ハルヤスミ句会 第三十回
2003年3月
《 句会報 》
01 春寒をつぼみつくりて薔薇の木よ 春休(む) 02 雪の山木の芽の山や川流る 九鈴(む・つ・春) 03 畑打つや鍬先ふかく杉菜の根 つよし(春) 04 いたさうな氷霰がパンジーに 春休(つ) 05 咲きそうで咲かぬ蕾や余寒なほ つよし 06 春の日やひとりの声のするばかり 九鈴 07 蛇いでし穴へと流れ込む雨ぞ 春休(◎九・阿・つ) 08 青き踏み線路のへこみ目に入りぬ つよし(阿・春) 09 靴と靴打つて落とすや春の土 春休(む・阿・九) 10 花冷や立ち上がりたるコンピュータ 九鈴 |
【 松尾むかご 選 】 ○09: 靴と靴・・・しっかり、大地踏みしめて歩いたんですね、落ちてきた春の土、までもが、生き生きしてくる。 ○01:春寒の・・・枯れたかのような、薔薇の木に赤い、芽や、固い蕾が、しっかりとできていてビックリしますね ○02:雪の山・・・捉え方が、ざっくりと、してはいるのだが現実、遠くに雪山、近くに木の芽山そして、川は雪解け水で、濁りながら流れています。 (その他) 03:畑打つや・・・もっと,削れそう 08:青き踏み・・・へこんでいるのは、線路ですか? 枕木? 06:春の日や・・・ひとりの声ここが、わからんです 独り言なの? 【 中村阿昼 選 】 ○09 靴と靴 野遊びから帰ってでしょうか。雨上がりで少しぬかるんでいたのかも。 ○08 青き踏み 「目に入る」と言わなくてもいいかなと思ったけど、線路から春の野が続いているような田舎の駅が思い浮かびました。(不器男の故郷の松野町がこんな感じ) ○07 蛇いでし まだ寒いけどもう穴へは戻れません。 【 鋼つよし 選 】 ようやく暖かくなってきました。私の場合今年の句作はこれからというところです。 ○02 雪の山木の芽の山、この通りで好感がもてますが川流るが蛇足のようで上五中七だけで一句のほうが良いと思う。 ○04 下五がに止めだけどこのほうが痛そう。 ○07 蛇いでし・・・雨の流れ込むで良いのでは、押さえた表現の方が良い。 【 戸田九鈴 選 】 ◎07 蛇いでし たまった雨水はとぐろなんか巻かないだろうけれど、生々しい感じがします。 ○09 靴と靴 春夏秋冬、どれでもいいかもしれないけれど、おもしろいです。 01 春寒を けなげですね。 03 畑打つや 鍬が深いのか、杉菜の根が深いのか、前者なんでしょうね。 04 いたさうな 痛そうと言わずに、痛そうだなあ、と思わせる写生を。 05 咲きそうで 余寒じゃない方が絶対にいいと思う。 08 青き踏み 意味がよくわかりませんでした。線路端を歩いているのか。危険! 【 小川春休 選 】 ○02 雪の山 「月は東に日は西に」みたいに、スケールの大きい感じが良いですね。山頂の高さか日当たりの良し悪しか、もう芽吹きはじめた山と雪の溶け残る山とが同じに目に入ったのでしょう。ただ、下五がちょっと説明的な気もします。 ○03 畑打つや 「や」が利いてますね。手に杉菜の根の感触が伝わってくる感じです。 ○08 青き踏み 良いと思うのですが、「目に入りぬ」が蛇足ではないでしょうか? 「青き踏む線路のへこみ踏んでゆく」なんていかがでしょうか。 05 咲きそうで 上中は良いと思うのですが、下五が完全に説明になっちゃってます。余寒だからまだ咲かないんだな、という。もっと他の季語の方が良い句になりそう。 06 春の日や ぼんやりしてて中々良い句のような気もするけど、ちょっとぼんやりしすぎてるかな、という気もします。 10 花冷や 「立ち上がりたる」というのは、意味としては分かるのですが、具体的にはほとんど何も起こってないのに近いんですよね。「音が出た」とか「光った」とかの方が分かりやすいのではないでしょうか? |
来月の投句は、4月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら |
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