【 木村はな 選(は) 】 ○02
短日や万事八割目安とす 八割も出来れば上等かも。いつもたくさんのことをし残して一日が暮れていきます。
○11
島守る消防艇は日向ぼこ なんとなくのどかでいいですね。出来れば事故は起きて欲しくないので。
○41
長き旅焚き火と見れば輪に入り 一人旅を長くしていて人恋しくなったのですね。なかなか焚き火という風景がないのも寂しいですが。
○46
皆巨人たる影をもつ冬至かな 冬は日が暮れるのが早いので影も長くなります。巨人というのが楽しいです。
○51
消印を逃げる2円の白兎 2円の白兎に消印が押し忘れていたのですね。楽しくて可愛いです。
【 石黒案山子 選(案) 】
◎27 捨てられぬ写真に見入る年の暮
○19
片耳に吊すマスクで啜る白湯 「吊るす」の「る」は不要と思います。
○31 大年や昼風呂に入り白髪染む
○42
極月や昼も夕餉もおでん食ひ
○52 まっすぐな瞳に映る寒の月
【 一斗 選(一) 】
○07 時雨るるやおのころ島の平らかに
○12
ねんねこの小花模様がふぶきをり
○30 霜柱踏んで別れを決めにけり
○35 注射跡ふくらんでゆく冬日かな
○51
消印を逃げる2円の白兎
【 中村時人 選(時) 】
○07 時雨るるやおのころ島の平らかに
○19
片耳に吊るすマスクで啜る白湯
○12 ねんねこの小花模様がふぶきをり
○14 立ち退きの決まりし宿舎青木の実
○30
霜柱踏んで別れを決めにけり
他に気になった句は
01 海釣りの雑魚はほかして山眠る
28
霜柱すすめの糞を載せてをり
46 皆巨人たる影をもつ冬至かな
【 土曜第九 選(第) 】
○21
日向ぼこして昼飯のことばかり 無心でいようとしても、ついつい生活のこと、特に食事のことを考えてしましまう気持ち、よく分かります。
○24
短日や化粧サンプルなど貰ひ 日が短くてなんとなく暗い季節。こういう小さな幸せはありがたいことです。
○27
捨てられぬ写真に見入る年の暮れ アルバムを見つけると思わず大掃除の手が止まってしまいます。
○37
朝昏しセロリに目醒めさせられて 新鮮な野菜で一日が始まるなんて理想の生活です。
○48
ひとことが救いとなりぬ冬ともし 何気なく掛けて貰った一言が、寒い中に灯る明りのように、冷えた心を温めてくれることがあります。
【 奥寺ひろ子 選(奥) 】
○03
手に余る暦あるれどひとつ買ふ 来年の決意を感じます。
○08
売れ行くやマスクに翼あるごとく 年末にむけて病気になっていれませんね。
○13
焚火の辺持ち物多しホームレス 本当に寒い年末です。
○28 霜柱すずめの糞を載せてをり よく見かける景です。
○39
塾帰り冬の大三角の下 受験生がんばってください。
【 滝ノ川愛 選(愛) 】
○02
短日や万事八割目安とす そうです、私は普段でも家事(特に掃除)は八割でよしとしています。暮は特にそうです。八割で十分です。七割では今一で九割は大変です。一度お試しください。
○24
短日や化粧サンプルなど貰ひ 冬至の頃は日が短い、それなのに用事はたくさん。忙しい、忙しい。自分は他の物を買いに来たのに必要もない「化粧サンプル」を手渡された。戸惑いと苛立ちも感じられます。
○31
大年や昼風呂に入り白髪染む 大晦日に昼風呂に入るとあらば用事はみんな終わったのでしょうか、それともひとっ風呂浴びて白髪を染めてから、もうひと仕事というところでしょうか。どちらにしても白髪を染めて、気分も
新たに、良いお年を。
○42
極月や昼も夕餉もおでん食ひ 12月は何かと忙しいものです。主婦は食事の支度まで手が回りません。おでんは昼、夜食べても飽きません。この頃はコンビニでも結構美味しい「おでん」売っていますね。
○45
眠剤の利いて向かうに雪兎 私は通常は眠剤を使わないのですが、以前入院した時に睡眠導入剤なるものを処方されました。不思議な感覚ですね。夢なのか現なのか、そのうちに眠りに落ちる。「雪兎」がいいですね。
【 小林タロー 選(タ) 】
○15
その人の眼にむつのはな集まるよ 写生のようでもあり、無いようでもあり、なにか不思議な句です。作らないけどとってみたい、そんな句でした。
○21
日向ぼこして昼飯のことばかり 他にすることはないのか!ではなく、する必要がないのです。
○26
セーターを固く編んでは窓辺かな 固く編むのは揺れる心を落ち着かせたいから、窓辺に寄るのは誰かを待つから〜恋の句です。
○35
注射跡ふくらんでゆく冬日かな 冬日さす暖かい部屋、希望も膨らんでいきます。
○45
眠剤の利いて向かうに雪兎 睡眠薬ってどんな感じなのでしょうか?こんなきれいなイメージを見られるならそれもいいかな。
【 森田遊介 選(遊) 】
(今回はお休みです。)
【 小早川忠義 選(忠) 】
今回は選のみとさせていただきたく。
○14
立ち退きの決まりし宿舎青木の実
○31 大年や昼風呂に入り白髪染む
○43 声出して文読んでをり返り花
○48
ひとことが救いとなりぬ冬ともし
○53 数へ日や発車の表示こんどつぎ
【 石川順一 選(順) 】
○04
たつぷりのあくびしてをりみやこどり 季語は「みやこどり」。鳥の欠伸はあまり見た事が無いかもしれませんが、そう詠まれればやはりあくびをするのだろうと思って仕舞う。「たっぷりの」に大らかさを感じました。
○32
底力まだまだ出すぞ山眠る 季語は「山眠る」。気力が充実して来ると句にも張りが生まれる様な気がします。
○42
極月や昼も夕餉もおでん食ひ 季語は「極月」。好きと言うよりは作り過ぎたのかもしれません。処理に追われても12月と言う外枠だけは揺るがない。
○48
ひとことが救いとなりぬ冬ともし 季語は「冬ともし」。福音の様な一言に癒される。すると街灯さえも福音に思えて来る
○52
まっすぐな瞳に映る寒の月 季語は「寒の月」。目をただリアルに見たらそう感じられたと言うシンプルさが好もしい句だと思いました。
他に注目した句に
10
雷蔵の眼鏡姿や冬ぬくし 季語は「冬ぬくし」。
12
ねんねこの小花模様がふぶきをり 季語は「ふぶき」。うーむ花を雪と見立てたり雪を花と見立てたりの王朝和歌を思い起こしました。
24
短日や化粧サンプルなど貰ひ 季語は「短日」。貰えて嬉しかったのでしょう。
27
捨てられぬ写真に見入る年の暮れ 季語は「年の暮れ」。写真をいとおしんで居る
39
塾帰り冬の大三角の下 季語は「冬」。星座に感動した。
が有りました
【 涼野海音 選(海) 】
○07
時雨るるやおのころ島の平らかに まるで水墨画のような風景。
○21
日向ぼこして昼飯のことばかり 食欲から逃れられぬのが、やはり人間。
○35
注射跡ふくらんでゆく冬日かな 注射跡がふくらむのか冬日がふくらむのか、あいまい。そのあいまいさが面白いと思いました。
○45
眠剤の利いて向かうに雪兎 なんとも淡い景。眠りに落ちる前でしょうか。
○54
さいころの欠けて歯に似る年のくれ 「さいころの欠けて歯に似る」が意外であり、かつ納得がゆきました。
【 松本てふこ 選(て) 】
○12
ねんねこの小花模様がふぶきをり あたたかい閉塞感。
○15
その人の眼にむつのはな集まるよ 眼の中に雪が降っている様子を美しく言い留めている。具体的なことは何ひとつ言っていないが、「その人」の存在が作中主体にとっていかに特別であるかが分かる。
○28
霜柱すずめの糞を載せてをり 写生のよろしさ。
○33
六林男忌や羽根の浮きゐる水暗き 清純な詩情と、時代の苦難を映し出した作風、という六林男像が見えた。
○45
眠剤の利いて向かうに雪兎 「利いて」→「効いて」では? 空間の把握のゆるさなど幻視としての雪兎が印象的。
【 川崎益太郎 選(益) 】
○05
冬籠おならの音と独り言 あまり詩情はないが納得の句。これも俳句。
○16
舌鼓そとはすなはち虎落笛 舌鼓と虎落笛との取り合せが面白い。
○32
底力まだまだ出すぞ山眠る 底力はマグマを連想。安心した頃また噴火。
○50
十二月割り切れるのは無くす時 納得は無心になった時。
○54
さいころの欠けて歯に似る年のくれ さいこらと歯の取り合せ。欠けて、が上手い。
【 草野ぐり 選(ぐ) 】
○12
ねんねこの小花模様がふぶきをり 古典柄の小花模様なのだろう。ぽかぽかと眠っている赤ん坊のことは何もいっていないが目に浮かぶよう。
○19
片耳に吊るすマスクで啜る白湯 風邪っひきの怠い身体の様子がしみじみと出ている。マスクや、と切ったほうが締まるか。
○32
底力まだまだ出すぞ山眠る 底力をだすぞといいながら山は眠っている。来るべき時に力を蓄えているかのように。
○41
長き旅焚火と見れば輪に入り フーテンの寅さんの様な旅人なのか。さり気なく入って,気が付けば初対面の回りの人達を笑わせてすっかり馴染んでいるのだ。
○54
さいころの欠けて歯に似る年のくれ さいころが欠けると歯に似るとは。そういわれてみれば歯の質感にさいころは似ているかも。それに年の暮れを取り合わせるとこの忙しい時に何を言っているのかという妙に心地良い脱力感に包まれる。
【 水口佳子 選(佳) 】
○21
日向ぼこして昼飯のことばかり すごく平和な景のようにも読めるし、少し寂しい景とも読める。食べることばかり口にするのは健康な証拠かもしれない。でもさっき食べたことすら忘れてしまっている・・・という解釈をすると切なくもある。
○28
霜柱すずめの糞を載せてをり 言っているのは霜柱と糞のことなのだけど、雀の命を感じる。作者の観察のこまやかさにも感服。
○35
注射跡ふくらんでゆく冬日かな あたたかな冬日と注射跡との取り合わせが佳かった。少しむずむずしているのかも。
○49
泉水の水の抜かれて十二月 水を抜かれた泉水の底が寒々とした感じ。季語は十二月でいいか?やや因果を感じるが・・・
○51
消印を逃げる2円の白兎 従来の80円切手に2円切手を追加して貼ってあり、その部分だけ消印が逸れていることがある。郵便物の多いわが家では月に何度かそういうことがあって、「ラッキーッ」と思う。兎の図柄でなかったらできなかった句かも。季語としては生きていないでしょうね。
【 喜多波子 選(波) 】
○08 売れ行くやマスクに翼あるごとく
○11
島守る消防艇は日向ぼこ
○19 片耳に吊るすマスクで啜る白湯
○30 霜柱踏んで別れを決めにけり
○33
六林男忌や羽根の浮きゐる水暗き
【 鋼つよし 選(鋼) 】
○13
焚火の辺持ち物多しホームレス よく見ていると思います。
○21 日向ぼこして昼飯のことばかり 老夫婦の会話でしょうか。
○29
夫逝けば妻の字消され行く枯野 意味はよく分からないけど広い枯野が意味深で。
○30
霜柱踏んで別れを決めにけり 小気味よい踏み音に潔く決める気になったのかも。
○54
さいころの欠けて歯に似る年のくれ 私にはない視点で頂きました。
採りたかった句
27 捨てられぬ写真に見入る年の暮れ
28
霜柱すずめの糞を載せてをり
【 小川春休 選(春) 】
○10
雷蔵の眼鏡姿や冬ぬくし 夭折した往年のスター、市川雷蔵。キリリとした眠狂四郎がまず目に浮かびますが、この句では意外にも眼鏡姿。市川雷蔵は役作りやメイクでがらりと印象が変わるタイプで、普段は温和な印象の青年だったそうで、この句での眼鏡姿もオフのものでしょう。そこへ「冬ぬくし」という下五を配したところに、読み手の心情もしみじみと窺われます。
○30
霜柱踏んで別れを決めにけり 夜中にも出来ているのかも知れませんが、霜柱というと朝のものという印象があります。霜柱を踏んで勢い良く決心する様は小気味良いですが、その裏側には、長い夜の間、別れようか別れずにおこうか悩みに悩んだ時間の重みがあるようにも感じられる句です。
○35
注射跡ふくらんでゆく冬日かな インフルエンザの予防注射でしょうか。一人だと注射した後、服を着込んでそのままになってしまうので、この句は見せ合う相手がいる景ではないかと思います。注射跡がぷっくりふくらんできますが、掻いてはだめと医者から言われているので、見守るだけです。私のはこんなにふくらんだよ、私のもこんなにー、というようなやり取りが目に浮かびます。
○37
朝昏しセロリに目醒めさせられて まだ暗い早朝の朝食の中のセロリ、その独特のちょっと薬っぽいような苦味に、目を覚まされる。セロリそのものの持つ印象も相俟ってか、若々しいイメージのある句です。
○45
眠剤の利いて向かうに雪兎 「向かうに」の指す位置が曖昧と言えば曖昧なのですが、この句の場合はそこが良い。睡眠薬が効いてきて、意識がぼんやりしてくる中、日中にこしらえた雪兎のことを何となく思い出す。ぼんやりとした意識がうまく描写されている、そしてその中において季語の雪兎がしっかりと実感を与えている。面白い句だと思いました。
01
海釣の雑魚はほかして山眠る 平地(というか可住地面積)が狭く、海辺から山までが近い、例えば広島県の尾道のような景が見えてきます。しかし、上五中七の叙述がスムーズでなく、少々説明っぽい印象も受けます。「海釣りで釣れた雑魚はほかしてしまう」と言うよりも、「釣れた雑魚は海へほかしてしまう」のように述べた方が、海釣りであることも自然と分かり、景も活き活きとしてくるように思います。
02
短日や万事八割目安とす 中七下五の述懐に対して、この季語が適切かどうか。この季語のせいで、日が短いから万事八割を目安にするということは、日が長くなれば十割を目指すということだろうか、というような理屈っぽい読みが成立しているようにも感じます。冬の季語で、もっと別に良い季語があるのではないかと思います。
03
手に余る暦あるれどひとつ買ふ 言わんとすることは何となく分からなくもないのですが、「あるれど」は文法的におかしく、意味が通じないように思います。
06
ポスターの高倉健や寒波来る このポスター、屋外に貼られているのでしょうか。高倉健その人が世を去っても、そのポスターは屋外で冷たい風を正面から受け続けている…。何か高倉健のイメージも相俟って、象徴的な景のように感じられます。
07
時雨るるやおのころ島の平らかに 伊邪那岐・伊邪那美の二柱の神が天浮橋(あめのうきはし)に立って天沼矛(あめのぬぼこ)で渾沌とした大地をかき混ぜたときに、矛から滴り落ちたものから出来たのがおのころ島。おのころ島は、神話の架空の島とする説と実在するという説とあり、実在説では淡路島周辺の島などがおのころ島とされています。時雨に煙る景が、この島の過ごしてきた長い年月を想像させてくれます。
13
焚火の辺持ち物多しホームレス 持ち物が多いといっても、あれが全財産と思えば少ないのかも知れませんが…。景はよく見えますが、「の辺」という言い方は硬いように感じます。言い換えに際しては、「持ち物」を「荷」と言い換えるなどすれば、字数に余裕が出来るかもしれません。ぜひ推敲してみてください。
15
その人の眼にむつのはな集まるよ 非現実の景のようでもありますが、見開かれた眼の大きさ、瞳の深い色合い、そこに映り込むたくさんの雪が想像される句です。
19
片耳に吊るすマスクで啜る白湯 意地の悪い言い方になりますが、マスク「で」白湯は啜らないでしょう。この句の場合、句頭から句末まで一句をひとつながりにつなげようとするから助詞に齟齬が生じているのであって、「片耳に吊るすマスクや白湯啜る」などと「や」で切れば、すっきりと一句に仕立てられると思います。
21
日向ぼこして昼飯のことばかり 早く昼ご飯が食べたいなぁ、というのも暢気で良いですが、今日の昼ご飯おいしかったなぁ、と後から何度も思い出して反芻するのもなかなか味わい深いですね。
23
けふはそのきのふのあした納豆汁 芭蕉に〈あら何ともなや昨日は過ぎて河豚汁〉の句がありますが、その後日談の句でしょうか。河豚汁を飲んで死ぬかも知れぬと騒いだ夜も過ぎて、平常運転に戻っていつも通りの納豆汁。なかなかウィットに富んだ句です。
26
セーターを固く編んでは窓辺かな 何気ない句のようですが、「固く」の辺りや、「編んでは窓辺かな」の「では」の辺りに強い想いが隠れているようにも読める句です。
29
夫逝けば妻の字消され行く枯野 よく読み切れなかったのですが、夫が亡くなったことで妻という肩書きが薄れて消えてゆく、という意味でしょうか。妻が書いた字が消されて行く、とも読めますが、それだと意味がよく分かりませんし…。
33
六林男忌や羽根の浮きゐる水暗き 暗い水の重々しさ、そしてその中にふわりと浮く白い羽根が希望のように感じられます。苦難の時代・社会の中で創作を続けた六林男自身を象徴するものでもあるのでしょうか。
36
大凡は隣の村の冬鴎 はて、わざわざ隣村から鴉が飛んでくるとは何事でしょう。
39
塾帰り冬の大三角の下 受験生であれば、年が明ければもう入試。広々とした冬の星空の下、自らの将来について考えたりすることもあるのかもしれませんね。
42
極月や昼も夕餉もおでん食ひ 確かに年の瀬の忙しい感じは出ているのですが、季重ねにそれほど必然性がないようにも感じます。
43
声出して文読んでをり返り花 声を出して手紙を読むという行為は、どことなく幼さを感じさせます。そして返り花という季語は、冬らしからぬ好天やあたたかさ(ただし短期的なもの)をその背景に感じさせる季語。その取合せは純粋さの感じられるものになっていると思います。
44
市中や匂ふ在処のおでん酒 『猿蓑』に〈市中は物のにほひや夏の月〉という凡兆の句がありますが、それを下敷きにした句でしょうね。ただ、凡兆句の「物のにほひ」という、曖昧にぼかしながらも様々な想像を呼ぶ奥行きのある表現と比べると、「匂ふ在処」は少々わびしく感じます。
48
ひとことが救いとなりぬ冬ともし 心情をそのまま句に詠むのはなかなか難しいことですが、この句は結構成功しているのではないかと思います。ストレートに心情が出ているところと季語が良かったのではないかと思います。
49
泉水の水の抜かれて十二月 庭園の泉水の水が抜かれている景は、冬の景としては結構一般的なものではないかと思います。
50
十二月割り切れるのは無くす時 確かに、中途半端に物や金がある方が、無くしたらどうしようか…と要らぬことを考えるもの。綺麗さっぱり無くしてしまうと、案外どうとでもなれという開き直りの境地になれるようです。そうと分かっていても自分の感情をコントロールし切れないのが人間というもの。そんなことを思う年の瀬です。
|