ハルヤスミ句会 第百三十八回

2012年4月

《 句会報 》

01 大盛りの砂利古草の大揺れに    順一

02 吊り橋の先につりばし風ひかる   ひなこ(鋼)

03 うずくまる猫のをりけり春嵐    つよし

04 山芽吹く水輪ひろがりきりて消ゆ  春休(順・ぐ)

05 鳥雲にカメラ分解したるまま    ぐり(ち・佳・波)

06 いつもなら散り初むころよ櫻二分  つよし

07 桜よりふれる指先気にかかる    ちこ

08 渋滞に掛かりて葱の坊主かな    順一(春)

09 四谷警察署うららかに建つてをり  てふこ

10 放たれし風船我を見下ろしぬ    遊介(ち・順)

11 啄木忌部下のひとりもいなくなり  忠義

12 蒙古斑消えて桜に遊びけり     佳子(愛・遊・て・山・ぐ・春)

13 いちばんの年上となり花の下    はなの(忠)

14 紋黄蝶前の記憶が縮小す      順一(ね)

15 土手で呼ぶ母の両手につくしんぼ  遊介(順・山)

16 なだらかな巣箱の底の凹みかな   ぐり

17 遠回りしてきし桜吹雪かな     海音

18 カーテンを登り切つたる子猫かな  ぐり(タ・遊・海・鋼)

19 山越へて臥龍ざくらに逢いにゆく  ひなこ

20 われもゐず汝もをらざる桜かな   海音(て・益)

21 さざなみに映ゆる苗代桜かな    ひなこ(鋼)

22 境界をなす雪柳下に見ゆ      順一

23 例会に二人欠けたる彼岸かな    タロー(遊)

24 花かげに妻の押し来し車椅子    はなの

25 丸池のかと忙しなく泳ぎけり    遊介

26 鉛筆の尖りを残し卒業す      益太郎(ち・タ・山・波)

27 しまひ湯にラベンダ匂ふのどらかさ 奈保(忠)

28 親方の声さえ弾む山遊       遊介(ぐ)

29 きぬぎぬの珈琲淹れて万愚節    奈保(忠・ね・益)

30 桜まで射して月光散らばりぬ    春休(◎忠)

31 満開の桜並木や宮参り       山渓

32 自転車の補助輪取りぬ桜蘂     忠義(益)

33 とりあへずかの人幹事に花見会   愛

34 金鳳花なんとしてでもふたりきり  忠義(海)

35 鳥曇りここに棲みたしドリンクバー ちこ(愛)

36 ゆゆゆるる風吹く野辺の紫雲英かな 奈保(ひ)

37 春の夢空き家で騒ぐ童かな     ちこ

38 雛菊をほじくるやうに触りけり   てふこ(春)

39 鈴なりのさやはさて置き豆の花   遊介

40 本当は空めざしたい糸桜      益太郎(ひ・は)

41 椿寿忌の果実ごろごろ乗るケーキ  てふこ(順・佳)

42 芝桜父は附属を拒絶する      順一

43 陽炎の中へわすれものを取りに   佳子(ひ・タ・ね・は)

44 行き会へば加減を問ふや豆の花   はなの(愛・遊・ぐ・鋼)

45 耕すや蚯蚓蚯蚓に出くはしぬ    つよし(春)

46 わが席の空いてをりたる花筵    海音(ひ・タ・ね・は・佳)

47 貌鳥や雑居ビルより人の顔     波子

48 朧夜や鴟尾は黄金の天守閣     山渓

49 麦鶉急き立てられて鳴きにけり   波子(忠)

50 看護師になで肩多し柳の芽     タロー(遊・海・山)

51 晴天の足の湿りや木の根明く    波子

52 蓼科の荘をとりまく木の芽かな   山渓

53 長雨の海棠は地に向いて咲く    春休(て)

54 雨あがり花見舟待つ長き列     山渓

55 花筏かきわけボート近づき来    愛(忠)

56 落花嗅ぎながら歩いて犬老いし   春休

57 舌の根ざらりと鴉の巣を覗く    佳子(愛・波)

58 死にたいと言ふは口癖花の昼    愛(は・佳)

59 触るることなき遮断機二本花終る  春休(て・益)

60 伸ばしても届かぬ処春夕焼け    ちこ

61 しやぼん玉地球青しとガガーリン  タロー(ち)

62 新茶汲む峠の茶屋の夜泣石     山渓(海・波)

63 白れんのひとつひとつの涙かな   益太郎





【 奈保 選 】
(今回は選句お休みです。)

【 遠藤ちこ 選 】
すみません。選句だけにさせてください。
○05 鳥雲にカメラ分解したるまま
○10 放たれし風船我を見下ろしぬ
○26 鉛筆の尖りを残し卒業す
○61 しやぼん玉地球青しとガガーリン
以上です。

【 滝ノ川愛 選 】
○12 蒙古斑  立てば這え、這えば歩けの親心ともうしますが。今まではブルーシートの上でのこのこしていたのに、今年は舞い散る桜花を手に受けようと追いかけているのですね。嬉しい親心がうかがえます。
○35 鳥曇り  子供のころケーキ屋さんになりたかったです。店中のケーキをありったけ食べたいと思ったものです。ドリンクバーもいくら飲んでもいいですよね。そこに住みたいですわ。鳥曇りとどうひびくのでしょうか。
○44 行き会えば  この頃は道で会っても、電話でもまずお加減を聞くのが挨拶がわりになりました。豆の花という優しい季語がよくあっていると思います。
○57 舌の根ざらりと  よく分からないのですが、ざらりという不気味な表現が真っ黒で猛々しい鴉の巣とマッチしているように思います。

【 土田ひなこ 選 】
○36 ゆゆゆるる  春の心地よい感じが伝わります。
○40 本当は  そう、糸桜もそう思っているかも、と。
○43 陽炎の  取りにいけないものへの思いでしょうか。
○46 わが席の  仕事で行けなかったのでしょうか。少しさみしい感じが好きです。

【 小林タロー 選 】
○18 カーテンを  切ったる と言ったところに時間の経過と愛情を感じます。
○26 鉛筆の  尖りを残し、少し成長した自分になって卒業です。
○43 陽炎の  具象、心象 どちらにもとれますが それを狙って成功していると思います。ただ、景はやや平凡かなとは思いましたが〜。
○46 わが席の  仲間に認められているという安ど感と花見の気持ちが「たる」で出ていますね。

【 森田遊介 選 】
○12 蒙古班  ようやく歩き始めた幼子が桜咲く道でよちよちと歩く様子を思いました。上五でわが子の成長を喜ぶ親の優しい眼差しを通した一句です。
○18 カーテンを  じゃれる子猫に辟易しながらも、その見事な動きに感心する。猫好きならではの一句です。(私も猫派です。)
○23 例会に  ちょっと悲しい一句です。欠席のお二人はどこにいるのでしょうか?下五から察すると少々寂しい一句です。かなつかいで作者の心情が充分に表現されていると思いました。
○44 行き会えば  互いの身体を気づかい立ち話しをする道の脇に豌豆が花をつけている。日常見かける風景ですが下五で春の暖かい日差しが感じられます。
○50 看護師に  新米看護師が整列している光景でしょうか、下五で初々しい様子が浮かびます。

【 小早川忠義 選 】
○13 いちばんの  ふっと桜の木の下で見上げる主人公の姿まで思い浮かべてしまいました。
○27 しまひ湯に  最後に風呂に入って湯を抜く寸前なのでしょう。一家の健康を確かめ、未来を祈る。
○29 きぬぎぬの  これから嘘をつこうとしているのか、それとも一夜限りのつもりだった相手?
◎30 桜まで  花びらがさえるのでなく、月光が遮られると詠んだわけですね。
○49 麦鶉  放っておけば昼のうちは蹲りっ放しでしょう。鶉も見かけなくなりましたねえ。
○55 花筏  池一面にびっしりだったんでしょう。流れるばかりが筏じゃないわけです。
 02 吊り橋の  渡り切ったところで、また渡らなければならないつり橋。それでも気分は晴れやか。中七の吊り橋が平仮名なのは?
 07 桜より  大きな宴会のさ中なのか、混雑した電車の中なのか。多分「より」が要らないのかも知れません。
 19 山越へて  下五は擬人化になっちゃいますから、何か別の感情の籠ったものが欲しいです。
 26 鉛筆の  「残し」が惜しいですね。
 28 親方の  これは「さえ」が要らない。親方って詠むだけで普段は厳しい男を連想させます
から。

【 石川順一 選 】
○04 山芽吹く  「山芽吹く」と言う山全体の状況に目を向けた大きな捉え方。そこへ「水輪」と言うものが映像の様に生起して発展して消滅する。状態の静(山が芽吹いて居る)と「水輪」の動(広がり消える)の対比がいいと思いました。
○10 放たれし  無生物の「風船」が「我を見下ろ」す所に俳諧味があると思いました。
○15 土手で呼ぶ  童謡的な良さがあるかと。えてしてこう言う詠みぶりは凡庸さと紙一重であると思われますが、決して怯まず弛まず挑戦した結果作者は負けなかった。
○41 椿寿忌の  虚子忌の句は食傷気味だと思って居たのですが、そんな事は決してないとこの句で思わされました。あまり既成の枠組みに捉われない自由さがいいと思いました。
あと取れなかったのですがいいと思った句に
 06 いつもなら散り初むころよ櫻二分
 63 白れんのひとつひとつの涙かな 
が、ありました。

【 湯木ねね 選 】
○46 わが席の  うれしい誤算というか、心遣いにぐっときますね。
○43 陽炎の こんな場面にいきあたったような、それとも夢だったのか、曖昧な記憶は時に心地よいです。
○14 紋黄蝶 自分と自分でないものの境目の不確かさを感じる瞬間は突然やってくるということを、ふと思い出させた句です。
○29 きぬぎぬの 珈琲をいれるのは、男性だと いいなとおもった 次第です。
 次にとりたかった句、45耕すや 10 放たれし

【 涼野海音 選 】
○18 カーテンを  「たる」がとても効果的。作者は子猫を応援していたのでしょう。
○62 新茶汲む  夜泣石が一句にみごとに溶け込んでいます。やはり夜泣石の説話まで、さかのぼりたくなります。
○50 看護師に  ほんとうに看護師になで肩が多いのかどうか,分かりません。そう思わせる「柳の芽」に不思議な説得力を感じました。
○34 金鳳花  「なんとしてでもふたりきり」という強引さ。結局二人きりになれたのか、なれなかったのか・・・。なれなかったとしても「金鳳花」で救われる気もしました。

【 松本てふこ 選 】
○12 蒙古斑  成長と共に消えていく蒙古斑と桜の取り合わせが切ない。
○20 われもゐず  咲き誇る満開の桜を誰かと眺めながら、私/あなたの境界線をとっ払いたいと願う作者の内なる願望。恋愛句とも十分に読める楽しさ。
○53 長雨の  切れのない、わざと華やかさを排除したような文体が味わい深い。確かに下向いて咲きますね!
○59 触るることなき  上五は触れ合わぬ、ではいけないのか、下五の季語選択はこれでいいのかなと思いながらも、発想を大事にしたくて取りました。

【 足立山渓 選 】
○12 蒙古斑  蒙古斑の残る幼児期を過ぎて,自分で自由に遊ぶようになった。手がかからなくなってほっとしている親の顔が目に浮かぶようだ。
○15 土手で呼ぶ  ちょっと出かけてくる」と言ったきり、なかなか戻ってこない。見に行ったら両手いっぱいに土筆を摘んでいた。懐かしい光景で、亡き母を思い出します。
○26 鉛筆の  上五中七のフレーズから、もう少し勉強したかった。残念な気持ちがうかがえる。
○50 看護師に  12文字と季語がぴったり。

【 川崎益太郎 選 】
○20 われもゐず  桜の孤独を斬新な切り口で表現。
○29 きぬぎぬの  後朝の使をもじったもの。万愚節が効いている。
○32 自転車の  花蘂が散るときは、まさに一人立ちする覚悟であろう。
○59 触るること  添い遂げられぬ恋を遮断機で表現。

【 草野ぐり 選 】
○04 山芽吹く  ひろがっただけでなくひろがりきったと云ったところがよく観ていると思う。口ずさむと不思議なリズム感があるのにも惹かれた。
○12 蒙古斑  蒙古斑が消えるのは4、5歳なのでしょうか。赤ん坊から幼児に。桜に遊びけりというとなんだか雅に桜と戯れているようでそれも楽しい。
○28 親方の  いつもは若い衆をどなり飛ばしている親方の声が弾んでいるのだ。なんだか微笑ましくてクスリとしてしまった。一体どんな山遊をしたのだろうか。
○44 行き会へば  誰の加減を問うのかで随分感じが変わってくると思う。そこが曖昧のなのが弱いかもしれないが、体調を思いやる心使いと豆の花の素朴な美しさがとても合っている。
その他気になった句
 29 きぬぎぬの  これは、、。なんともぎこちなく珈琲を飲んだのでは。
 34 金鳳花  きんぽうげの優しげな花の佇まいと中七下五の熱さのギャップがなんともいえずいい。
 57 舌の根  この漂う不穏感。舌の根ざらりが効いたー。

【 二川はなの 選 】
○40 本当は空めざしたい糸桜
○43 陽炎の中へわすれものを取りに
○46 わが席の空いてをりたる花筵
○58 死にたいと言ふは口癖花の昼

【 水口佳子 選 】
○05 鳥雲に  鳥が雲に入っていきやがて見えなくなってしまう景と、分解したまま取り散らかったままのカメラ。鳥の眼からすると、はじめは取り散らかっっているのはカメラだけだったのが、視界が拡がるにつれもっともっと多くのものが地上に取り散らかっているのが見えることだろうと、そんな思いがしてくる。
○41 椿寿忌の  (もりソバのおつゆが足りぬ高濱家)という句をちょっと思い出した。果実がごろごろ乗っているケーキは食べにくいことだろう。そこまでいくとちょっと遠慮したい気分も。でも好きな人にはたまらないだろうなあとも思う。〈椿寿忌〉の付け方がうまいと思う。
○46 わが席の  死後の世界から現世を俯瞰しているような。〈花筵〉だからそういうふうに思うのかもしれない。桜と死は昵懇なので。意外とみんな楽しそうにやってるなあとあの世からちょっとうらやましがったりして・・・
○58 死にたいと  死にたい死にたいと言いながら、一方では朝起きたら柔軟体操などやっていて「今日も頑張るぞ」と言っていたりするもの。身近にこういう人います。〈春の昼〉が深刻でなくていいと思う。
他に好きな句
 16 なだらかな  巣箱を描写した句としては面白いと思います。〈なだらかな〉がいいのか〈なだらかに〉がいいのか。
 20 われもゐず そして誰もいなくなった・・・というような、ちょっと不思議な句。
 32 自転車の  好きな句ですが〈桜蕊〉だけでは季語として不十分と思いました。〈桜蕊降る〉としたいです。〈補助輪〉だけでも分かるのでは?

【 喜多波子 選 】
今月は、選句のみで・・申し訳有りません。
○05 鳥雲にカメラ分解したるまま
○26 鉛筆の尖りを残し卒業す
○57 舌の根ざらりと鴉の巣を覗く
○62 新茶汲む峠の茶屋の夜泣石

【 鋼つよし 選 】
○02 吊り橋の  行楽日和でしょうか楽しそうな景色がよい。
○18 カーテンを  情景が浮かぶ。
○21 さざなみに  桜並木というより1,2本の景が良い。
○44 行き会へば  いろいろなことが想像されて感じるものあり。
  佳句と思う句
  12 蒙古斑消えて桜に遊びけり
 58 死にたいと言ふは口癖花の昼

【 中村阿昼 選 】
(今回はお休みです。)

【 小川春休 選 】
○08 渋滞に  渋滞というと街の大きな道路を思いますが、街でも少し外れると小さな畑ぐらいはある(我が家の近辺はまさにそんな感じ)。そこに目を留めると、葱坊主が日を受けて直立している。渋滞というアクシデントの生んだ一瞬の出会いですね。
○12 蒙古斑  消えていった蒙古斑の青みが残像のように目に浮かび、眼前の桜の様子と重なり合います。
○38 雛菊を  何のためにそんなことをしているのかは皆目分からないが、雛菊のもさっとしたボリューム感のある花の姿が目に浮かぶ。この句を何度か読んでいて、「ほじくるやうに触」っていたのは虻か蜂なのかもしれないな、そういう読みもありだよな、などとも思いました。
○45 耕すや  気にせずそのままミミズごと耕してしまうような御仁なら問題ないのでしょうが、どうやらこの句中の人物はそれには罪悪感を感じる性質らしく。ミミズを退避させてやりながらの耕しとなったのではないでしょうか。
 02 吊り橋の  気分の良い景です。
 03 うずくまる  「のをりけり」がゆるい、というかもったいない。猫にもいろんな猫がいます。うずくまり方にもいろいろある。この五音分で表現できることはたくさんあると思います。
 06 いつもなら  今年は余寒が厳しかったせいか、花の時期が遅かったですね。
 07 桜より  「気にかかる」という表現は、一句の答えに近い、直接的すぎる表現だと思います。「目で追うて」などとした方が、より具体的に、距離感なども見えてくると思いますが、いかがでしょう。
 09 四谷警察署  警察署に現代の風景を見出す視点は買いますが、「建つてをり」は少々雑な描写という気がしますし、季語もさほど効果的ではないように思います。
 11 啄木忌  部下がいなくなる、というのもいろんな状況が想定されます。部下自体が退職することもあれば、自分が降格されて部下を持てないポジションになる等々、その指し示すところが曖昧です。「部下のひとりもいなくなり」よりも具体的な表現にした方が良いように思います。
 13 いちばんの  気付いたら自分が一番年上だった、ことさらにそのことを嘆く訳でもないですが、やはり微妙な感慨がありますね。控え目な叙述に好感を持ちました。
 14 紋黄蝶  記憶を大小で表現するのはなかなか面白い感覚だと思いました。
 16 なだらかな  意図してか図らずもそうなったのか、巣箱の底が平面でないことに気付く。視線が優しいです。
 17 遠回り  景の描き方が大きく勢いがある句ですが、遠回りしてきたのは桜吹雪かそれとも作中主体か、どちらとも読めます。語順や言い回し等整理して、こうした曖昧さをなくせばもっと良い句になりそうです。
 18 カーテンを  かわゆいですね。成長を喜ぶ気持ちがほんのり感じられるところも良いと思います。
 22 境界を  把握、表現ともに少々硬すぎる印象です。
 25 丸池の  「かと」とは蝌蚪のことでしょうか。それでしたら漢字で書いた方が良いと思います。
 26 鉛筆の  作者の意図した寓意はよく分かりますが、少々分かりすぎるきらいがあります。それに、卒業しても鉛筆は使えます。各自が好きなことを勉強したり描いたりすれば良いのです。
 28 親方の  いつも仏頂面の親方が今日は珍しくはしゃいでいる、という様子を描写するとしても、「声が弾む」というのはかなり使い古された慣用表現なので、新鮮さがありません。もっと人の動きや表情をしっかり見ることで、使い古された表現ではない描写を試みてほしいです。
 32 自転車の  このようにして子は成長していくのですね…。花時が終わった頃の公園の景が見えます。
 33 とりあへず  「かの人」がどのような人なのか読み取れる手がかりがないと、つかみ所がありません。しかも「かの人」の四音のせいで字余りになってますし。三音で何か良い人を幹事にしてはいかがでしょう。「社長」「課長」「部長」「機長」「師匠」「わが子」などなど…。
 34 金鳳花  気にかかる句でした。情熱的なようで、ちょっととぼけているようで。
 35 鳥曇り  上五でも中七でもリズムが切れており、三段切れのようになっています。「鳥曇りドリンクバーに棲みたけれ」などと中七は切らずにつなげたいところです。
 36 ゆゆゆるる  「ゆゆゆるる」というオノマトペが独特で楽しい句ですが、「野辺の」が説明的なのがもったいないです。野辺と特定しなくても「紫雲英」が咲いている景と読み取れれば十分だと思います。もっとゆったりと無意味な(でももたつかない)言葉で五七五に収まるとより良い句になりそうです。
 37 春の夢  住居不法侵入、ということでしょうか。最近の「童」は無茶苦茶しますからね…(昔もそうなんでしょうけど)。夢であれば良いのですが、何とも心の休まらない夢、起きるとぐったりしてしまいそうです。
 41 椿寿忌の  椿寿忌と内容が合ってないように感じました。まだしも三鬼忌の方が合う気がします(それでもまだマッチしていない感が強いですが…)。
 43 陽炎の  雰囲気のある句ですが、「中」かなぁ。「奥」「先」の方が陽炎の立体感というか、奥行きが出る気もしますが、いかがでしょう。
 44 行き会へば  中七で切れているので、この「加減」、行き合う人同士の体調と読むべきでしょうか。豆の育ち具体のことと読めなくもないですが、体調として読んだ方が自然ですし、のびのびとした句のように思われます。
 50 看護師に  以前は「看護婦」という言葉があり、性別までイメージできたのですが、看護師ではそうはいきませんね。男性のなで肩はそれなりに珍しいですが、女性はなで肩の方が多いですね。
 54 雨あがり  これでは報告です…。
 57 舌の根  独特な感覚の感じられる句で印象に残りましたが、この句またがりは少々苦しいように思いました。
 60 伸ばしても  気になる句でしたが、「何を」伸ばしても「何に・どこに」届かないのか、ちょっと漠然としすぎでは?
 61 しやぼん玉  上五下五ともに名詞(特に五音の名詞)の型は、引っくり返しても句が成り立つイコール句が安定しないので嫌う人も多いです。この句の場合も、上五と下五を入れ替えた方が良い句のような気がします(個人的には)。
 63 白れんの  近所の木蓮(紫木蓮ですけど)、楽しみにしていたのですが、時ならぬ豪雨の連発に、花盛りを迎えぬまま朽ちて散りました…。ほんと、「涙」ですね。
 


来月の投句は、5月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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