ハルヤスミ句会 第四十七回
2004年9月
《 句会報 》
01 睡蓮や雨に濁りし水の上 春休 02 宿題がいまだ山ほど休暇明け つばな(む) 03 こほろぎの塀に飛びつく鎌の音 つよし 04 兄は描き弟は走る花野かな どんぐり(山) 05 どこまでも垣根づたいに瓢蔓 つよし(ど) 06 抱え来て野菊の墓といたしけり まどひ(鋼) 07 草の穂や白の絵の具に蟻寄つて どんぐり(む・春) 08 秋の野に豚のサラダといふ花も むかご(ま) 09 水飲みてシャツを濡らしぬ運動会 春休(ま) 10 地下深くつながつていて毒茸 むかご(ま・ど・山・◎春) 11 虫すだく庚申さまのうしろから つばな 12 秋の声あちにもこちも木の倒れ むかご(鋼) 13 人形の菊に埋まれば恐ろしく まどひ(鋼) 14 草の葉の虫編みながら大花野 どんぐり 15 噴煙の灰降りかかる秋桜 つばな(ど) 16 稲雀見えなくなるや否や雨 春休 17 稲刈るやまず倒伏を起こさねば つよし(山・春) 18 柿つんでなにやらうれし店の人 まどひ(む) |
【 松尾むかご 選 】 02 宿題が 夏休みの宿題なんてもうずっと昔のことだけど 行き詰まった時こんな夢見ません?今でも、 07 草の穂や 特選句にしたい 黒と白のはっきりした色 背景は草の穂、しっかりした写生句で実感があるのにこの世ではない世界を感じる 18 柿つんで すばらしい観察 そうこの八百屋のおじさんは ピカピカに磨いた柿をきれいなピラミッドに積みあげるのは喜びなのですよね、おじさんの内面まで、感じられる 【 鋼つよし 選 】 ○06 抱えてくるのだから豪華で楽しい風景。 ○12 秋の声という難しい季語。句に色も感じさせないし、うまくいっている。 ○13 せっかくの人形、私にやらせたらこんな風に仕立ててしまうかも。 08 秋の野に、15噴煙の 良い句だが、報告文、散文的で、きっちりとした切れがあると良いのでは。 【 舟まどひ 選 】 08 秋の野に やはり興味を惹かれてしまいました。 09 水飲みて 1場面を切り取って、全体が見えてくる句だと思います。それもいかにも運動会らしいものでなく、水飲みという日常的なもので、運動会を表現したのが面白いと思いました。 10 地下深く 本当ですか?茸と茸って互いに根(?)みたいなものがあってつながっているんですか。茸狩りってしたことないのでわかりませんが、だとしたら不気味ですね。しかも深くだなんて。 【 渋川どんぐり 選 】 ○05 どこまでも 瓢箪って、この頃、見かけません。見てみたいな、どこまでも続く瓢箪の蔓。それも棚ではなく、垣根とは・・・。楽しい風景。 ○10 地下深く 茸って、菌糸でつながってるそうな。しかし、これが毒茸となると、揃って、何やら悪い事を企てているようで、コワイけど可笑しい。 ○15 噴煙の 秋桜は強い。枯れたかと思われた茎からするする伸びて花を咲かせたりする。噴煙や灰という言葉からも、その強さを想起しました。 この他に、とりたかった句 17 稲刈るや 台風の後など、刈るタイミングが遅れると、倒れた稲が水につかって、芽を出す事もあるらしい。起こさねばの五文字が力強い。 09 水飲みて 運動会って、転んで汚れたり、濡れたり、なんか、悲しかったことも多かったような気がして、懐かしいです。 【 山田つばな 選 】 ○04、明るい花野が懐かしい感じ ○10、深いなあ、、、 ○17、今年は雨がひどかったから 他に 1、きれい 3、秋の日差しを感じる 8、どんな花 【 小川春休 選 】 ◎10 地下深く 上五中七、抑制が効いた表現ですが、毒茸の生命力が感じられますね。 ○07 草の穂や 良い句だと思うのですが、中七下五だけでも一句になりそうです。「蟻」も季語ですしね。 ○17 稲刈るや 良い句だと思うのですが、「や」で切るべきかどうか…。「稲刈るにまづ倒伏を起こすなり」などの方が自然な気がします。 02 宿題が 「休暇明け」の説明になってしまっているようです。 04 兄は描き 二つの「は」は要らないでしょう。「あにえがきおとうとはしる」で良いと思います。なかなか良い雰囲気。 06 抱え来て 「抱え来て」だと時間の流れが出てしまい、冗長な感じがしました。どのように供えたか、その一瞬の景を描写した方が鮮明な句になるはずです。 08 秋の野に 中七下五はインパクトがあるのですが、いかにも季語が弱いです。 12 秋の声 「あちにもこちも」が上五と下五の両方に掛かるように読めるのが心もとない感じです。上五と下五を入れ替えた方がすんなり読めそうです。 13 人形の 「恐ろしく」を言わずに、恐ろしさを出せたらよいのですが…。 |
来月の投句は、10月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら |
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