ハルヤスミ句会 第十六回

2002年1月

《 句会報 》

01 月曜の新聞軽く初氷        つよし(む・春)

02 きつぱりと笛の音寒し三滝駅    春休

03 お飾りの小ぶり小ぶりに済ましけり つよし

04 青竹にとんどの炎巻きあがる    むかご

05 とんどの火見えて踏み切り開かざる むかご(ふ・春)

06 亡き父に娘劣らぬ雪すかし     つよし

07 松過ぎて味塩コショウさらさらと  ふみ(春)

08 雪煙汽車の車輪を隠しけり     春休(つ・む)

09 冬の日の僧どち右折してゆけり   ふみ

10 寒雷のむかうに島の一つきり    春休(ふ・む)

11 寒の雨落ちて静かな港かな     むかご(ふ)

12 春待つや白く車を洗ひ上げ     春休(つ)

13 なづな摘む自転車壁に立てかけて  ふみ

14 日脚伸ぶ槌音のよく乾きては    春休(つ)



【 鋼つよし 選 】
 08 雪煙汽車の車輪を隠しけり
 12 春待つや白く車を洗ひ上げ
 14 日脚伸ぶ槌音のよく乾きては
つよし評
 08 雪煙  隠されし汽車の車輪は、走っている車輪なのか止まっている車輪なのか、自ら発した雪煙なのか、他の電車の雪煙を戴いたのか、17文字では難しいかも。
 12 春待つや  今年は、暖冬ぎみだからこんな気持ちになるかも。
 14 日脚伸ぶ  よくわかる、佳句とおもいます。
* 小生、毎日が日曜日になりました。それゆえに良い面も、悪しき面もあるとは思うが、未知の世界へ歩みだす気持です。

【 中村ふみ 選 】
05とんどの火見えて踏み切り開かざる
10寒雷のむかうに島の一つきり
11寒の雨落ちて静かな港かな
今回は全体的に句のイメージが統一されているように思いました。
何気ない冬の生活、静かな日常と、その裏に流れる不安さ、あやうさ、とでも言うの
でしょうか。
その中でも特に、澄み切った冬の空気、においを私に感じさせてくれたのは05で
す。踏み切りの向こうに赤々と燃える火。でも、そこにすぐには行けない寂寥感。鳴
り響く踏み切りの音。こんな夢を見ると、泣いてしまいそうになります。
また、10,11も好きな句です。「冬の海」という言葉から連想される荒々しく
男性的な海よりも、静かな何もない冬の港のほうが私は好きです。そういった港の持
つセンチメンタルな空気をこれらの句はまとっています。

【 松尾むかご 選 】
01 月曜の・・・日曜日夕方のサザエさんの歌きくと、月曜日から始まる一週間を思って気分が重くなる人がいるらしいけど、この人の月曜日は、凛として軽い。
08 雪煙・・・広大な雪原をシュシュポポ走るSLが、グアーンと画面に迫って来る。
10 寒雷の・・・稲光の度に、時化の海の向こうに、お饅頭のような、小さなしまが、見える、景って、現実の世界より、ゲームの画面の様な、感さえある
(その他)
12 春待つや  下のフレーズが気持ちよいので、季にもう一ひねりほしい
02 きっぱりと これは、上のフレーズが、いいけど三滝駅ってのが、わからんです。

【 小川春休 選 】
○01 月曜の  「○曜の」という曜日を詠み込んだ句にはわかりにくいのが多いですが、それはきっと曜日に対するイメージが人それぞれで違っているせい。この句の場合は、曜日の持つイメージではなく「月曜の新聞は軽い」という事実を詠んでいるので強い。季語も、イメージを確かなものにさせていながらさりげなく、一句としてよくまとまっている。
○05 とんどの火  「静か」という言葉を使ってはいませんが「静かさ」が伝わってきます。「とんど」という季語から、寒さや静かさが読み手に喚起されるからでしょうね。そしてその静かさは、踏み切りの警報音や列車の通過音の合間の、一瞬の静かさなのです。
○07 松過ぎて  松過ぎのころの感じをうまく生かしてますね。それはともかく、私には「コショウ」のカタカナ表記がちょっと気になりました。日常生活の中では確かにカタカナで書くのが自然なんですが、平仮名もしくは漢字を使うと句の表情がかなり変わってくると思います。その中から作り手の気持ちに近いものを選んでみてください。
03 お飾りの  生活感が出ているところに好感が持てるのですが下五はわざわざ言う必要のない言葉のように思えます。「お飾りの小ぶり小ぶりや」と切って、下五にもっとイメージを広げてくれる言葉を持ってきたいところ。
09 冬の日の  冬の感じが出てて良いと思うのですが、気になったのは「右折」という言葉。「右折」「左折」は車輛に対して使う用語という感じがしたのでちょっと違和感がありました。「僧どち角を曲がりけり」の方が自然ではないでしょうか?
11 寒の雨  「寒の雨」「港」と来ると、その中にもう「静かさ」は含まれている気がします。どうにか「静かな」と言わずにその「静かさ」を伝えたいもの。
13 なづな摘む  なかなか良い句。3句選でなければ採ってます。

来月の投句は、2月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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