領事 レー クオク ティーン氏
- テーマ:最近のベトナムの状況と両国の関係について
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*クリックすると拡大します |
可児市多文化共生センター視察報告
現在進めている「広島県新しい公共の場づくりのためのモデル事業」(2カ年)を終えた後は、「福山市多文化共生の場づくり推進委員会」としては、福山市に「多文化共生センター」をつくることが目標です。
そこで、昨年度は、民設民営で多言語放送等を阪神淡路大震災以降継続している「たかとりコミュニティセンター」への視察を行いました。
今年は、公設民営のモデルケースといわれる岐阜県「可児市多文化共生センター(愛称:フレビア)」(http://www.ctk.ne.jp/~frevia/)へ6月28日(木)視察に行きました。参加したのは、ブラジル籍とベトナム籍の2人、福山市立大学の先生(中国籍)、福山市役所職員2名、そして私の計6名でした。
このセンター、建物は可児市が1億2700万円をかけて造ったもので、運営は「NPO法人可児市国際交流協会」が「指定管理者」として行っていますが、市の基本姿勢として「金は出すが口は出さない」とのことでした。この点においても、ここが「公設民営」のモデルケースと言われる所以だと感じました。相互の協力関係はうまく行き、添付の「平成24年度重点事業」を見るだけで、その意欲と協力関係が伝わってきます。
この重点事業の中で、「子どもの教育における共生」に関する事業がきめ細かく、継続して実施されていることに大きな刺激を受けました。なぜなら、その必要性は分かっていても、福山市においては全く手つかずの事業だからです。さらに、「日本語学習支援、就学支援等の事業」(添付の資料番号3)もきめ細かく実施されています。
可児市は、人口約10万人ですが、外国人登録者数は5,793人で、総人口に占める割合は5.7%です。確かに人口比率は高いのですが、福山市と比べると絶対数では低いものとなっています(福山市の外国人登録者数は約6,500人)。
なお、雰囲気をつかんでいただくため、エントランスホール辺りの写真を1枚添付しています。訪問したのは木曜日の午後でしたが、何組かの学習者やフィリピン籍やブラジル籍の子どもたちが熱心に勉強をしていました。2008年度の開館以来、国籍を問わず多くの方が利用され、2012年5月28日現在135,272人が利用しているとのことです。
このセンターで特に気に入ったことは、気軽にパーティーもできるし、飲食もできるとのことで、「多文化共生センター」に欠かせないリラックスした雰囲気づくりができていることでした。
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報告者:村田民雄(福山市多文化共生の場づくり推進委員会・事務局長) |
※なお、詳しい報告書を近日中に発行する予定です。
※ふくやまベトナムの会の卜部ユンさんによる視察研修報告はこちら(PDFファイル) |
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ニュースレター「ふくやま多文化共生」No.1発行
「地球市民」4周年を祝い、これからの番組づくりも展望
2008年3月スタートした「アミーゴ地球市民」が4周年を迎えました。これを記念して、3月29日、3名のDJが出演しての特別番組を放送しました。参加したDJは、ポルトガル語のミチコさん、中国語の櫻田さん、ベトナム語のユンさんです。まずは、それぞれの体験とリスナーからの反響の紹介を紹介しましたが、当日の様子は既にパーソナリティーの福場千秋さんのブログで紹介されていますので、それをご覧ください。
そこで、番組後半にそれぞれのDJから発言のあった今後の番組づくりについて紹介します。
○ ベトナムのことをもっと知って欲しいので、ベトナムが身近に感じられる内容にしたい。
○ 次にまた聴きたいと思える内容にしたい。ガイドブックにないブラジルを紹介したい
○ 中華圏で活躍している人(スターなど)を紹介したい。
また、かなりの数のリスナーが外国籍市民であるため、日本語とそれぞれの母語を半々ぐらいの割合で放送してほしいとの要望もありました。今後の番組づくりに生かしていきます。
「多文化共生」テーマにイベント開催
2012年3月4日 「ふくやま多文化共生フォーラム」開催 |
3月4日、福山市西部市民センターで「ふくやま多文化共生フォーラム」を開催しました。吉富志津代さん(NPO法人エフエムわぃわぃ専務理事)が記念講演を行いましたが、スペシャルゲストとしてベトナム人難民ラッパー・MCナム君を迎えました。ナム君はベトナム人としての自分を隠し続けましたが、ラップを通して自らの出自に誇りを持つようになった体験を語りました。
吉富さんの演題は、「多文化共生とは何か~多様性の重視と少数者の視点~」ですが、このフォーラムは多文化共生についての本格的な学習の場でした。
吉富さんの講演の中で、特に印象に残った点は次の5点です。
1、 地域には多様な人が住んでいる
2、 被災者に国籍は関係ない
3、 東日本大震災では外国人自身による支援が始まった(物資や通訳など)
4、 震災時のラジオの有効性。コミュニティFM放送の果たした役割は大きい。自分の言葉(母語)で伝えることが癒しにつながる。
5、 多文化共生は地域の活性化につながる
なお、次回の「ベトナムまつり」にナム君を招待することが決まりました。いまから楽しみです。
ここで、参加者の感想を一つ紹介します。
●福山市立大学の田淵先生が言われたように、今日は多文化共生の意思を確認する日であったと言われていましたが、全くその通りだと感じました。前山先生(同大学・都市経営学部)が、この方々(さまざまな国籍のパネリストなど)は「宝だ」と言われたことにも同感でした。
(左は2012年3月7日付大陽新聞)
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ふくやま多文化共生センター設置促進事業
「広島県新しい公共の場づくりのためのモデル事業」は、「多文化共生センター」の設置をめざしての2カ年にわたるソフト事業です。その事業として、日常的な情報発信をします。これまでも続けてきた「エフエムふくやま」での「多言語放送=地球市民」の放送(毎週)をはじめ、ブログの開設(http://newtabunka.blog.fc2.com/)、ニュースレターの発行、市広報の活用などを計画しています。
3月4日(日)には、多文化共生についての市民の理解を進めるため、「多文化共生フォーラム(仮称)」を西部市民センター(松永)で行います。
と同時に、魅力あるセンターづくりのため、「多文化共生センター」の調査をします。
さらに、福山市内にあるボランティアなどが運営する「日本語教室」への財政支援をします。
実施スケジュール
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当事者の相関図
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この事業を進めるため、NPO/NGOや外国籍市民、企業(エフエムふくやま)、行政(福山市)が連携しながら行います。
『経済リポート』(2011年12月20日号) |
『中国新聞』(2012年1月15日) |
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いきいき外国籍市民、多文化共生まちづくりの主体形成事業
2009年4月1日から2か年事業としてスタート
~外国籍市民が地域の主体となるような仕組みづくり~
■プロジェクト・チーム名:びんご多文化まちづくりチーム
■プロジェクト・リーダー:村田民雄
■なお、この事業は「トヨタ財団 2008年度地域社会プログラム」の助成を受けています。
1,プロジェクトの概要
朝鮮通信使が絶賛した鞆の浦を擁する福山市。既にブラジル人コミュニティーやフィリピン人女性等の自助組織ができているが、未だ外国籍住民は地域の「お客さん」。そこで、外国籍市民、NGO、福山市行政の多文化共生事業の実績を生かし、外国籍市民が地域の主体となる仕組みをつくり、魅力ある多文化共生のまちづくりへと発展させる。1年目の達成目標として「外国籍市民ネットワーク」を、2年目の目標として、行政や企業とも連携し、外国籍市民とNGOが中心になって運営する「多文化共生まちづくり推進協議会」を立ち上げる。その過程で、2か年通年での多言語放送、1年目としてキーパーソン出会いの場づくり、自立のためのワークショップ、国別紹介フェスタ、コンピューター教室を、2年目として日本語教室、外国籍市民主体の多言語放送の番組づくりを、総仕上げとしてONE
WORDL FESTAを実施する。
2,実施内容
●まず、外国籍市民同士と市民との出会いの場をつくります。プロジェクトは2か年事業として進め、1か年目は「国別紹介フェスタ」を計画し、登録者数を勘案し、中国、フィリピン、ブラジルをとり文化や歴史等を紹介します。2か年目は、「多文化共生まちづくり推進協議会」を立ち上げ、事業の総仕上げとして、すべての外国籍市民を対象とした多文化まつり・「ONE
WORLD FESTA」を行います。
●そのプロセスとして、外国籍市民ネットワークをつくる要となる「キーパーソンの出会いの場」を作ります。既に地域に根づいて活躍している外国籍市民組織のキーパーソンを中心に、「自立のためのワークショップ」を行い、その延長線として「外国籍市民ネットワーク」を展望します。2か年目からは「多文化フェスタ」の企画・実施主体となるように進めていきます。
●さらに自立のため、外国籍市民、特に女性を対象としたコンピュータ教室や日本語教室を開催し、また、多言語放送の「外国籍市民主体の番組づくり」事業を実施します。
なお現在、毎週木曜日放送しています多言語放送は、「エフエムふくやま」から全面的な協力を得ていますが、これは企業との連携を進める基礎となり、ネットワークづくりに必要な情報発信、双方向のコミュニケーションを図る重要な媒体となるもので、2か年通年で実施します。
●事業を進めるにあたり、2008年度中の「国際化指針」策定を計画している福山市や、多文化共生事業に力をいれている「ひろしま国際センター」との連携を図り、協働の事業として進めていきます。
3,目標=仕組み:外国籍市民とNGOが運営の主体。行政、企業はパートナー
まず、核となる仕組みとして、「外国籍市民ネットワーク」の構築をめざします。地域社会では、外国籍市民は「お客さん」としてではなく、地域社会を構成する住民・市民としての社会的自立が求められています。しかし、これまでは外国籍市民同士の関係が個人的なものに留まったり出身国別の縦割りでのコミュニティー内に留まったりで、外国籍市民同士の横のつながりに欠け、多くの地域社会の住民との交流にまで至っていません。そこで、この課題の解決の基盤づくりに繋がる「外国籍市民ネットワーク」づくりを進めます。
次に、このネットワークを足がかりに、外国籍市民とNGOが事務局として主体的に関わる「多文化共生まちづくり推進協議会」を実現します。この協議会は、外国籍市民、行政、NGO/NPO、企業等で構成されるもので、外国籍市民を支援の対象とする一方向の組織ではなく、お互いが対等なパートナーとして参加する双方向の組織であることに特徴があります。したがって、事務局は市民の側、すなわち、まちづくりの主体としての外国籍市民およびNGOが担うものです。
幸いにして、福山市においては、地域に根づいた外国籍市民の自助組織がいくつか存在し、NGOと連携した活動の実績があり、行政との関係では、ワンワールド・フェスタや生活相談を通じて、福山市とNGOの連携が進んでいます。また、企業との関係では、多言語放送実施に際して、「(株)エフエムふくやま」の全面的な協力を得ています。
したがって、この条件を生かして「多文化共生まちづくり推進協議会」を形成することで、多文化のまちづくりへの「仕組み」ができるものと考えます。
4,仕組みの作用と効果
まず、「多国籍市民ネットワーク」がNGOと連携しながら形成されることで、当事者同士の交流が進み、地域社会での孤立感の解消に役立ち、地域社会を構成する住民・市民としての自覚が生まれます。イベントのみの一過性の関係から、日常的な住民とのつながりが深まることで、外国籍市民の地域での存在感が強まっていきます。また、問題解決への基礎ができることで、外国籍市民の自信にも繋がっていきます。
さらに、外国籍市民がNGOと共に事務局として主体的に関わる「多文化共生まちづくり推進協議会」によって、特徴あるまちづくりへと繋がり、外国籍市民コミュニティーが生かされるまちづくりへと発展することが期待されます。ますます進む経済のグローバル化や少子高齢化の中で、日本社会が直面する問題解決に繋がっていくものです。
現在福山市各地で取り組み始められている「多文化共生」をテーマとしたイベントが、一過性でなく地域に根付いたものへと発展する可能性が高まっていきます。そのために、ブラジル人コミュニティーが形成され、「ゲタリンピック」を通じて地域交流がすすんでいる福山市松永地域や、朝鮮通信使等で国際迎賓港町として発展した鞆の浦の歴史的条件を生かしたイベントやワークショップを行うことで、多文化共生のまちづくりを着実に進めていくことができます。
また、重要な情報媒体として、着実に市民の中に浸透しつつある「エフエムふくやま」での多言語放送を、外国籍市民の主体的な番組づくりへと発展させることで、自立へのステップとなります。
5,スケジュール
月別 |
スケジュール |
2009年4月 |
びんご多文化まちづくりチーム定例会(毎月)、多言語放送(通年・毎週) |
5月 |
↓ ↓ |
6月 |
キーパーソン出会いの場 |
7月 |
自助組織のためのワークショップ |
8月 |
国別紹介フェスタ(フィリピン) |
9月 |
コンピューター教室(2か月間)↓ |
10月 |
国別紹介フェスタ(ブラジル) |
11月 |
自助組織のためのワークショップ |
12月 |
国別紹介フェスタ(中国) |
2010年1月 |
自助組織のためのワークショップ |
2月 |
外国籍市民ネットワーク・発足 |
3月 |
報告書まとめ |
4月 |
1年目の事業成果および課題の検討会、 多言語放送(通年・毎週) |
5月 |
多文化共生まちづくり推進協議会・準備会 ↓ |
6月 |
多言語放送「外国籍市民主体の番組づくり」 |
7月 |
多文化共生まちづくり推進協議会・準備会 |
8月 |
日本語教室(3ヶ月間)↓ |
9月 |
多文化共生まちづくり推進協議会・準備会 |
10月 |
多言語放送「外国籍市民主体の番組づくり」 |
11月 |
多文化共生まちづくり推進協議会・準備会 |
12月 |
多文化共生まちづくり推進協議会・発足 |
2011年1月 |
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2月 |
ONE WORLD FESTA(外国籍市民の子どもたちによるイベントを含む) |
3月 |
報告書まとめ |
6,仕組み図
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