01 親しめる燈火をゆらす地震なりぬ つよし

02 吾が街は50ベクレル木の実落つ タロー

03 髪を切り秋刀魚を食べる夜となる 順一(鋼)

04 秋の夜の奥へ鋏の切りすすむ   佳子(タ・忠・順・海・ぐ)

05 朝露に散歩の翁素足なり     山渓

06 蜻蛉や睨み左右に竿の先     遊介

07 暗算の視線が上へ秋日和     春休(忠・て・益・ぐ・波)

08 秋高しポテトチップの咀嚼音   益太郎(遊・海)

09 秋の虹ゴメつくねんといぢらしや 波子

10 名月や夜回り当番してをれば   笛吹

11 秋の日やふと啄木の妻のこと   海音

12 黒葡萄手首老いしと思ひけり   てふこ(笛・ぐ・鋼・春)

13 ゼッケンのピン光らせて運動会  笛吹(遊・順・益・佳・波)

14 唐揚げに紙皿撓み秋祭      春休(笛・忠・て)

15 背高泡立草やまもなく新宿駅   てふこ

16 新聞に秋思を抉り出されけり   順一(タ)

17 起き掛けに音なく齧る檸檬かな  忠義(海)

18 色鳥の時おり雀しよつちゆう来  ぐり(鋼・春)

19 山の湯に市立つなり零余子買ふ  つよし

20 梨二個を食べて笑いを引き出さる 順一

21 こんこんと湧水満つる月夜かな  波子(山)

22 威勢よき売り子の声や秋刀魚の値 山渓

23 紅葉の湖面を分けてボートかな  笛吹

24 水筒の水たぷたぷと体育の日   海音(波・鋼)

25 曲水のある庭園や時鳥草     山渓

26 里まつり人の賑わひ一夜かな   遊介

27 草相撲来賓席に大賜杯      忠義

28 夜学子の如き私が文字を追ふ   順一

29 その方の背も汗染み花芙蓉    はなの(佳・春)

30 名月や人知及ばぬものありと   タロー

31 立ち枯れになればようやく吾亦紅 遊介

32 皿取れば卓があたたか秋の灯に  春休(て)

33 清里の空高くして走り蕎麦    遊介(笛・山)

34 校長の中折れ帽や銀杏の実    タロー(山)

35 まんじゅしゃげじゅげむじゅげむとまんじゅしゃげ 益太郎(忠・波)

36 一斉に扉のひらく秋思かな    佳子(海・て)

37 同じじゃない涙のかたち芋の露  益太郎

38 たづねたき通に人なし葉鶏頭   はなの

39 あきらめる癖の治らず式部の実  ぐり(遊)

40 色づきて房の体なき山ぶだう   はなの(遊)

41 息子らと夕陽追ひけり体育の日  波子(順・山)

42 返り花赤き鳥居の日に映ゆる   山渓

43 芋掘つて出だすや太き腹の音   春休

44 築庭にこぼるる萩や入日影    山渓

45 ネクタイの裏にイニシャル秋の風 海音(佳・春)

46 今朝も居るおんぶばつたや青菜上 つよし

47 法律の艦隊追いつつ夜なべかな  順一(タ)

48 流れ着くものに尿瓶も秋の風   佳子(益)

49 葉も枝も一緒くたになり秋出水  遊介

50 みな同期戻り鰹の大皿に     ぐり(笛)

51 金木犀干したる物のすぐ冷えて  春休(ぐ)

52 渋皮と秋思なかなか取れずあり  忠義(タ・益)

53 地球儀を回しながらよ冬支度   てふこ(順・佳)

 




【 小林タロー 選 】
○04 秋の夜の  一読 春の夜を象はすり減りつつ歩む 守谷茂泰 を思い出します。どちらも解釈不能、というか解釈してはいけない。イメージが湧くか、湧いたイメージが受け入れられるかでしょうか? 私は秋の夜のイメージが良くとらえられていると思いました。
○16 新聞に  一読 括り出されけり と読み、わかりやすい句だなと---- 抉り なんですね。ひとつは新聞の記事を読んで、仕舞っておいた感情が抉り出されれてしまった。もう一つは、ある意味自分だけの行為や思いと思っていたものが、新聞に載るほどのかなり一般的なものだともわかった。両者の感情の動きが「けり」に良く出ていると思いました。
○47 法律の  法律の艦隊 で頂きました。司法試験受験勉強で六法全書とにらめっこという景でしょう。なぜ 「つつ」とし字余りとしたのか--- 追ひて としなかったところに意味があるのか、わかりませんでした。
○52 渋皮と  愁思を渋皮としたところを頂きました。苦い思いがなかなか取りきれない うまいとは思いましたが、ここまで言ってしまうとあるいは言いすぎかも---。

【 伊藤笛吹 選 】
○12 黒葡萄  実感がある。
○14 唐揚げに  秋祭りの楽しいひとコマが活写されている。
○33 清里の  特にひねりはないが、でも気持ちのよい空が見えるよう。
○50 みな同期  同期会のにぎわいが、カツオの大皿に象徴されている。

【 森田遊介 選 】
○08 秋高し  何の憚る事もなく大口を開けてポテトチップを食べる。秋と咀嚼する音が響き合っています。自由奔放な景が見えます。
○13 ゼッケンの  秋晴れの下の運動会なのでしょう。運動会という動の中で無表情なゼッケンのピンに目が届いた観察力は素晴らしい。
○39 あきらめる  下五の式部の実で納得していまう一句。紫式部の紫から諦める事が何かと想像が掻き立てられます。
○40 色づきて  房の形もなく既に熟してきっている山ぶどう。人間に当てはめると非常に哲学的になります。味わい深く読みました。

【 小早川忠義 選 】
○04 秋の夜の  現実でもお裁縫を行っている最中なのでしょう。しかし、この夜中でどこかしらに違った世界への入り口が開いているようで。鋏を進める先は明るい ところか暗いところなのか。
○07 暗算の  暗算の際に目が上に行くのは、一体何の心理作用なのでしょうか。そういえば思い出せない記憶を引っ張り出す際にも。神様が上にいる(文殊菩薩でも可)から智恵を借りようと眼を合わせようとしているのでしょうか。見えてくるのは移動性高気圧に囲まれた秋の空だけなのに。
○14 唐揚げに  「いよっ、ねーちゃん唐揚いかが?」「うーん、確かあいつ好きだったから買ってくわ。」
 「よーしそう来なくっちゃ。じゃあおまけね。」「あ、おっとっと。ありがとう。いただくわ。」
 それにしても早く待ってる人のところにたどり着かないことにはせっかくのから揚げが全部落ちてしまう。おまけもらって嬉しいけど、どうしたものかという気も。
○35 まんじゅしゃげ  まんじゅしゃげ(彼岸花)は墓場に咲く花。じゅげむじゅげむってのは冗談交
じりでも生まれてきた子どもに長寿を願ってつける名前。読み下してみるとまるで読経しているようで面白い。彼岸と此岸を行き来しているようでもある。

【 石川順一 選 】
○04 秋の夜の  「奥へ」と言うのが「向こうへ」でも無く「先へ」でも無い語の良さを感じました。「奥へ」に方向だけでは無い作者の何か強い思いが示唆されて居るのを感じる事が出来たからです。
○13 ゼッケンの  「運動会」と言うのは換気力の強い季語ですが、それだけに句作も難しいかと。しかし極小の事実が「運動会」を引き立てて居ると思いました。
○41 息子らと  たわいもないと言ってしまえばそれまでですが、最近体育の日に体育大会をやらなくなったなあと思いつつ(この句とは関係ありませんが)、「夕陽を追ふ」と言うのは本当は独りでやる事ではないか、思ったわけです。なのに「息子らと」と言うのは結構衝撃的な印象がありました。その孤独さと多数性の相半ばする状況を空想させる所にいい句のいい句たる所以があるのかなあと思いました。
○53 地球儀を  何か威勢のいいものも感じました。「よ」(助詞)を引くと接続具合で男言葉にも女言葉にもなる見たいですがこの場合は女性が威勢よく男言葉を弄して居るのかなあと思いました。

【 湯木ねね 選 】
(今月はお休みです。)

【 涼野海音 選 】
○04 秋の夜の  「秋の夜の奥」から底はかとない静寂さが伝わりました。
○08 秋高し  ポテトチップスを噛む音からその食感まで伝わってきます。音の軽やかさが「秋高し」とマッチしてます。
○17 起き掛けに  朝の静けさの中の檸檬。他の果物ではこのムードは出ないでしょう。
○36 一斉に  抽象画をみているような、言いようのない秋思。

【 松本てふこ 選 】
○07 暗算の  情景と文体との調和が美しい。乾いた空気、読み上げられ続ける数字とふわりと宙に浮く視線。
○14 唐揚げに  即席用の紙皿を濡らす脂の湿りと秋祭の季語がもたらす豊穣さ。
○32 皿取れば  料理の皿のあたたかさが心地よくなる季節ですよね。皿のぬくもりがさらに卓に移る、そんな日常の一瞬を切り取る作者の目線にやさしさを感じます。「秋の灯」の寄り添うような季語の付き方も無理がなくて気持ちが良い。
○36 一斉に  最初は「秋思がベストなのかな?」と疑問だった(選んだが今もちょっと悩んでいる)し、「一斉に」開くほど扉(自動ドアと解釈した)がある光景というのもちょっと分かりづらい。秋思と扉という、ほどよく都会的な取り合わせに取らされた感もある…と、取った割に批判ばかりしていますが、自分も作りそうな句なので共感と自省の念を込めて取りました。

【 足立山渓 選 】
○21 こんこんと  水はいつでもこんこんと湧くが、なぜか季語の「月夜」とぴったり感じがした。
○33 清里の  八ヶ岳の美しい光景を眺めながらの蕎麦の味は格別でしょうね。羨ましい。
○34 校長の  中七の時代かかった措辞と季語と取り合わせに感心。
○41 息子らと  休日の体育の日は遊んでいてはいけない。少しでも体を動かさなければいけない。子供と一緒に駆けている光景が浮かぶ。

【 川崎益太郎 選 】
〇07 暗算の  秋日和で視点が上に行くのは当たり前であるが、暗算との取り合わせが上手い。
〇13 ゼッケンの  ピン光らせて、この発見、視点に1票。
〇48 流れ着く  尿瓶と秋の風では淋し過ぎるとも思ったか、これが現実かも知れず。
〇52 渋皮と  渋皮と秋思との取り合わせが上手い。

【 草野ぐり 選 】
○04 秋の夜の  実際に布や紙を切っているのかもしれないが心象風景なのかもしれない。秋の夜に鋏を入れている作者の静かな息づかいが感じられるような独特な感覚の句。
○07 暗算の  必死に暗算をしている子供の表情が直ぐ浮ぶ。秋日和がとても平和でほっとする。
○12 黒葡萄  目尻、首、指は年令がでやすいが、手首とは。黒葡萄の艶やかさがさらに手首の老いをひきたてるのだろう。思わず自分の手首をまじまじと見てしまった。出ますね,老い。
○51 金木犀  金木犀の香りが街に漂う頃のひやっとした空気感がよく出ている。

【 二川はなの 選 】
(今月は選句お休みです。)

【 水口佳子 選 】
○13 ゼッケンの  〈ゼッケンのピン〉に着目したところが良いと思う。一つの景をどのように切り取るか、そこがいつも問題なわけで、走っている子供を直接的に詠むのでなく小さなピンを詠むことで子供の生き生きした様子を表現してあるところが心憎い。
○29 その方の  その人と言わず〈その方〉という言葉選びが成功していと思う。芙蓉の花の淡い色と汗の染み・・・こんなふうに詠まれると汗染みもきれいだなあ。
○45 ネクタイの  〈裏にイニシャル〉のあるネクタイはきっと特別なものなんだろう。特注品でなければイニシャルなど入れないとおもう。そういう特別な思いのあるネクタイと爽やかな秋の風・・・気持のいい句。これが春の風だったら句の印象はまた違ってくる。
○53 地球儀を  なんで地球儀を回しながら・・・と思いつつそこにいろいろな想像が拡がっていく。冬支度をしながらついでに地球儀の埃も払ったのか、そのついでに日本の反対側の国のことなどに思いを馳せているのか、そのうち冬支度より地球儀の方に心が移っていくのだろう。こういう場合の〈よ〉はどうなんだろう。効いているようにもいないようにも。

【 喜多波子 選 】
○07 暗算の  暗算する時に天を仰ぐ癖が有りますので良く解る楽しい句です。秋日和によって折角の暗算が忘れてしまいそうです。
○13 ゼッケンの  ゼッケンのピンを光らせた・・運動会の句は独創的で 類句が無いのでは!と思い頂きました。
○24 水筒の  体育の日で親子か、または友達とウオ−キングかもしれません。水筒の水は、少し飲みました。たぷたぷ音がする位未だ残っています。楽しい体育の日ですね!
○35 まんじゅしゃげ  寿命が限り無いの意味で付けられる落語の話・・ ひらがな表記が優しい雰囲気です。あたかもまんじゅしゃげが、唱えて居るようで赤いまんじゅしゃげが鮮やかに見える句です。

【 鋼つよし 選 】
○03 髪を切り  髪を切るのは女性が浮かぶが秋刀魚との取り合わせが面白い。
○12 黒葡萄  何かの折りに老いを思うものだが葡萄をつまんだ折にといのも面白い。
○18 色鳥の  色鳥と雀の対比がそのまんま詠んだところが句になっている。
○24 水筒の  体育の日らしい一こまと思いました。
 52の渋皮と愁思の句も採りたい句でしたが、残念でした。

【 中村阿昼 選 】
(今月はお休みです。)

【 小川春休 選 】
○12 黒葡萄  手首と言ってすぐ思い出すのは〈蛍火や手首細しと掴まれし〉(正木ゆう子)ですが、二句並べると、恋の句と老いの句で内容も非常に対照的。アンチエイジングなどという言葉も耳慣れてしまいましたが、顔の老いはメイクなどで隠せても、老いの隠しにくい部位というのはあります(そのギャップにぎょっとすることも…)。しみじみと自らの手首の老いを見つめる。傍らの黒葡萄のつややかさとの対比が鮮明です。
○18 色鳥の  二種類の鳥の様子を並列で描写し、バラエティに富んだ眼前の景を描き出しています。「童子」っぽい作風の句という印象も受けます。
○29 その方の  「その方」という呼称から、その人物の佇まいが見えてきます。すらっとした、上品な雰囲気の方なのでしょう。周りの人が残暑でひいひい言っていても、一人凛としている「その方」、しかしよく見ると「その方」の背にも汗染みが出来ている…。逆に言えば、そのように汗をかいていても、凛としたたたずまいを崩さない人物が見えてきます。
○45 ネクタイの  秋風にひるがえるネクタイ。スーツの上着は羽織らず、シャツとネクタイだけの出で立ちが見えてきます。くっきり見えるイニシャルが、澄んだ空気まで感じさせる。これだけクールビズ、夏場はネクタイをしないという風習が定着すると、ネクタイ自体にも、夏が過ぎ去り、秋が訪れたことを感じさせる働きがあるような気もしました。
 01 親しめる  下五の言い回しが何となく不自然な感じです。中七は現在のことのように述べているのに下五では完了した事柄のように述べている。動詞が多い句はまとめるのが難しい。
 02 吾が街は  土から水を吸い上げて、木の実にも放射線が蓄積したりするのかもしれませんね。
 04 秋の夜の  助詞の使い方が、少々思わせぶりすぎるように思いました。途中に切れを入れるなどして、もう少し暗示するにとどめた方が良いのではないでしょうか。
 05 朝露に  これは! 初めて見たら驚きそうですね。
 06 蜻蛉や  竿の先に止まっている蜻蛉が左右に睨みをきかせている、という意味でしょうか。もしそうだとしたら、もっとすんなり読めてメリハリもある形がありそうな気がします。
 08 秋高し  何とも健康的で良いですね。
 11 秋の日や  じわじわと沁みてくる句です。採りたかった句。
 16 新聞に  思い悩んでいることとドンピシャの記事や広告が新聞に掲載されていたのでしょう。気にしているからこそ目に付く、という面もあると思いますが…。共感を覚える句です。
 19 山の湯に  中七、字足らずのようですが、書き間違いでしょうか。
 22 威勢よき  文字通り威勢の良い、気分の良い句ですが、全て言ってしまって説明になっている感もあります。「秋刀魚の値」を威勢よく言っていたら、それが「売り子」だと言うことは言わずもがなではありませんか? もっと書きたいことの焦点を絞って、メリハリのある句に仕立ててほしいところです。
 26 里まつり  祭というものは元々そういうものでは? 祭の本意をなぞっただけになってしまっています。
 30 名月や  季語プラス感慨というスタイルは定番といえば定番ですが、なかなか決まってるんではないでしょうか。
 35 まんじゅしゃげ  何だか曼珠沙華がどんどんどんどん増えていくような、不思議な景が浮かんできます。曼珠沙華自体あまり縁起の良い花ではないですが、この句では縁起の良いもののような印象を受けますね。面白い句です。
 36 一斉に  ちょっと抽象的に過ぎると思うのですが…。
 37 同じじゃない  上五中七は面白いと思いましたが、涙と露はツキスギではありませんか。違う季語の方が良いと思います。
 38 たづねたき  今、この句の作中主体はどこにいるのでしょう。訪ねたい道というからには、まだ訪ねていないようでもあるし、でもそれだと「人なし」とどうして分かったのか。この辺があまりすっきりしません。願望よりも事実を率直に詠み、「たづぬれば通に人なし葉鶏頭」とした方が句としては強いと思います。
 40 色づきて  色の鮮やかさと、形のいびつさをきっちり写生されていると思います。
 41 息子らと  芥川龍之介の〈元日や手を洗ひをる夕ごころ〉には、元日を詠みながら朝や日中ではなく夕方というところに屈折があり、一年の始まりの日の終りという重層的な内容となっています。この句も、体育の日で夕陽というのは珍しいように思いますが、内容が昔からある童謡のようで甘いのが残念、と感じました。
 46 今朝も居る  この句の中心、もしくは見所は何なのか、そしてその見所を句中のどこに配するべきか、それを考えて句を構成する必要がある。この句の場合、「今朝も居る」という所が見所だと思いますが、上五に配するのはあまり効果的ではないと思います。「青き菜におんぶばつたや今朝も居り」とした方が、また今朝も居た!という感慨が強調されると思います。
 47 法律の  夜なべはある程度の時間続けてするものですから、「つつ」は言わずもがなではないですか。「つつ」のせいで中八になってしまいますし「艦隊を追ふ」の方がきりっとした印象です。
 48 流れ着く  何ともさびしい景ですね。どこからどのようにして流れてきたのか、うかがうすべもありませんが、波の上にただよう硝子の尿瓶が印象的です。
 49 葉も枝も  中七、「に」を省いて「一緒くたなり」とした方が調べも良く、句に勢いが出ると思いますがいかがでしょう。字余りだから良くない、とは思いませんが、それなりの必然性を感じさせる字余りでないと、ゆるい句という印象を受けます。
 52 渋皮と  比喩としては巧みだと思いますが、知的操作が目立ちすぎる嫌いがあります。
 53 地球儀を  冬支度と地球儀を回すこととがつなげられているのですが、この二つが直接は無関係なのは自明のことなので、「ながらよ」でつなげるのは少しくどい感じがします。明らかに無関係な二つのことをすっと並べて、例えば「地球儀を回し冬支度は進む」などとした方が(もっと良い形がありそうですが)、無関係なはずの二つの事象が響き合ったりしてくるような気がします。ケースバイケース、ではありますが…。


来月の投句は、11月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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