ハルヤスミ句会 第百四十一回

2012年7月

《 句会報 》

01 白靴に収め平たき足の甲     てふこ

02 うしろ手のまますと入るビアホール ぐり(愛・忠・春)

03 地下足袋のままの昼寝の測量士  山渓(順・ぐ)

04 初蝉の鳴きだす角のお庭かな   つよし(時)

05 ほうたるの思ひ出母は回帰する  順一(奥)

06 葉の色に勢ひ失せしや花かぼちや はなの(波)

07 夏草の匂ひの届く腕かな     海音(順・佳・鋼)

08 蜻蛉生る張りゆく翅に虹の色   時人(奥・は)

09 この柵を越ゆるなとあり半夏生  愛(時・鋼)

10 緑蔭や石の目をして二人して   佳子(て)

11 蜻蛉生る乳出子育の寺の池    時人(鋼)

12 花苔や仕返しできぬ帰り道    忠義(愛・波)

13 梅雨じめり髪切り風呂場へ直行す 順一

14 青芝に原色のままスパイクが   てふこ(奥)

15 かなぶんを束子に乗せて緊張す  順一(益)

16 七夕に髪切り揃え待ちにけり   ひろ子

17 懐かしき子守唄なり合歓の花   山渓

18 電線に集ふ雀や梅を干す     つよし(山・ぐ・春)

19 夕立の大河曲がつてゐたりけり  海音(時)

20 予報では曇りのち雨梅雨晴れ間  ひろ子

21 夕映えのコピー機に紙つまりたる ぐり(奥・忠・て・は・佳)

22 白き百合全てアニメの色と化す  順一

23 日盛に鈴懸の幹剥げゆきぬ    忠義(時・は)

24 一列のキャベツの向かうから満月 春休(涼・益)

25 万緑やハチ公像はたすき掛け   愛

26 最終の入荷と記し茄子の苗    はなの(佳)

27 火山ガスの噴き出す山や半夏生  山渓

28 セシウムは吐き出せないという浅蜊 益太郎(涼)

29 天花粉匂へる夜の畳かな     波子(◎忠・順・涼・て・は・春)

30 灯蛾乱れ飛ぶや回転扉内     春休(ぐ・佳)

31 捨てありし赤海鞘(あかほや)あはれ雨となる 波子(春)

32 傍にきて何をしてると雨蛙    つよし(奥・益・波)

33 たつぷりと夜の来てゐる水着かな 佳子(時・順・ぐ・波・鋼・春)

34 顎髭を落ち大粒の汗となる    てふこ(涼・は・佳)

35 梅雨空を無言のままに急ぎけり  ひろ子

36 雨拭きてまだ髪濡れて裸なる   春休

37 宅配の婿の里より冷し麦     山渓

38 色あせし封筒の窓明易し     海音(忠・山)

39 万緑や督促状が来そうだな    益太郎(愛・涼)

40 雲の峰顔へ煉瓦の熱気来る    春休

41 〆切の間近水虫再発す      忠義(愛・益)

42 裏側をコードが走る大夕焼    佳子(忠・益・ぐ)

43 万緑や少し過呼吸千羽鶴     益太郎

44 麻服をカンカン帽で決めし父   愛(山)

45 舗装路の尽きる釣堀ひと少な   波子

46 鳩の羽根くはえ大樹へ蟻登る   時人(愛・順・山)

47 月見上げ裸なること忘るるも   春休(て)

48 顔程の高さの扇風機で干せり   順一(波)

49 犬連れに声かけられて夜釣人   ぐり

50 蛍狩戻りは遠き駐車場      山渓

51 東雲やとうに鳴き居るほととぎす はなの(山)

 




【 中村時人 選 】
○04 初蝉の  初夏の町の景色が目に浮かび、清々しい気持ちになります。
○09 この柵を  半夏生はドクダミの一種とか、何事も柵を越えたり、一線を越えると余り良い事が無さそう。
○19 夕立の  曲った大河に、夕立が降っている、それしか言ってないが、黄河の雄大な景を想像させる。
○23 日盛に  プラタナス並木の幹の色を、何とか句に詠みたいと思っていて、流石と感心致しました。
○33 たつぷりと  今年の流行の水着を着て、皆と行く海の事などを考えいたら、気が着くと夜が更けていた。

【 奥寺ひろ子 選 】
○05 ほうたるの  ほうたるが舞うころになると母との思い出がよみがえる。しみじみとした句。
○08 蜻蛉生る  蜻蛉の生の一瞬を美しくとらえている。
○14 青芝に  置き忘れたのでしょうか。どうか見つけ出して真っ黒になるまで使ってほしいのですが。青芝がスパイクを忘れた人の初々しさをとらえている。
○21 夕映えの  照らしだされる夕日の熱さにコピー機が負かされてしまったのでしょうか。
○32 傍にきて  龍之介の「青蛙おのれもペンキぬりたてか」を思いだします。実は、雨蛙のほうが人間を不思議がっていたのですね。 

【 遠藤ちこ 選 】
(今回はお休みです)

【 滝ノ川愛 選 】
○02 うしろ手  まだ日が高いというのに一人でビアホールに入ってしまう後ろめたさが感じられて面白いです。”うしろ手”や”すと入る”にそれと虚勢も感じられます。なに入ってしまえばこっちのものです。
○12 花苔や  学校かどこかでいじめられたのでしょうか。あーあ悔しい。奴の下駄箱に犬のうんちでも入れてやりたいものだ。花苔からそれが感じられます。
○39 万緑や  万緑の句が三句ありましたが、これはどんでん返し。こういう日に限ってなにかあるぞと。ペジミストか。 
○41 〆切の  よりによってこんな大変な時に水虫が再発するなんて、なんてこった。あーあ痒い、作者の嘆きが聞こえてきます。
○46 鳩の羽根  こんなことありえないと思うのですが、実景の強みですね。小さな蟻が自分より大きな羽根をくわえて大木に登る。なんと勇壮な句。好きです。

【 土田ひなこ 選 】
(今回はお休みです)

【 小林タロー 選 】
(今回はお休みです)

【 森田遊介 選 】
(今回はお休みです)

【 小早川忠義 選 】
◎29 天花粉  独りか、ふたりか解らないが、何時間か前にはたいた天花粉の匂いに横になってから気付くなんて。ちょっとロマンチックですね。
○02 うしろ手の  ビアホールは団体客が多く、入り口は何かと混雑するもの。あとは幹事さんにお願いして席に着いてしまおう。
○21 夕映えの  もうすぐ仕事も終わるのに紙詰まりのコピー機に気分を壊されるとはお気の毒に。
○38 色あせし  今月は色を表そうとする句が多い気がしましたが、これはどんな色であろうと世界に入っていけます。請求書を扱う時期に過去の書類の収まっていた 封筒に目が留まる。もしかして姓が違っていたりした?
○42 裏側を  勿論パソコンの裏側のことを言ってるのでしょうが、まるで見事な夕焼けもコードが抜けたら真っ暗になってしまうのでは、などという心配までしてしまいます。そこが面白い。
 05 ほうたるの  蛍に母親は作者に何を語りかけて何を見せているのでしょうか。気になるところです。
 06 葉の色に  「失せぬ」でいいと思います。
 10 緑蔭や  石の目って何色でどんな表情をしているのでしょうか。
 13 梅雨じめり  「直行す」はもう少し解して耳障り良くできそうです。
 22 白き百合  アニメの色、というのはあまりに抽象的過ぎるのでは。

【 石川順一 選 】
○03 地下足袋の  「地下足袋」は労働用のはだしたびでじかに土地を踏む足袋。古式ゆかしい「測量士」でしょうか。古さの中に新しさの予兆を感じました。
○07 夏草の  「夏草の匂ひ」はどんな匂ひだろう。「届くかひな」が独立した生き物であるかのように読めて仕舞いました。
○29 天花粉  「夜の畳」に惹かれました。「天花粉」は匂っているだけでは無くて躍動している。
○33 たつぷりと  「たっぷりと夜の来てゐる」の表現が面白いと思いました。闇に紛れてと言うこの句では今は夜だと言う方面と、「水着」が夜をたっぷりと纏った地味な色なのであろうかと言う方面と両方を思い浮かべて見ました。
○46 鳩の羽根  季語は「蟻」。象徴的な「大樹」だと思いました。別に蟻が一匹だけとか限定して居る訳ではない。しかしこの「蟻」には擬人化では無い又別格の象徴性が「大樹」と共に付与されて居ると思いました。

【 湯木ねね 選 】
(今回はお休みです)

【 涼野海音 選 】
○24 一列の  幻想的で絵画的な一句。「一列の」が意外と効果的。
○28 セシウムは  作者の現実を直視する姿勢に共感しました。
○29 天花粉  夜の静けさが伝わってきます。闇の中で天花粉の白さが際立つ。
○34 顎髭を  汗をズームアップしてゆくとこんな感じでしょうか。汗のかがやきが見えてきました。
○39 万緑や  中七・下五のインパクトに惹かれました。万緑の深さからこんなことを考えたのでしょうか。

【 松本てふこ 選 】
○10 緑蔭や  鬱蒼とした緑を背に、石のような硬質な視線を放つ二人。その視線は決して交わることはなく、平行線のまま。恋の終わりとも取れるし、友人同士の諍いの1シーンとも解釈出来る。でもきっと「暑いな」「そうだな」「…」「…」というような、深い意味はない気だるさの中にあるというだけだったりするのでしょう。
○21 夕映えの  焦燥感がふっと匂う一句。「紙が詰まった!やばい」とかそういう焦燥感ではなくて、何か別の、心につかえがあるような。「の」は切れてるようにもそうでもないようにも見えて守りに入ってる気がするのですが、じゃあ「や」にすればどうにかなるってものでもなくて、迷います。
○29 天花粉  さりげない景かつ詠みぶりですが、そこはかとなく色っぽくもあり。匂いだけなのかな、どっかにこぼれてるんじゃないかなと思わせるハッタリも効いてます。「かな」の使い方に余裕があるなあ。ゆるいと言えなくもないけれど。
○47 月見上げ  自室から月を見上げる裸体。充足感に包まれている感じがします。この人物は、裸であることを思い出したら恥ずかしがるのでしょうか? 何だかアダムとイブのよう。

【 足立山渓 選 】
○18 電線に  生前の母親の梅を干す姿が目に浮かぶ。
○38 色あせし  中七と季語がなんとなく引き合う。
○44 麻服を  季語とカンカン帽がぴったり。昔の頑固親父のイメージそのまま。
○46 鳩の羽根  大樹と小さな蟻の対比。また、小さな蟻が羽根を咥えて登る、直向きさ。
○51 東雲や  郭公の鳴きだす早朝の景。中七の措辞に感服。

【 川崎益太郎 選 】
〇15 かなぶんを  黄金虫を束子に乗せる。少しの罪悪感を感じながら・・・ その罪悪感と期待感に通じる緊張感。
〇24 一列の  きれいな景が目に浮かぶ。
〇32 傍にきて  梅雨時によく見る雨蛙、そのかわいらしさは何とも言えない。その雨蛙に喋らせた。まさに俳諧。「傍にきて」は説明になるのでない方がいいと思う。
〇41 〆切の  〆切に追われる と 水虫の取り合わせが上手い。どちらも早めに対応すればいいのにね。
〇42 裏側を  あの大夕焼けは、電気で出来ていると作者。言われてみれば、そうかも知れないと不思議に納得させられる。

【 草野ぐり 選 】
○03 地下足袋の  見たままなのだろうが夏のぎらっとした日差しを感じさせる。ままに、とした方が広がりが出る気がするがどうでしょう。
○18 電線に  かしましく雀たちに目をやりながら梅を干している。さりげないけど平和で幸せな光景。
○30 灯蛾乱れ  内という妙に厳密な言い方が灯蛾が逃げたくてもなかなか外に出られず乱れ飛ぶ感じがよく出ている。
○33 たっぷりと  ここでの水着は干されているのかなと思った。昼間存分に遊んで今は夏の夜の空気をたっぷり含んでいる水着。今年新調したちょっと大胆な水着なのでは、、と勝手に想像。
○42 裏側を  我が家も色々なものの裏側をコードが走っています。そしてそのごちゃごちゃぶり少しにうんざりして。大夕焼との取り合わせに意表をつかれました。

【 二川はなの 選 】
○08 蜻蛉生る  中七に完全に羽化するまでの時間の経過が。下五に、生命の誕生の輝かしさと同時に、生きるための幾多の試練を想像させられドキドキする。
○21 夕映えの  「さあこれで今日の仕事はおしまい。」と思ったら、「え〜っ!勘弁してくれ。頼むよ〜。」。約束の時間が迫る。
○23 日盛に  日盛りの静寂、蝉時雨が聞こえてくる。「幹剥げゆきぬ」が良いと思う。
○29 天花粉  にぎやかな大所帯の夜、風呂上がりの家族がにぎやかに囲む食卓。一日の幸を感じる。
○34 顎髭を  初老のたくましい人を想像する。側によって汗臭さをかいでみたい気になる。
*他に採りたかった句
 02 うしろ手の  上五中七平然を装う、かわいらしさ。
 24 一列の  地平線までのキャベツ畑に満月が出てくる。黄昏時、キャベツのシルエットの玉と、満月の丸の取り合わせが面白い。が、残念なことに下六。
 30 灯蛾乱れ  意志的に、定型に収めなかったのでしょうか?
 31 捨てありし  「あはれ」が気になりましたが・・・・
 32 傍にきて  かわいらしい
 43 万緑や  最悪の時を脱した安堵感が中七から感じられる。下五が上手いと思いました。

【 水口佳子 選 】
○07 夏草の  どういうふううな景なのだろうか。生い茂った夏草の中に作者はいるのか。その夏草が腕のあたりまで伸びているというのだろうか。確かにそこに人がいるはずなのにその人が見えてこない、なんか不思議な感じ。
○21 夕映えの  こういう場面に遭遇した ことがある。西日のあたるコンビニのコピー機、冷房がガンガン効いているのにそこだけ暑い。しかも紙が詰まったりするとさらに暑さが増す。この句〈夕映えの〉の後が小さく切れていると思われるが、あたかもコピー機だけが夕映えの中にあるかのように描かれていてそこが上手い。
○26 最終の  初入荷でなく〈最終の入荷〉というところに目をつけたのが良かった。それはもしかしたら売り手の戦略かもしれないのだが。最終入荷のものもしばしば売れ残って、そのまま萎びていたりすることもあるなあと、その哀れな姿にまで思いがいってしまった。 
○30 灯蛾乱れ  〈乱れ飛ぶ〉とは1匹ではないということなのか、表現にやや疑問を残しつつ、回転扉から抜けられない灯蛾が哀れ。回転扉から抜けるのは人間でも意外と難しいものだ。
○34 顎鬚を  いかにも暑そう。顎鬚から汗が滴るまで拭えない状況にあったのかもしれない。よく分かるだけにやや物足りなくもある。
他に気になる句
 19 夕立の  これは今まさに夕立が大河を曲がろうとしているという景なのでしょうか。それならばとても大きな捉え方でいいと思うのですが。〈夕立の〉の「の」が曖昧なので夕立が曲がっているのか、夕立の大河を作者が曲がっているのか、わかりづらいと思いました。
 43 万緑や  広島平和公園の千羽鶴を思い出しました。この句の眼目は〈過呼吸〉という言葉だと思いますが、あまり成功していないように思います。
 46 鳩の羽根  切り取った場面は面白いなあと思いました。描写が細かすぎるようにも。

【 喜多波子 選 】
○06 葉の色に
○12 花苔や
○32 傍にきて
○33 たっぷりと
○48 顔程の
 すみません 選句のみで・・

【 鋼つよし 選 】
○07 夏草の  汗の腕に匂いが付着していくのか、景がわかる気がします。
○09 この柵を  下五の半夏生の響きと締まり具合が良い。
○11 蜻蛉生る  乳出子育の寺なる言葉がなかなか面白い。
○33 たつぷりと  句が滑らかで水着の季語もよく調和している
 そのほか佳句と思われる句。
 50 蛍狩戻りは遠き駐車場
 16 七夕に髪切り揃え待ちにけり
 41 〆切の間近水虫再発す
 44 麻服をカンカン帽で決めし父
 47 月見上げ裸なること忘るるも

【 中村阿昼 選 】
(今回はお休みです)

【 小川春休 選 】
○02 うしろ手の  ビアホールというと大人数でわいわいがやがやと入るイメージですが、そうした一団の中にちょっと異質な佇まいの人が紛れていたのでしょう。想像するに、「相棒」の水谷豊さんのような方でしょうか。独特の存在感があります。
○18 電線に  田舎にも電線はありますが、この句の場合はそれなりに町中の景と取りました。梅を干すのに良いよく晴れた朝、見れば電線にはずらっと雀が…。言外に、その先の空も見えてきますね。
○29 天花粉  天花粉をぱたぱたと打った後に人がいなくなった部屋、その部屋に舞った天花粉かそれとも残り香か、匂いだけをそこに感じている。部屋の広がりを思わせる「畳」の使い方が良いですね。
○31 捨てありし  小振りで規格外と判断されたのか、赤海鞘が浜辺に捨てられている。赤海鞘のあの独特の生々しい色合いが目に飛び込んできます。あ音の多い響きも良い。
○33 たつぷりと  ビキニなどではなく、布地の多い黒っぽい水着を思います。人気の少ないプールを悠々と泳いでいる。艶と涼を感じる句ですね。
 01 白靴に  面白いところに着目しているとは思いますが、踏み込みが浅い印象です。もう少し心に迫ってくるものがほしい。
 03 地下足袋の  助詞「の」の三連打ですが、このままだと焦点がぼやけている感じです。「ままの」は「ままに」とした方が良いのではないでしょうか。個人的には「ままや」と切るのも良いと思いますが、中七を「ままに昼寝や」とする案もアリかと。御検討ください。
 05 ほうたるの  この母は、現実の母でしょうか。それとも思い出の中の母でしょうか。思い出も、作中主体のものか、母のものか、どちらでしょう。ちょっとつかみどころがないです。
 06 葉の色に  中八になっていますが、もしかすると「勢ひ」には「いきおい」以外の読み方があるのでしょうか。字余りが全て駄目などと言うつもりはありませんが、不用意な字余りのせいで、句自体のまとまりが悪くなっている印象です。
 07 夏草の  描写が淡く、少しムードに流されているような感じがします。
 08 蜻蛉生る  語順、言い回し等工夫すればもっと良くなる句と思います。ぜひ再度推敲を。
 10 緑蔭や  何の変哲も無い石もあれば、ダイヤモンドやルビーのような石もあります。どんな石のような目だったのでしょうか。
 11 蜻蛉生る  不勉強で申し訳ないのですが、中七の「乳出子育」は何と読むのでしょう。字面で何となく意味は分かるのですが…。ネットで検索しても出てくるのは漢字ばかりで読みは分からないままでした。
 13 梅雨じめり  中七の字余りが不用意な印象ですし、語順や言い回し等もっと練ることができそうな気のする句です。
 14 青芝に  「まま」があることで、要らぬ時間の経過が句に盛り込まれてしまっている気がします。
 16 七夕に  何を待っているのでしょう。織姫に成り代わって彦星を待つ、ということでしょうか。
 17 懐かしき  「子守唄」は「懐かし」いものと相場が決まっています。そこからもっと踏み込んでほしいところです。
 20 予報では  これでは単なる報告なのではないでしょうか。
 21 夕映えの  夕方には人も疲れてきますが、そういう時に限ってコピー機も…。面白い句ですが、上五を「や」で切った方が良いのではないでしょうか(もし「夕映えや」であれば○にしてました)。それと、「夕映え」という語は季語として使えるかちょっと悩みました。意味は「夕焼」と近いのですが、皆様いかがでしょう。
 23 日盛に  「剥げゆきぬ」と現在進行形で経過を詠み込むよりも、剥げた結果、瞬間の景をずばり描写した方が、日盛との取合せが生きてくるように感じました。まだまだ良くなる句だと思います。
 25 万緑や  ハチ公像の周りにも緑はありますが街中なのでたかが知れています。いくら何でも街中の緑を「万緑」というのは言い過ぎでしょう。街中のハチ公像と遠くの山の「万緑」を取り合わせたとすれば、つながりが弱いと思います。もっと季語を深く把握して使いたいものです。
 26 最終の  もう少し掘り下げれば面白くなりそうな気もするのですが、ちょっと報告になってしまっているような…。
 28 セシウムは  現在の問題を句にされているところには好感を持ちましたが、「という」の伝聞が句を緩くしているのではないでしょうか。「吐き出せず」と強く言い切りたい。
 34 顎髭を  爽波の〈わがあぎと離れて石に汗ぽとり〉を思い出しました。良いところを句にされていると思いますが、「となる」はこの句の場合、勢いを削いでしまっているのではないでしょうか。「顎鬚を落ちたる汗の粒大き」などとしたいところですが、より良い句形があるかもしれません。ぜひ推敲を。
 37 宅配の  言わんとする所は分かりますが、「宅配の婿の里」という連なりは日本語として不自然ではないでしょうか。「婿の里より宅配の冷し麦」が自然な語順だと思います。
 38 色あせし  きちんとした封筒に入った恋文などなら風情もありますが、窓空き封筒などというものは事務的で味気ないもの。それを「明易」に取り合わせたところがなかなか乙ですね。採りたかった句です。
 39 万緑や  25の句でも万緑の取り合わせに違和感を感じましたが、こちらも同様。万緑は辺り一面むせ返るような草木の緑、郵便なんかとても届きそうにない印象。言うなれば督促状から逃げるのに良さそうな場所だと思います。
 42 裏側を  オーディオやパソコンなどの裏側の配線と、部屋の中まで差し込む夕焼け。ただ、「夕焼」という季語はどうしても太陽の方に目が行ってしまうので、「西日」の方がこの句の場合適しているのではないでしょうか。
 45 舗装路の  良い雰囲気の句ですが、中七「尽きて」として軽く切った方が良いのではないでしょうか。
 46 鳩の羽根  良いところを見ていると思いますが、言い回し、語順など、もっとめりはりのある句に出来るのではないでしょうか。
 48 顔程の  何を干したのか、いわゆる室内干しの洗濯物のようなものでしょうが、助詞の「で」がちょっと不正確な印象です。
 50 蛍狩  行きは心も弾み、道のりも短く感じられるが、戻りは遠く感じる…。自然な心情が描かれている句と思います。

 


来月の投句は、8月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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