ハルヤスミ句会 第二十五回

2002年10月

《 句会報 》

01 玉入れに息の弾むや天高し     つよし(阿)

02 朝寒の道端に積む週刊誌      ふみ(つ)

03 稲刈機また自転車に追ひ越され   春休(む・阿)

04 剪定の松葉白きは鳥の糞      つよし

05 鮎落ちてどうなっちゃっているのでしょう ふみ(む)

06 朝露に端濡れてをり新聞紙     春休

07 秋の蚊のまつわり来るや納戸まで  つよし(む・ふ・春)

08 茸山沼の方へと矢印が       むかご(つ・春)

09 紅葉狩がてらに葉書落しゆく    春休

10 秋うらら手品とくいな住職と    ふみ(つ)

11 草紅葉ロープ先は沼の中      むかご

12 枝揺れて紅葉の幹もすこし揺れ   春休

13 秋灯下スリッパ離ればなれかな   むかご(ふ・阿・春)



【 松尾むかご 選 】
03 稲刈機・・・そうなんですよ、田んぼの中では頼もしい稲刈り機も道路ではなさけないほど、のろいんです
05 鮎落ちて・・・ほんとね、つぶやきがそのまま、句になってる
07 秋の蚊の・・・鬱陶しいけど、人間も蚊もなんか同じように侘しい。

【 中村ふみ 選 】
07秋の蚊の  秋の蚊を下五にもってきて、何がまつわり来たのかわからなくしてはどうでしょうか。あ、でも秋の蚊じゃあ、4文字かあ。いっそのこと、秋の蝿とかでは? 「納戸までまつわり来るや秋の蝿」それなら、秋の蝿をなくして、まったく何が来たのか不明にしたほうがいいかな。ううむ。やっぱり最初のままが一番か。
08茸山  単純に怖くて面白いのでとりました。日本昔話の世界ですね。狸のしわざみたい。
13秋灯下  悲しい句です。秋灯下だと、つきすぎな感もあるけど、秋のスリッパって本当にさびしいものですよね。

【 中村阿昼 選 】
○13 秋灯下  秋灯のさびしさが出ています。夜中にひとりだけで温泉に入るときのスリッパがこんな感じ。
○01 玉入れに  運動会ネタに天高しは付き過ぎかとも思いましたが、綱引きでもかけっこでもなくて玉入れなのが、素直に抜けるような青空と色とりどりの玉が見えてきました。
○03 稲刈機   農道かな。両者のスピード感の違いがほほえましく、さわやかな秋風も感じられるようです。
10 秋うらら  この句の光景もほほえましいですが、もう少し手品の様子がわかったほうがよいと思いました。

【 鋼つよし 選 】
○02 朝寒の・・・道端に積まれとして「みちば」と読むのは成立しないのでしょうか。
○10、○08 下五が「住職と」「矢印が」と「と」「が」止めなんだが、これもありかなあといただきました。
 13 佳句なんだが、秋灯下では以外性に乏しく良い季語があったらと思う。

【 小川春休 選 】
○13 秋灯下  とてもすっきりしていて良いです。「秋灯下」「スリッパ」「離ればなれ」と助詞などを入れずに構成されているところが良いのでしょうね。
○07 秋の蚊の  秋の蚊のたよりない感じ、伝わってきます。
○08 茸山  良い句だと思うのですが、「茸山」と「沼」と、二つ地理的な名詞を用いている点が少し気になりました。もっと「沼」が引き立つような季語があるかもしれません。
01 玉入れに  「天高し」、ツキスギというほどではないかもしれませんが、ちょっと飛躍に乏しい感じはします。
02 朝寒の  このままでも良いのですが、「朝寒や」と切った方が句が引き締まるように思います。
04 剪定の  言わんとしていることはわかります。わかるのですが、「白きは鳥の糞」では少し言い足りてない気もします。
10 秋うらら  常態の表現と動態の表現とでは、どちらかといえば動態の表現の方が読み手がイメージしやすいと思うのですが、「手品とくいな住職」と常態で表現するより、何らかの動作が伴う表現にした方が句が具体的になってくるのではないでしょうか。
11 草紅葉  「ロープの先は」の誤りでしょうか。


来月の投句は、?月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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