ハルヤスミ句会 第二百九回

2018年3月

《 句会報 》

01 後ろより抱きしめたきよ花椿    高弘(タ・鋼)

02 へろへろと伸びし小草や霞立つ   愛(こ)

03 おぼろ夜やかつて番台高かりき   春休(ル・草・一・海・三・鋼)

04 風船を片手に結び鳩追ひぬ     タロー(一・順・海)

05 春の夢むかし魚でありしころ    一斗(奥・愛・益)

06 束の間の遊びを春の玉霰      案山子(ル)

07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ  佳子(こ・一・時・高・三)

08 天端(てんば)に立てば退いて行く春の潮 みなと

09 銀ぶらや路地に気高き猫の妻    時人(草・益)

10 木目込みの高眉人形花を待つ    みなと

11 春の水と遊んでゐるよ猫の舌    草太(春)

12 背負う荷の重さ軽さや地虫出る   益太郎

13 春の月カラオケ店の閉鎖かな    順一

14 弁当の脇の一皿桜餅        つよし(光・案・タ)

15 三鬼の忌女もすなるはしご酒    ルカ(光・案・高・順・海・益)

16 海豚らのささめく潟や春の月    こげら(光・奥・佳)

17 春の朝寝覚めは髭を弄られて    高弘

18 愛犬のむくろの上の草もゆる    益太郎(鋼)

19 春塵の舗道に象を待つてをり    佳子

20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す   タロー(草・時・愛・高・佳・鋼・春)

21 うわつぱり東風に膨らませしままに 高弘(こ・タ)

22 霾や白きクイーン蹂躙す      こげら

23 白魚の頭ともなきあたまかな    ルカ

24 町おこし里子の雛として居着く   案山子(奥)

25 房総に海風吹きてミモザ咲く    時人

26 ハードルをメッチャ下げたと受験子は つよし

27 雛の間の鏡に映るペルシャ猫    海音(光・草・一・奥)

28 三月のカスタネットの裏拍子    一斗(ル)

29 ものの芽の出づるに動くもののあり 案山子(高・春)

30 真夜やふと宴の気配雛の間     草太(愛)

31 闘病の果ての旅たち木の芽吹く   つよし(案・春)

32 水温む王さん一家のマグカップ   一斗(順・海)

33 制服で流す笹船木の芽風      タロー

34 梅園や逃れたきものは歴史かな   順一

35 ふらここの影取り戻すまでここに  佳子(こ)

36 ゴンドラの櫂に纏はり春の水    こげら

37 春泥や妻いま「ノラ」へ第一歩   草太(益)

38 老妻の手料理に飲む春の月     光太郎(三)

39 天下取る手相と言ふも海市かな   愛

40 デマンドバス待たせ棒鱈買ひにけり みなと(こ・愛)

41 兜太忌やほおいほおいと春三日月  ルカ(時・三)

42 兜太逝く梅と狼と青鮫       益太郎(奥・鋼)

43 通り過ぎぺんぺん草を目で捉え   順一(佳)

44 草や木もうふふ外に出よ春の風   ひろ子

45 菱餅の水のごとくにひかりけり   海音(佳・春)

46 浮き上がる獲物重たき海女の笛   光太郎(案)

47 一杯でやめるつもりが木の芽和   春休(光・愛・高・順)

48 肺炎のワクチン打ちて鳥雲に    愛

49 風船売や賑はひに色を添へ     時人

50 車避けちょこちょこ渡る春の鳥   ひろ子

51 涅槃寺雲の白さの猫眠る      海音(ル・草・一・タ・佳)

52 洗い髪きりりと結び卒業す     ひろ子(ル・時・三)

53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃  春休(時・タ・順・海・益)

54 幼子の健やかなれと甘茶仏     光太郎(案)




【 こげら 選(こ) 】
○02 へろへろと伸びし小草や霞立つ  飄逸な感じが好きです。春はこうありたい、と思わせる句。
○07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ  客観的な胎児の描写。月おぼろが優しく胎児の映像に重なるよう。
○21 うわつぱり東風に膨らませしままに  戸外での作業中でしょうか。吹かれるままにしているところに少し遊び心も感じます。
○35 ふらここの影取り戻すまでここに  ふらここの影は自身の投影でしょうか。「ここ」の韻も面白い。
○40 デマンドバス待たせ棒鱈買ひにけり  この棒鱈、よほど見逃したくなかったのでしょうか。バスの和やかな空気も見えてくるよう。「けり」の切れが心地よいです。

【 荒岩のりひろ 選(の) 】
(今回はお休みです。)

【 荒木乃愛 選(乃) 】
(今回はお休みです。)

【 えみこ 選(え) 】
(今回はお休みです。)

【 森本光太郎 選(光) 】
○14 弁当の脇の一皿桜餅
○15 三鬼の忌女もすなるはしご酒
○16 海豚らのささめく潟や春の月
○27 雛の間の鏡に映るペルシャ猫
○47 一杯でやめるつもりが木の芽和

【 さんきう 選(さ) 】
(今回はお休みです。)

【 ルカ 選(ル) 】
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき
○06 束の間の遊びを春の玉霰   
○28 三月のカスタネットの裏拍子
○51 涅槃寺雲の白さの猫眠る   
○52 洗い髪きりりと結び卒業す  

【 青野草太 選(草) 】
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき
○09 銀ぶらや路地に気高き猫の妻
○20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す
○27 雛の間の鏡に映るペルシャ猫
○51 涅槃寺雲の白さの猫眠る

【 石黒案山子 選(案) 】
○14 弁当の脇の一皿桜餅
○15 三鬼の忌女もすなるはしご酒
○31 闘病の果ての旅たち木の芽吹く
○46 浮き上がる獲物重たき海女の笛
○54 幼子の健やかなれと甘茶仏

【 一斗 選(一) 】
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき   
○04 風船を片手に結び鳩追ひぬ     
○07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ  
○27 雛の間の鏡に映るペルシャ猫    
○51 涅槃寺雲の白さの猫眠る  

【 中村時人 選(時) 】
○07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ
○20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す
○41 兜太忌やほおいほおいと春三日月
○52 洗い髪きりりと結び卒業す
○53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃
 他に気になった句は
 14 弁当の脇の一皿桜餅
 21 うわつぱり東風に膨らせしままに
 42 兜太逝く梅と狼と青鮫

【 土曜第九 選(第) 】
(今回はお休みです。)

【 奥寺ひろ子 選(奥) 】
○05 春の夢むかし魚でありしころ  深い眠りが、海で生きていたころまでさかのぼり夢の中であそびました。
○16 海豚らのささめく潟や春の月  春の月に照らされて海豚のささめきが聞こえてきそうです。
○24 町おこし里子の雛として居着く  雛人形は捨てるに捨てられません。
○27 春泥や妻いま「ノラ」へ第一歩  いろいろな事から、解放され少しずつ自己を取り戻していきます。
○42 兜太逝く梅と狼と青鮫  この句は強烈であり忘れられない俳人です。

【 滝ノ川愛 選(愛) 】
〇05 春の夢むかし魚でありしころ  私達の始祖は魚だったのですね、気持ちよさそう。「春の夢」がいいです。
〇20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す  スマホですね、そこここで見かけました。若人に希望あれ。
〇30 真夜やふと宴の気配雛の間  どんな宴でしょう、さぞ雅なことでしょう。そっと覗いてみたい!
〇40 デマンドバス待たせ棒鱈買ひにけり  デマンドバスはなかなか来ません、”ちょっと待っててね”。
〇47 一杯でやめるつもりが木の芽和  「木の芽和」が出てきたからには、あと一杯だけ、日本酒ですね。

【 小林タロー 選(タ) 】
○01 後ろより抱きしめたきよ花椿
○14 弁当の脇の一皿桜餅  今日のお昼は桜餅が主役
○21 うわつぱり東風に膨らませしままに
○51 涅槃寺雲の白さの猫眠る
○53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃

【 森高弘 選(高) 】
○07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ  今なら、生まれる前に胎児の様子を調べることは十分可能であることもあるが、幻想として描いたと捉えても非日常から日常へ出る前の危うさが出ていて良い。
○15 三鬼の忌女もすなるはしご酒  土佐日記を思い出すが、これはもしや男が詠んだ句かなどと思わせる。
○20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す  昔ポラロイド、今iPhone。うれしい瞬間を今すぐ見たい明日にはもう会えなくなるかもしれない友達。
○29 ものの芽の出づるに動くもののあり  もの、のリフレインや何が動くかをぼかしたところに惹かれた。
○47 一杯でやめるつもりが木の芽和  どうしても酒が欲しくなるおつまみの一つがあったら、幸せ。
 03 おぼろ夜やかつて番台高かりき  かつての頃の番台の良さが知りたかった。
 37 春泥や妻いま「ノラ」へ第一歩  人形の家のことか。鍵括弧付きでも俳句の詩形には収まり切れていない。
 40 デマンドバス待たせ棒鱈買ひにけり  多分デマンドという概念は要らない。
 44 草や木もうふふ外に出よ春の風  うふふ、に甘納豆を凌駕する力が欲しい。
 53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃  これはまさかが要らなかった。

【 石川順一 選(順) 】
○04 風船を片手に結び鳩追ひぬ  季語は「風船」。風船の膨らみ、鳩の腹の膨らみ見たいな連想が働きました。
○15 三鬼の忌女もすなるはしご酒  季語は「三鬼忌」。三鬼忌は4月1日。「女もすなる」は土佐日記の引用でしょうか。
○32 水温む王さん一家のマグカップ  季語は「水温む」。「王さん一家」と言う特定性に詩があると思いました。
○47 一杯でやめるつもりが木の芽和  季語は「木の芽和」。飲み過ぎの言い訳めいた句でも俳味が。
○53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃  季語は「さくら餅」。「まさかの」に万感の思いが。

【 涼野海音 選(海) 】
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき  番台といえば、やはり銭湯の入口にあるものを思い浮かべる。そうだ昔はもっと高かったと。「おぼろ夜」も銭湯の雰囲気とあっている。
○04 風船を片手に結び鳩追ひぬ  少々、散文的だが、リアルな描写が良い。
○15 三鬼の忌女もすなるはしご酒  「三鬼の忌」「女」「はしご酒」とスムーズに結びつく。「すなる」という表現をよく俳句で使えたものだなあと。
○32 水温む王さん一家のマグカップ  「王さん一家」中国人の大家族かなあと。「水温む」があたたくてよい。
○53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃  「まさかの」というところに、作者の驚きが出ている。(「さくら餅」という季語でベストかどうか、という問題はありますが)

【 川崎益太郎 選(益) 】
〇05 春の夢むかし魚でありしころ  人間も大昔は魚だった。
〇09 銀ぶらや路地に気高き猫の妻  銀座は、猫も気高い。
〇15 三鬼の忌女もすなるはしご酒  本歌取りだが、三鬼と女とはしご酒が面白い。
〇37 春泥や妻いま「ノラ」へ第一歩  春泥とノラはやや付いているが、面白い。
〇53 さくら餅提げて戻りてまさかの訃  兜太の死、まさか!

【 草野ぐり 選(ぐ) 】
(今回はお休みです。)

【 水口佳子 選(佳) 】
○16 海豚らのささめく潟や春の月  人間の寝静まった頃ひそひそと何やらささやきあっている海豚たち。春のぼんやりした月が幻想的。
○20 ピンボケを笑ひ合うては卒業す  ピンボケだと思う、過ぎた日もこれからの日も。確かなのは笑いあっている今だけ。ゆらぎながら大人になっていく。
○43 通り過ぎぺんぺん草を目で捉え  あまり目立たない草。通り過ぎた後ぺんぺん草だと気づいた。目で捉えて確認。春を確認するように。
○45 菱餅の水のごとくにひかりけり  硬い菱餅を柔らかい水に喩えたところが良い。雛の灯りのぼんやりした感じも表れているような。
○51 涅槃寺雲の白さの猫眠る  涅槃図には描かれなかった猫。「雲の白さ」がまるであの世から降りてきたかのようにも感じさせる。でも猫は現世にいるのだ。

【 三泊みなと 選(三) 】
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき
○07 指しやぶりしてゐる胎児月おぼろ 
○38 老妻の手料理に飲む春の月 
○41 兜太忌やほおいほおいと春三日月  
○52 洗い髪きりりと結び卒業す 

【 鋼つよし 選(鋼) 】
○01 後ろより抱きしめたきよ花椿  正面より後ろが作者によぎった物なのだろう。
○03 おぼろ夜やかつて番台高かりき  そうだよね思わせるところあり。
○18 愛犬のむくろの上の草もゆる  作者の感慨がよく出ている。
○20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す  卒業にこれもあり。
○42 兜太逝く梅と狼と青鮫  追悼の句 大変良い。

【 中村阿昼 選(阿) 】
(今回はお休みです。)

【 小川春休 選(春) 】
◯11 春の水と遊んでゐるよ猫の舌  字余りも上五であればそれほど気にならない。景も口調も明るく、きらきらとした水のきらめきが見えてくるようです。
◯20 ピンボケを笑ひ会うては卒業す  句中に明記されてはいませんが、撮った写真の出来をその場ですぐに確認できるのは、デジカメ・スマートフォンならでは、という感じですね。現代の景の句として好感を持ちました。「会うては」の表記は「合うては」の方が正確かと思います。
◯29 ものの芽の出づるに動くもののあり  「動くもの」の正体は句中では明らかにされていませんが、私は、目に見えるか見えないかという小ささの羽虫のようなものではないかなどと想像しました。いろいろな物が一斉に活動を始める、春ならではの句です。
◯31 闘病の果ての旅たち木の芽吹く  人の死は哀しむべきものですが、長く苦しい闘病を見て来た者にとっては、死は長い苦しみがやっと終わる時でもあり、相反する感情が同時に訪れます。この句からはそのような複雑な心情が窺われます。
◯45 菱餅の水のごとくにひかりけり  菱餅の表面のつやつやとした感じが目に浮かびます。すっきりと言い切った形も良い。これまであまり見たことのない菱餅へのアプローチと思いました。
 01 後ろより抱きしめたきよ花椿  「よ」の切れのせいで、花椿の姿が抱き締めたくなるような様子だったのか、花以外の誰かに対しての想いなのか、肝心な所が曖昧になっている気がします。
 04 風船を片手に結び鳩追ひぬ  景としては良いのですが、「あれをこうしてこうなった」的な散文的な句に感じてしまう。語順を工夫したり切れなどを入れて、鮮度のある句に仕立ててほしいところです。
 05 春の夢むかし魚でありしころ  人類も元をたどれば水の中で暮らしていた、その頃の記憶の断片を思い返しているのでしょうか。どことなく、正木ゆう子さんの世界を思わせる句。 
 08 天端(てんば)に立てば退いて行く春の潮 字余りが全て駄目とは言いませんが、注意深く扱わなければ、一句のリズムや調子を損なう。この句も、ストレートに〈天端より見るや退き行く春潮を〉などとした方が活き活きとした句になると思う。
 10 木目込みの高眉人形花を待つ  「木目込みの高眉人形」と言われると雛人形がすぐに思い浮かぶのですが、この人形は雛人形という訳ではないのでしょうか。
 15 三鬼の忌女もすなるはしご酒  「三鬼の忌」の句であれば、もう少しモダンであってほしい。この内容では少々古さを感じる。
 16 海豚らのささめく潟や春の月  「海豚らのささめく」と言えば、「潟」は言わなくても読者の方で想像しそうなものですが、いかがでしょうか。
 17 春の朝寝覚めは髭を弄られて  「髭を弄られて」は面白いが、それより前の部分がくどく感じられるのがもったいない。「朝寝」や「春眠」などの季語を使えば、もっとすっきりと仕立てられるのではないでしょうか。
 18 愛犬のむくろの上の草もゆる  内容は悪くはないと思いますが、切れや語順などを工夫すれば、もっと良い句になるのではないかと思います。
 19 春塵の舗道に象を待つてをり  舗道に象が登場するとは、どんな状況なのでしょう。実際に象がやって来た場面を句にした方が面白い句になるような気もします。
 23 白魚の頭ともなきあたまかな  去来の〈尾頭のこころもとなき海鼠かな〉を思い出しました。
 24 町おこし里子の雛として居着く  「町おこし」という言葉を入れて良い句を作るというのも、なかなかの困難事と思います。
 30 真夜やふと宴の気配雛の間  内容的には面白い句なのですが、三段切れのようになっており、まとまりがない印象になっているのがもったいない。例えば〈真夜やふと雛の間に宴の気配〉などとすればもっとすんなり読める句になる。個人的な好みで言うと、「うたげ」か「けはひ」のいずれかをひらがな表記としたいところ。
 34 梅園や逃れたきものは歴史かな   「や」「かな」にしなくては仕立てられないような内容ではないのではないかと思います。
 37 春泥や妻いま「ノラ」へ第一歩   明治・大正ならいざ知らず、現代の世相では『人形の家』というのもかなり古風な筋書き。多くの女性たちが「ノラ」よりよほど吹っ切れた生き方をしている中、やっと第一歩を踏み出したばかりの「妻」は、現代では貞淑と言えるのではないか、とも思います。
 41 兜太忌やほおいほおいと春三日月  亡くなられて一年も経っていないのに「忌」という言葉を使うのは非常に違和感があるのですが、こういう使い方は一般的なのでしょうか。
 42 兜太逝く梅と狼と青鮫  梅と狼と青鮫というと、後は蟹と瓦礫と、さて何だろう?
 44 草や木もうふふ外に出よ春の風   中村汀女の〈外にも出よ触るるばかりに春の月〉を思い出しました。
 46 浮き上がる獲物重たき海女の笛  このままの形だと、「重たき」が「獲物」と「海女の笛」のどちらにも掛かるように読めてしまう。「重たし」と言い切れば、その弊害をまぬがれることができます。
 49 風船売や賑はひに色を添へ  句またがりの形として、七五五はオーソドックスな形ではありますが、しっかりと気を配って言葉を配さなければ違和感の強い句になってしまいます。この句もちょっと落ち着かない印象です。
 51 涅槃寺雲の白さの猫眠る  雰囲気のある句です。個人的には、上五を「涅槃会や」などとしたい気もします。
 52 洗い髪きりりと結び卒業す  凛々しい印象の句で、しっかり出来ている句と思います。
 54 幼子の健やかなれと甘茶仏  灌仏という行事の主旨を思えば、当たり前に過ぎる内容です。


来月の投句は、4月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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