ハルヤスミ句会 第百二回

2009年4月

《 句会報 》

01 朝あらし呼応しながら鳥帰る    波子

02 船窓に届くは島の囀りよ      春休(ま・阿)

03 校庭の花満開も閉校に       つよし(山)

04 岬打つ波やはなびら交じりなる   まどひ(あ・山・阿)

05 春の潮爺ねまりをる横座かな    波子

06 住職とプリクラ撮つて卒業す    阿昼(鋼・波・春)

07 蕗味噌に顔が緩びて若がえり    波子

08 飛んできし種いちめんに名草の芽  つよし

09 蕗の芽のひとかたまりを佃煮に   あたみ

10 波音のだんだんとぎれ花人に    まどひ

11 花吹雪ミーアキャットのやうに立つ つばな

12 花どきや中古車に値をでかでかと  春休(あ・ま)

13 甘茶寺ついうっかりとしてました。 あたみ

14 石垣の古き桜に入学す       阿昼(鋼・あ・山・春)

15 チューリップ夜になつたらとぢなくちや つばな

16 枕より落ちてそれまで春の夢    春休(波)

17 葉桜や十年前のチョコレート    つばな

18 一晩の皺を枕に花の客       春休

19 降る花を見上げ傘の子合羽の子   阿昼(鋼・波・春)

20 多喜二忌の横になれないベンチかな まどひ(鋼)

21 雨を待つからから畑や春大根    つよし

22 けふこそは蚕豆の花に水をあげ   あたみ(ま)

23 手ぬぐひを床に飾るや夏近し    春休(阿)



【 鋼つよし 選 】
○06 住職と  意外性があってよい
○14 石垣の  いまや100年の歴史ある学校が多いから感動も大きいと思う
○19 降る花を  傘の子 合羽の子が良い
○20 多喜二忌の  多喜二とのつき具合がよくわからないが意味深長なのをいただき

【 梅原あたみ 選 】
○04 岬打つ  私は真鶴岬を思い出して戴きました。「童子」の皆さんの吟行の様子を想像しながら*
○12 花どきや  厳しい社会情勢ですからネ*このような詩も句もありえますネ*
○14 石垣の  とても好きな場面です。入学も4月、桜も春とは思いますが?戴きました。

【 山田つばな 選 】
○03 校庭の花満開も閉校に
○04 岬打つ波やはなびら交じりなる
○14 石垣の古き桜に入学す
以上です。

【 舟まどひ 選 】
○02 船窓に  気持ちのいい句。風、光、波音そしてだんだん大きく聞こえてくる囀。船の動きや緑の島まで見えるようです。 
○12 花どきや  「値をでかでかと」だけで、車に貼りついている紙、そこに書かれた大きな数字、万という漢字、中古車センターの雰囲気が表現されています。そして花どきが妙に効いています。
○22 けふこそは  その土がからからに乾いた様子、それから今日こそ水をもらえた花が生き生き蘇るさまが見えます。蚕豆がいい。

【 喜多波子 選 】
○06 住職と  住職とプリクラと言う取り合わせの落差が楽しい句です
○16 枕より  上五と中七の展開が上手いですね!季語がぴったりです
○19 降る花を  桜散る様子を傘の子と合羽の子が見上げている 日本人の真情まで見える素晴らしい句だと・・感心しました!

【 中村阿昼 選 】
○02 船窓に  緑豊かな鳥たちの楽園のような南の島を想像しました。「島の囀り」が上手い。
○04 岬打つ  岬の上の桜が海へ吹雪いて、その花びらがまた岬に寄せて。岬打つ波の大景から、はなびらのまじる波のクローズアップに移る構成も上手い。
○23 手ぬぐひを  涼しげな色の粋な手ぬぐいなんでしょう。夏は暑くていやだなーと思うのに、「夏近し」という季語にはなんだかわくわくするような期待感が。
 他に好きな句
16 枕より  どんなにいい夢だったんでしょう。もう一度枕に頭を乗せても続きは見られないんだろうな〜。
17 葉桜や  十年前のチョコレート、いったいどこから出てきたのか。初恋の思い出が捨てられなかった?季節が移り変わって葉桜になるように、思い出もいつか遠いものに。

【 小川春休 選 】
○06 住職と  意外性のある句で面白いと思うのですが、「プリクラ」がちょっと軽すぎるような気も…。「記念撮影」ぐらいではいかが?
○14 石垣の  中七の「に」を「や」にした方が良いのではないかと一瞬思いましたが、変えない方が良いですね。「に」から、入学することになった学校への愛着(愛校心)の芽生えが感じられるのです。
○19 降る花を  「傘の子合羽の子」と名詞名詞でまとめたところが良いです。様子もよく分かり、リズムも良い。
 01 朝あらし  何と何が呼応したのか(朝嵐と鳥?それとも鳥と鳥?)、ちょっとはっきりしません。あまりはっきりさせすぎると理屈っぽい句になる恐れもありますが、このままだと漠然としている感じです。
 03 校庭の  きっと書き手はこの「も」が言いたかったんでしょうけど、あえてそれを言わずに読み手に委ねた方が、句に広がりが生まれます。たとえば「校庭の花満開や閉校に」など。
 05 春の潮  中七下五はなかなか味があるんですが、上五の季語が状況説明(時期は春、海が近い、という程度の)に過ぎないのが残念です。もっとイメージの広がる季語があるのではないでしょうか。
 07 蕗味噌に  面白い内容だと思うのですが、どこか表現がぎこちなく、すっきりしてない印象の句です。ぜひ推敲してみてください。
 08 飛んできし  飛んできた種がいちめんに芽吹いた、という内容だと、種が飛んできた時期と芽吹く時期との間の時間が長すぎて、句がだらけてしまいます。
 10 波音の  下五のつながりがよく分かりませんでした。
 15 チューリップ  内容・言い回し等可愛らしい句ではありますが、残念ながら意外性に欠けている気がします。内容にも意外性のある句としては、「森の方から短夜が来るんだよ」(如月真菜)などが思い浮かびます。
 17 葉桜や  上五次第で面白い句になりそうな気もしますが、「葉桜や」はあまり合っていないように思います。
 20 多喜二忌の  何故横になれなかったのか、小さかったから? 濡れていたから? 汚れていたから? それとも他にも座っている人がいる? いろいろな場面が想定できてしまう(そしてどれも決め手に欠ける)ため、頼りない句になっています。個人的には、素直に「多喜二忌のベンチに横になりにけり」で良いと思うのですが…。

来月の投句は、5月15日までに、3句お送り下さい
・・・・・・投句はこちら

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