ハルヤスミ句会 第二十八回

2003年1月

《 句会報 》

01 あぶく生(あ)れ水輪流れて冬の川 光世

02 干布団叩くやかもめすぐ側に    むかご(阿・つ・光・春)

03 飼主の指す冬浪へまつしぐら    阿昼

04 雀らに冬草ところどころかな    春休(◎光・む)

05 大年の朝屋台の灯りけり      阿昼(つ)

06 教会の冬の欅を透かしあり     九鈴

07 初風の枝にゆらるる小鳥かな    つよし(春)

08 踏めば鳴る旧街道のしまり雪    春休(光)

09 雪放る日当たる方へまき散らす   つよし(九)

10 カクテルに酔うて真赤な初景色   光世(阿)

11 茹玉子に一面の罅冬の凪      むかご(九)

12 白息の中を唾飛び魚市場      春休

13 裸木に宿りの鴉集まり来      つよし(む)

14 インフルエンザ鋼鉄製の喉ほしき  九鈴(春)

15 玄関の前は港や宝船        むかご

16 鳥発つや冬の汀に石ひとつ     阿昼

17 波音のさうざうしきも初昔     光世

18 あたま無きたいやきが湯気もはもはと 春休(む・阿・九)

19 コンピュータ開けてうたたね春隣  九鈴(つ)



【 松尾むかご 選 】
○04 雀らに・・・ところどころの冬草にこぼれる様に雀が、降りては散って、見飽きないですね
○13 裸木に・・・木と鴉が一体化してすごみ、がでている、色彩的にもね
○18 あたま無き・・・まさにクローズアップですね、たいやきをひとくち頬張る、餡子が、タラ‐リ 湯気がホワー、の世界

【 中村阿昼 選 】
○02 干布団  よく晴れた海辺の景色で気持ちのよい句。かもめの糞がちょっと心配ですが。
○10 カクテルに  当世風初景色。でも真っ赤とはちと飲みすぎでは。
○18 あたま無き  ちょっと散文っぽいけどなかなかシュールな景ですね。
19 コンピュータ  暖房があったかくって?「うたたね春隣」は好きだけど、「コンピュータ開ける」っていうのかな。「パソコンを上げて」では面白くないし。。うーむ。

【 鋼つよし 選 】
○02 逃げないで、人間の営みに興味のない鴎と読みました。
○05 「朝の」と「の」を入れたい。二十歳のころ晦日は夜遅くまで仕事するのが当たり前だった。当たり前と思っている人と、こんな日までと灯を見つめる人とのずれかな。
○19 季語にうんと離れた季語をつけると名句になると思って戴きました。「春隣」ではまだ近いと思います。
 10 「酔うて真赤な」は時折見かけるのでもう少しひねられたらと思います。

【 戸田九鈴 選 】
09 ○雪放る・・・・雪放るをもう一度後ろで説明したのはおしい。ひとすくひ日当たりへ雪まき散らす・・・などとしたくなりました。
11 ○茹玉子に・・・・語順を変えると五七五ではまりそうです。 
18 ○あたま無き・・・・半分こにしたのですね。しっぽまであんこ入っているといいですね。
05 大年の・・・・年末最後、何の商売でしょう。中六が残念。
07 初風の・・・・穏やかなお正月らしい小鳥の景です。

【 坂本光世 選 】
★初参加です。面白い句がたくさんあった。3句選はキツイな。ふつうの句会だったらもっと採っちゃいそう。これからもぼちぼちよろしくお願いいたします。
◎04 雀らに…シンプルにして映像的。巧いな。言葉足らずでないところがいいよね。
○02 干布団…日常のスケッチ風で好感が持てます。ただ、上五の「干」は説明過剰な気がする。とりたいな。
○08 踏めば鳴る…端正な句という印象。「しまり雪」って表現はこなれてるのかな。そのへん無知ゆえにわかりません。ゴメンナサイ。
 07 初風の…とても感じのいい句なんだけど、「ゆらるる」がちょっとわかりにくい。「ゆらされる」という意味? 文法的にはOKでしょうか。
 11 茹玉子に…最後までいただくか否か迷った。上六がどうにも引っかかる。季語もこれでいいのかなあと思ったし。あえて語順を入れ替えれば〈冬凪や一面罅の茹玉子〉かなあ。
 14 インフルエンザ…ははは。実感ですよね。わかるわかる。次点です。
 18 あたま無き…見所が多いのかな。面白すぎて。「もはもは」のオノマトペはこの場合あまり効いていないような気もするし。もったいない。
 19 コンピュータ…下五が答えになっちゃってて惜しい。ノートパソコンだということは、わかる人にはわかるからOKだと思うけど。とてもいい気分の句。

【 小川春休 選 】
○02 干布団  私も似た句を作ったのですが、その句では「かもめ」ではなく「雀」でした。「かもめ」の方が海もほど近い、港町の生活みたいな雰囲気も伝わってきて、格段に良いです。
○07 初風の  何と言うことはないのですが…。この何でもなさが良いのでしょうね。
○14 インフルエンザ  これまたすっごい句ですねー。鉄人28号を想像しちゃいました。
01 あぶく生(あ)れ  「冬の川」ならでは、という句になっていないところが、ちょっと弱さになっている気がします。「冬の川」と言わなくても上五中七から「川」の描写であることは読み取れるので、下五はもっと離れた季語の方が良いかもしれません。
06 教会の  教会の欅とは、実際の樹? それともステンドグラス? 助詞「の」のつながり方が曖昧なのと、「冬」という季語が具体的でないので、ちょっと読み取りにくいです。   
09 雪放る  「放る」と「まき散らす」が意味的にだぶってるのがとても惜しいです。推敲してみてください。
11 茹玉子に一面の罅冬の凪  「冬凪や一面罅の茹玉子」などとしたら、きちっと五七五におさまりますが、いかがでしょうか?
15 玄関の  港と宝船がちょっと付いてるかなぁ、という気がしました。
16 鳥発つや  この句の何でもなさもなかなか良いですね。
17 波音の  中七から下五へのつながり方がちょっと窮屈な感じです。「波音のさうざうしさよ初昔」などとはっきり切ってしまった方がすっきりしそうです。
19 コンピュータ  上五中七、軽妙で面白いです。ただ、うたたねと春隣はツキスギでしょう。下五でもっと飛躍して、句のイメージを広げられたら、もっともっと良い句になるはず。


来月の投句は、2月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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