ハルヤスミ句会 第二十二回

2002年7月

《 句会報 》

01 午前四時打ち損ねし蚊も眠るらん    阿昼(や)

02 白シャツやハンガーの骨くつきりと   春休(む・阿)

03 草むらに蛇の尾消ゆるまで見つめ    つよし

04 燕の子巣をけちらして飛びたてり    やすみ(つ・春)

05 湖の波根元へと合歓の花        むかご

06 あめんばう雨の水輪をはじき過ぐ    阿昼

07 漣の寄せては消ゆる菱筵        むかご

08 溝にあるペットボトルの梅雨晴間    つよし

09 水の輪におされ流るる蓮の花      やすみ

10 岩山の穴ぼこ眺め梅雨の出湯      阿昼

11 この市を過ぎて線路と夏草と      春休

12 手も足もつつぱりどほし水馬      むかご(や・つ・春)

13 玉葱のひげそろいたる軒の下      やすみ(む・阿・つ・春)

14 新じゃがに満たされゐたる胃の腑なり  つよし

15 真二つに割つて大暑のおかきかな    春休(や・む・阿)



【 小川やすみ 選 】
○01 午前四時  夏の夜の熟睡を邪魔するもの=蚊っていうのがよく分かります。
○12 手も足も  水馬の長すぎる手足をつっぱってると表してるのがおもしろい。
○15 真二つに  暑い中ひとつのおかきをふたりで食べてるのかしら。

【 松尾むかご 選 】
02 白シャツや  骨の1語で、夏シャツのシャリ感やなんだか幽霊めいたフラフラぶらさがった様子などさまざま、受け取れて面白い
13 玉葱の  きっとずらーっと大量の玉葱なんでしょうね 軒下、に積まれた、大量の薪や、干し大根、干し柿は、幸せな景色ですよね 髭根をつけたままの、昔風もいい
15 真二つに  桃から生まれたもも太郎みたいにパカーンと割れたおかきから真夏が飛び出すみたいな、大暑におかきは、意外

【 中村阿昼 選 】
○02 白シャツや  真っさらな白シャツがくっきりと目に見えるよう。
○13 玉葱の  玉葱のひげってあんまり目立たないはずなのに、「そろいたる」とまで見えるとは、りっぱな玉葱なんだろうな。
○15 真二つに  ぱきっと気持ちのよい音が聞こえてきそう。

【 鋼つよし 選 】
04 燕の子  巣立ちゆくところに遭遇できたとは幸せ。
12 手も足も  水馬の手足つつぱるとは、たしかに言える。
13 玉葱の  ひげそろうとはユーモアがあってよい。
*選評
02 白シャツやの句、ハンガーの骨の細いのが頭に浮かんできて、句としてもちと細さを感じて次点。
15 真二つの句も注目句。おかき以外で読み手に意表をつくものだったら、三句選に入ると思う。

【 小川春休 選 】

○13 玉葱の  単に「並びたる」ではなく「そろいたる」であるところが良いですね。あるべきところにあるべきものが、いつも通りに揃った、その満ち足りた感じがしっかり伝わってきます。
○12 手も足も  手も足もつっぱって、じーっとひとところにとどまっている水馬。動の前の静、という感じですね。
○04 燕の子  「けちらして」が力強いですね。子燕が、巣のかけらを少し散らしながら飛び立つ様が見えてきます。「蹴散らして」と漢字で書いた方がより力強いイメージになりそうです。
01 午前四時  上五が具体的すぎるところがかえって説明的な感じがします。あと、中八がどうしても気になる。「打ち損ねたる蚊も眠る頃ならん」くらいの方が自然かな。
03 草むらに  「見る」「聞く」などの語はわざわざ言わなくても伝わる場合が多いので使うのが難しいですが、この「見つめ」も難しいところ。また、切れがないために句の焦点が定まらない感じもします。
05 湖の波  語順等、ちょっと不自然な感じがします。「合歓の花(の木)の根元へと湖の波が(寄せている)」という内容だと思うのですが。すんなり読めた方が、読み手によく伝わると思います。
06 あめんばう  「はじく」ところにもっとピントを合わせた方が動きが見えてくるのでは? 「過ぐ」でちょっとぼやけている感じです。
10 岩山の  03の「見つめ」同様、この「眺め」も言わずもがなの感があります。どんな穴ぼこかを描写した方が、読み手に伝わるイメージが具体的になりそうです。
14 新じゃがに  「新じゃが」でなくても、他の食べ物でもいいような感じがして、ちょっと一句として弱い気がします。


来月の投句は、8月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

back
back.
top
top.