「原爆と峠三吉の詩」原爆展を成功させる広島の会

活動記録2014年


2014年の第13回広島原爆と戦争展
2014年7月30日〜8月7日
 第13回広島「原爆と戦争展」は、安倍政府が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、アメリカのための戦争に日本の青年を突き出す暴走政治に日本中で怒りが沸騰する情勢のもとで、7月30日から8月7日まで、広島市中区袋町の市民交流プラザで開催されました。原爆展を成功させる広島の会と下関原爆被害者の会、原爆展を成功させる長崎の会が主催し、広島市民はもとより全国、世界からもおよそ1500人が参観し、幅広い支持と協力が寄せられました。会場では、被爆者、戦争体験者の戦争を許さない気迫のこもった体験が若い世代に語りつがれ、交流が深められ、多くの青年・学生がスタッフとして参加し、原爆と戦争展の成功に尽力しました。

2014年の活動記録


1、原爆と戦争展など被爆・戦争体験を語りつぐ活動

(1)原爆と戦争展          

 @高陽「原爆と戦争展」(3月14日〜16日)         参観者380人
 安佐北区のフジグラン高陽文化ホールで開催。この地域では初めての開催でしたが、事前の宣伝等において、公民館、町内会、商工会、学校、保育園、幼稚園、商店など地域の協力を得て取り組まれ、期間中は地域の被爆者、戦争体験者をはじめ被爆2世、会社員、親子連れなど多くの市民が熱心に参観し、会場につめた被爆者の話を聞いていきました。初日には地域の小学校の6年生約50人が教師に引率されて来場し、被爆者や教師の説明を受けながら熱心に参観しました。この展示会は身近な場所での開催が歓迎され、期間中に44人が新たに賛同者に加わり、被爆体験を語りつぐ活動への参加の申し出もありました。参観者のなかでは、被爆や戦争の歴史的経験と重ね合わせて、戦争政治に対する切迫した思いを語る年配者や親世代が多く、展示会場は世代を超えた真剣な交流の場となりました。 

 A第8回廿日市「原爆と戦争展」(4月30日〜5月4日)    参観者650人    
 廿日市で第8回目を迎えた今回の原爆と戦争展には、開会までに被爆者、元海軍特攻隊員、医師、自営業者、主婦、大学生、市町内会連合会会長、市遺族会連合会会長、市老人クラブ連合会会長、コミュニティ推進連絡協議会会長など幅広い市民112人の賛同・協力を得、期間中に新たに41人が賛同者に加わりました。
 今回の展示会では、安倍政府による改憲の動きが取りざたされるなかで、凄惨な被爆と戦争の体験をよみがえらせながら、戦時中の実体験に即して、戦争の反省を覆す憲法改定、集団的自衛権行使への強い危惧が口口に語られました。また、体験者が高齢化するなかで、資料提供や運動参加の申し込みが相次ぐなど、若い世代が意欲的に運動を継承していく機運が高まっていること、広島県民の中で渦巻く強い戦争阻止の世論を反映するものとなりました。
 
 B第8回広島修道大学「原爆と戦争展」(5月12日〜16日)   参観者220人
 学生有志との共催で開催した展示会には、各学部の学生や教職員、図書館を利用する市民など220人が熱心に参観し、大きな成功を収めることができました。展示会の期間中、会場には毎日複数の被爆者が交代で訪れ、参観した学生たちに熱をこめて被爆体験を語りました。また、最終日の午前には当時17歳の日赤看護学生だった林信子氏が会場で日赤病院での被爆体験を証言しました。午後には、商学部のゼミ(大塚建司教授)の学生14人が、爆心地から380メートルの富国生命ビルの地下で被爆した高橋匡氏の被爆体験を学びました。
 この展示会を通じて、36人が今年の夏に開催された第13回広島「原爆と戦争展」の賛同者となり、多くの大学生がボランティア・スタッフとしての参加を希望するなど、パネルや被爆証言を通じて被爆や戦争の経験を実感をもって受けとめ、「次は私たちが戦争反対を伝えていく番だ」と行動意欲を高めていることが特徴的でした。
 
 C第9回広島大学「原爆と戦争展」(5月27日〜6月9日)    参観者約500人
 第9回目を迎えた広島大学での原爆と戦争展には、各学部の大学生や院生、留学生、教職員、図書館を利用する市民約500人が訪れ、かつての戦争と原爆の体験が描かれたパネルを、今日の日本の状況と重ね合わせて熱心に参観していきました。4日には文学部のゼミの1年生十数人が授業の一環として眞木淳治氏の被爆体験を、5日には同ゼミの2・3年生二十数人が黒賀良則氏の被爆体験を聞きました。また、13日には原爆慰霊碑などのガイドサークルの学生約10人に高橋匡氏が被爆体験を語りました。この展示会を通じて、39人が第13回広島「原爆と戦争展」の賛同者になり、中国人留学生を含む7人の大学生が夏の一連の平和行事に参加しました。参観した学生からは、生の体験談を聞くことの重要性とともに、「平和は自分たちでつくっていかなければならない」「どうしたら日本が戦争に向かわないようにできるのか」といった問題意識が語られました。  

 D第13回広島「原爆と戦争展」(7月30日〜8月7日)     参観者約1500人
 袋町の市民交流プラザで開催された今年の広島「原爆と戦争展」は、安倍自民党政府が集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定するなど、対米従属のもとでかつての戦争の反省を覆して戦時国家づくりが先行することへの全国的な怒りと行動機運の高まりのなかで開催され、全市民的な協力のもとで、揺るぎない核兵器廃絶と平和、独立を求める広島市民の声を発信し、広島から全国に運動を広げていく大交流の場となりました。
 会場には、市内、県内の被爆者や戦地体験者、遺族、被爆2世をはじめ、集団で参観した市内の保育園児や『原爆展物語』公演に参加した市内の中高校生、小学生、親子連れ、主婦、会社員、教師など各年齢層の市民が訪れるとともに、北海道、東北各県、関東、近畿、中四国から九州、沖縄にいたる全国各地から労働者や学生、会社員、親子連れなどが集団や個人で広島の本当の声を知るために、途切れることなく来場しました。また、大学教員に引率されて集団で被爆体験を聞いたロシア人大学生や団体で参観に訪れた韓国人大学生をはじめ、アメリカ、フランス、イギリス、オーストラリア、中国、台湾など、海外からも多くの参観者が訪れました。
 会場では、第2次大戦のパネルと「集団的自衛権行使」など現代をテーマにしたパネルを熱心に参観し、広島の被爆者と長時間の交流をしていく光景が絶え間なく続きました。特に、「みんなが貧乏になって戦争になっていった」に始まり、国民を戦争に総動員していった当時の体験を描いたパネルが、現在進行する戦争政治と重ねて年代を問わず多くの参観者の強い関心を集め、安倍政府の暴走に対する強い憤りが語られ、戦争阻止にむけて熱気を帯びた交流がおこなわれました。
 参観者からは、アメリカの原爆投下に対する新鮮な怒りが語られ、露骨なアメリカの植民地になり果て、ついにはアメリカのための戦争に日本の若者がかり出され、死ななければならない情勢が迫っていることにたいして、「原爆を落とされた日本が今はアメリカのいいなりになってしまっていて情けない。アメリカは戦争を早く終わらせるために原爆を落としたというが、侵略するためだ。そのおかげで今も岩国基地など、米軍のために相当なお金をつぎ込んでいる」「国が情報を抑制して都合の悪いことは報道せず、他国との危機を煽り、軍備を進めた方が良いのではないかという国民の世論をつくっていく。当時も今もほとんど変わりはない」「パネルに”やっと戦争が終わった”という一文があったが、わずか70年でそれがくり返されようとしていることに戦慄を覚えた。私たちの子どもや孫世代がまた戦争におびえる時代が来ると思うと、私たちの世代があたりまえの平和に浸っている場合ではない」「なぜ戦争が起きたのか、どのような戦争だったのかをもっと学校で教育していかないといけない」といった切迫した問題意識が熱く語られました。
 被爆者たちは、原爆投下によって「修羅の街」と化した惨状や親兄弟、学友を殺されたことへの怒りとともに、「子や孫、ひ孫たちがまた戦争にとられる時代にしてはいけない」「命がけで戦争に反対しなければいけないときが来ている」「被爆を体験した者の使命として命ある限り語り継いでいく」という気迫で、原爆や戦争に反対し、平和の力を大きくするために行動に立ち上がることを訴え、多くの若者、市民が賛同者になっていきました。
 会場で参観者に体験を語った被爆者、戦争体験者はのべ50人にのぼり、平和公園での街頭展示を含めて、大学生、現役労働者や主婦、被爆2世などのべ60人以上にのぼるスタッフが、事前のポスター貼り行動をはじめ、会場設営から受付、会場案内、炎天下や雨のなかでの街頭チラシ配布、外国人アンケートの翻訳、撤収などを献身的に担いました。

 E横川「原爆と戦争展」(10月31日〜11月3日)       参観者360人
 事前の宣伝やカンパなど、西区を中心に被爆者や町内会役員など86人の賛同者の幅広い協力をえて、西区民文化センター2階ギャラリーで開催した原爆と戦争展には、小学生から90代の被爆者まで各年齢層の人人360人が熱心に参観し、会場につめた被爆者との真剣な交流が行われました。期間中に29人が新しく賛同者となり、賛同者は全部で115人となりました。
 参観者からは、集団的自衛権の行使容認や原発の再稼働など国民の世論に逆行する政治が横行することへの強い憤りとともに、被爆体験を継承し、広島から被爆と戦争の真実を伝え、戦争阻止の大きな平和の力をつくっていく市民自身の地道な運動への期待と資料提供をふくめた賛同・協力の申し出が多く出されました。  

(2)小中高生への被爆体験の継承                        
                                       
 ・5 月21日  高木小学校(西宮市)  6年生     証言者10人
 ・5 月29日  大井小学校(萩市)   6年生      証言者  2人
 ・6 月 5日  東岐波小学校(宇部市)6年生     証言者 8人
 ・6 月10日  楠那小学校(広島市) 4年生     証言者 2人
 ・6 月16日  五日市南小学校(広島市)4〜6年生 証言者  3人
 ・6 月23日  江波小学校(広島市) 4〜6年生   証言者 3人
 ・6 月24日  鈴が峰小学校(広島市)5・6年生    証言者 2人
 ・6 月26日  五日市小学校(広島市)4〜6年生   証言者12人 
 ・6 月30日  井口台小学校(広島市)5・6年生   証言者 6人
 ・7 月 2日  井口台小学校(広島市)3・4年生   証言者 6人
 ・7 月 4日  安佐中学校(広島市) 3年生     証言者 7人
 ・7 月 8日  三入東小学校(広島市)全学年    証言者 6人
 ・7 月10日  彩が丘小学校(広島市)3・4年生   証言者 4人
 ・7 月17日  三和中学校(広島市) 1・2年生   証言者 7人
 ・7 月18日  三和中学校(広島市) 3年生     証言者 6人
 ・7 月22日  江波児童館(広島市)           証言者 2人
 ・7 月24日  うじな保育園(広島市)年長組      証言者 1人
 ・7 月26日  吉島児童館(広島市)           証言者 1人
 ・8 月 6日  西向寺(廿日市市)ボーイスカウト    証言者 1人
 ・9 月18日  平野南小学校(大阪市)6年生     証言者10人
 ・9 月30日  上宇部小学校(宇部市)6年生     証言者 8人
 ・10月17日  平生小学校(平生町) 5年生      証言者 9人
 ・10月21日  三軒屋西小学校(大阪市)6年生    証言者 4人
 ・10月22日  治田東小学校(栗東市) 6年生    証言者 9人
 ・10月29日  黒石小学校(宇部市) 6年生     証言者 9人
 ・11月12日  治田西小学校(栗東市)6年生     証言者 1人
 
  広島への修学旅行では、昨年より2校ふえて春・秋あわせ10校(山口県、大阪市、滋賀県、西宮市)の生徒に被爆者らのべ70人が体験を語り、地元広島では中学校をふくめ10校・1園の生徒・児童に被爆者ら延べ64人が体験を語りました。そのほか、廿日市市のお寺や市内の児童館で、生徒らに体験を語る機会を持つことができました。


(2)大学生、社会人への被爆体験の継承(被爆体験を聞く会)                    
 ・12月18日  県立広島大学(1年生全員参加の授業)       証言者 1人
 ・1 月12日  己斐公民館で被爆体験を聞く会           証言者 1人
 ・1 月31日  三篠公民館で被爆者と学生の交流会      証言者 1人
 ・5 月16日  広島修道大学(展示会での体験証言)      証言者 1人
 ・5 月16日  広島修道大学(展示会での体験証言・授業)  証言者 1人
 ・6 月 4日  広島大学(展示会での体験証言・授業)      証言者 1人
 ・6 月 5日  広島大学(展示会での体験証言・授業)      証言者 1人
 ・6 月13日  広島大学(展示会での体験証言)           証言者 1人
 ・8 月 6日  下関平和の旅(袋町市民交流プラザ)         証言者 2人
 ・8 月 6日  ロシア人大学生への体験証言(市民交流プラザ)  証言者1人
 ・8 月30日  青年社会人への体験証言                               証言者 1人
 ・9 月 6日  スワローテールでの体験証言                   証言者 1人
 ・9 月17日  京都の大学生有志への体験証言            証言者 2人
 ・10月 6日  スワローテールでの体験証言                  証言者 1人
 ・10月 6日  被爆体験の聞き取り                       証言者 1人
 ・10月16日  広島修道大学(授業での体験証言)           証言者 1人
 ・11月22日  被爆体験の聞き取り                       証言者 1人

 今年も、県立広島大学や広島大学、広島修道大学での展示会や授業で、大学生に被爆体験を語る機会をもつことができました。社会人や他県の大学生への体験証言、大学生による被爆体験聞き取りの活動もおこなわれました。
(3)平和公園での街頭展示

 大学生主体の平和公園・原爆資料館横での街頭展示が3年を経過し、この秋からは1年を通じて原爆の子の像横で展示をおこなうことができるようになりました。この間、広島大学、広島修道大学、県立広島大学、日赤看護大学などの学生、院生が月2回の街頭展示を継続し、7月、8月の期間は、原爆の子の像横に場所を移して多くの大学生がボランティアスタッフとして参加しました。また、広島の会の被爆者や会員も街頭展示に参加して、参観者にパネルの説明をしたり、体験を語るなどして街頭展示をささえてきました。この展示活動は、全国、世界からの旅行者や地元市民の強い支持と共感を集め、全国、世界に広島の本当の声を発信していく重要な場となっています。
   
2、原水爆禁止・平和運動、他団体との連携・協力
 
 @第10回長崎「原爆と戦争展」(6月18日〜23日)長崎市民会館 参観者約1000人
 全市的な協力のもとに取り組まれたこの展示会には、90代から80代の戦争体験世代が多数来場して「二度と戦争を繰り返してはならない」という切迫した思いをつきることなく語るとともに、現役世代や若い世代も意欲的に参観し、被爆者から体験を学ぶなど真剣な論議が広がりました。22日におこなわれた長崎、下関の被爆者、市民との交流会には、広島の会から被爆者、被爆2世、会員、大学生ら7人が参加し、各地での活動の経験や反響、最近の子どもたちの真剣な姿勢などが活発に交流されました。                 

 A『峠三吉・原爆展物語』広島公演(広島県民文化センター、8月4日)
 今年も8月4日、広島県民文化センターで、劇団はぐるま座による『峠三吉・原爆展物語』公演がおこなわれました。今年の公演には、戦争体験世代をはじめ、親子連れやスポ小の指導者の引率で来場した小学生や、中学、高校の演劇部の生徒、大学生、原爆と戦争展や街頭原爆展を観たことをきっかけに観劇した若い母親や海外からの留学生、8月の広島に全国から訪れた人など各界各層の人人が観劇し、終演後の座談会にも多くの青少年が参加し、感想が熱く語られました。

 
 B全国交流会(市民交流プラザ「原爆と戦争展」会場ロビー、8月5日)  
 毎年、下関原爆被害者の会と原爆展を成功させる広島の会の呼びかけでおこなわれてきた全国交流会には、広島、長崎、下関の被爆者をはじめ、沖縄県、愛知県、茨城県、宮崎県などから元海軍特攻隊員、沖縄戦体験者、現役労働者、主婦、学生などが参加し、全国各地ですすめてきた原爆と戦争展をはじめとする活動の経験や特徴を交流しました。交流会は、この1年間の活動の成果を共有するとともに、戦争阻止に向けたみなぎる思いと原爆展活動への確信が熱く語られ、全国で沸騰する戦争反対の国民世論を反映した熱気と迫力に満ちたものになりました。
                    
 C第15回広島に学ぶ小中高生平和の旅(8月5日、6日)
 今年の小中校生平和の旅には、山口県内各地、北九州の小学校1年生から中学校1年生までの子どもたちと教師、父母など総勢90人が参加しました。今年は雨のため、子どもたちは8月5日に宿舎と原爆と戦争展会場でそれぞれ広島、長崎の被爆者8人から被爆体験を学びました。8月6日には、午前中に原爆の子の像前で平和集会をおこない、その後県民文化センターで開催された原水爆禁止広島集会に参加し、構成詩を発表しました。今年の平和の旅は、鉄棒逆上がりや縄跳び、かけ算九九の全員達成など「みんなのために」を合い言葉に成長してきた子どもたちが、さらに各学校で平和集会をおこなうなどして取り組まれ、台風による雨という突発的な事態のなかでも、被爆者の思いを真剣にうけとめ、構成詩の準備や6日の平和行進などにその力を十分に発揮し、平和の旅は大きく成功しました。

 E2014年原水爆禁止広島集会(県民文化センター、8月6日)450人が参加
 今年の原水爆禁止8・6集会は、安倍政府が秘密保護法の制定や原発再稼働、TPP、集団的自衛権の行使容認の閣議決定など戦争政治をごり押ししているなかで開催され、戦争を阻止しようと願う大衆世論は日本列島の津々浦々に充満しており、その力を束ねて運動にしていくなら戦争を押しとどめることができることを確信させるものとなりました。広島「原爆と戦争展」をはじめとする1連の平和行動の集約点となった8・6集会には、広島市内、全国各地から450人が参加しました。集会は、1950年8・6を契機に全国に広がった私心のない平和運動の本流をさらに全国へ広げ、日本社会の未来を切り開いていく、気迫と決意のみなぎった集会となりました。
 集会では広島の会から林信子氏、下関原爆被害者の会から大松妙子氏、長崎の会から山村知史氏が発言しました。林信子氏は、看護学生として赤十字病院で被爆しながら、必死で被爆者を看病した凄惨な体験を語り、「次の代、また次の代へとみなさんが受け継いでいただくことがうれしい。集団的自衛権という言葉をニュースで聞くが、また日本が戦争をするようなことがあったり殺し合うようなことがあっては大変だ。皆さんが平和のために、受け継いでくれることを楽しみにし頼りにしている」と述べました。意見発表をおこなった広島の男子学生は、1年間を通じた街頭展示や宣伝活動で学んだことを述べ、「次の世代が何もしなければ戦争の事実は次の世代に伝えられないままになってしまう。それが歴史の認識を誤らせ、争いに発展してしまうのではないか」「特に目をひいたことは、この活動に参加したいという気持ちがある人がかなり多いことだ。先日、原爆展物語をみたとき、自分のやっていることと重なり、間違っていないと確信することができた」とのべました。最後に、広島の女子学生が集会宣言を読み上げて採択し、採択された集会スローガンを唱和しながら市中行進をおこない終了しました。集会には広島の会から30人近くが参加しました。

 F平和の担い手を育てる子ども、父母、教師の集い(下関、8月24日)300人が参加
 「戦争に立ち向かう教育を発展させ教育から世の中を立て直そう」をテーマにした第36回人民教育全国集会が下関で開催され、初日の「子ども・父母・教師のつどい」には、上宇部実践を各学校で実践する青年教師、被爆者、戦争体験者など全国から300人が参加しました。つどいは、「みんなのために」と集団的に育てる上宇部実践を通じて子どもたちが困難に負けずはつらつと成長している姿が参加者を感動させ、それを担う教師と成長を心から喜ぶ父母や祖父母の願いが1堂に会する大交流の場となりました。また、教師自身が被爆体験や戦争体験に学ぶことを通じて、上宇部実践こそ戦争を押しとどめる力をもった子どもを育てる教育であるとの確信が語られ、明るい展望を示す集会となりました。広島の会からは4人が参加し、集いの終了後、下関の被爆者と交流し、「戦争体験、被爆体験を語ることが先生たちや子どもの成長する力になっている」ことを確認し、これからも精力的に子どもたちに体験を語っていくことを誓いあいました。

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