ハルヤスミ句会 第十一回

2001年8月

《 投句 》

01 まつすぐな幹降りてくる蟻早し   阿昼 (◎ふ)

02 サッカーの鉦と太鼓と蝉時雨    つよし

03 夕立の来るまで街を歩くなり    阿昼 (呂・つ・ふ)

04 窯元の家にぞ蜂の巣を作り     ふみ

05 鳴き交はすことにはじまり虫の夜  つよし(ふ・阿・春)

06 泣きながらセロリを噛んでゐる女  ふみ

07 百円のメロンの傷のかぐはしき   阿昼 (呂・つ)

08 夏蝶やがらんとしたる窯の穴    ふみ (つ・阿・春)

09 立秋の算盤を手の走りけり     春休 (阿)

10 今朝秋の黒猫と目が合ひにけり   春休

11 青柿のころがりゆけり猫の貌    つよし(春)

12 秋晴に立ちては尻をはたきけり   春休 (呂)



【 沼呂木 選 】
今回は選句のみ参加させていただきます。
07 百円の  「百円」の価値を考え、メロンがいとおしくなる句。キズモノでも確かに価値はあります。だれしも同じ・・・
03 夕立の  そうそう、歩けばいいのです。
12 秋晴に  疲れたら休むことです。秋晴れの色が心に染み込むにまかせていたら立ち上がれることでしょう。

【 鋼つよし 選 】
 03 夕立の  すつきりとした句で、星野 立子を思い起こしました。
 07 百円の  傷に焦点を合わせたのが良いのかも。
 08 夏蝶や  明るい日差しのなか、蝶が飛んで、窯の穴が良い。
 *助詞に悩む。
 09立秋の  この句「算盤を」の「を」に悩みました。俳句文法書を開いてみるに、「を」+名詞というのはないわけではないが、普通は、「を」+動詞だ。
 私なりの意見では、立秋の手や算盤を走りけり かな

【 中村ふみ 選 】
◎ 01まっすぐな  そのまっすぐさ、その速さが何故だか悲しかったり、痛かったりして、強く印象に残りました。
○ 03夕立の    ちょっと全体的にゆるい感もありますが、詩情があると感じました。
○ 05鳴き交わす  すごい単純で、小学生みたいなことを言ってるのに、今まで私はこんな風に表せませんでした。なるほどの一句。

【 中村阿昼 選 】
09 立秋の  算盤の珠の音が涼しげ。中七までがちょっと散文的でスピードが乗らないけど、算盤だからこのぐらいでもいいかもしれない。夏も終わったことだし、万事ご破算で願いまして、と。
08 夏蝶や  窯の穴の暗さに対して、夏蝶が鮮やか。でも穴が見えるってことは、使用中でないってことだから、がらんとしたるは不要かもしれない。
05 鳴き交わす  七七を付けたくなるような句。うまく付けられないけど。鳴き終わるときは一匹なのかな。
11 なんか妙に面白い取り合わせ。でも「貌」があいまい。

【 小川春休 選 】
○08 夏蝶や  「夏」が動かない。とても力強い句。まばたきもせずに眼前のものを見る目を感じました。もちろん、暴力的に強い日差しも、あちこちに日差しを反射しながら飛ぶ蝶も、窯の穴の深い闇も。
○11 青柿の  一読、ヘンな句だなぁ、と思った。しかし、こうした景に目を留め、目をそらさない作者の物の見方もヘンだ。言っときますけど、ヘン、というのはほめてるんですよ。ヘンであるということは、エネルギッシュであるということでもあるのです。
○05 鳴き交はす  ちょっと把握が観念的な気はするけれども、虫の夜のムードみたいなものを感じさせてくれる句。
 01 まつすぐな  幹が真っ直ぐだから降りてくる蟻の速度が速い(「早」は早朝、早期発見など時間的に早いという意味で使うので、スピードを意味する場合は「速」)というのはまさしく原因結果。理を消そうと思えば、「まつすぐに蟻の降りくる幹真直ぐ」とかかなぁ。
 02 サッカーの  「サッカーや」と切った方が良いかもしれませんね。俳句もサッカーも蝉時雨も、リズムが大事。
 04 窯元の  「窯の穴」にびしっとピントが合っている08に比べると、少し漠然としている感がなくもない。それでも、良い句だとは思うけど。
 07 百円の  果物の傷の句はたくさんあって、甘い句にならないよう注意が必要。この場合、「百円の」というところに裏切りがあるといえばあるのだけど、効果的かといえばちょっと疑問。上五「かく小さき」などとした方が、値段を言うよりもメロンの生命力みたいなものを感じたりしないかな。

来月の投句は、9月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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