ハルヤスミ句会 第五十二回
2005年2月
《 句会報 》
01 湯疲れにまた凍星の大きこと まどひ 02 産まれさうなれば急いで梅の坂 春休 03 婆ちゃんに寒いといえば飯食えと どんぐり(阿・◎春) 04 いままでを蒲団ならべて語りけり まどひ(ど・春) 05 陣痛が始まればもう寒さなど 春休(つ・ま) 06 干し物の乾きいまいち魚は氷に つよし 07 本音などいうたらあかん冬座敷 まどひ(つ) 08 産まれるを待つ着膨れてうろたへて 春休(阿) 09 料峭やさうらふ文を暗誦す つよし(ど・春) 10 手も顔もふやけて雪に産まれし子 春休(ま・ど・阿) 11 探梅や父さんの背にうとうとと どんぐり(つ) 12 飯食へば帰り支度や春の雪 つよし(ま) 13 参道を並んで下りぬ春の水 どんぐり |
【 鋼つよし 選 】 ○05 陣痛が 出産にまつわる句の中では、一番。臨場感があり秀逸。 ○07 本音など 俳句らしからぬところが良い。 ○11 探梅や 探梅とのとりあわせが意外性があって良い。 【 舟まどひ 選 】 ○05 陣痛が始まればもう寒さなど ○10 手も顔もふやけて雪に産まれし子 ○12 飯食へば帰り支度や春の雪 【 渋川どんぐり 選 】 ○04 いままでを 寒い夜、ぽつぽつと話してるうち、蒲団もあったまってくるでしょう。 ○09 料峭や この頃、ものが覚えられない。ちょっと冷たい風は、こういうときに良いかも。さうらふという字面は春を感じさせますね。 ○10 手も顔も 空から雪。腕には愛の結晶。いいなあ。おめでとうございます。 このほかに面白かった句 01湯疲れに あー、湯疲れしたい・・・。と、思いました。 07本音など そりゃ、そうですねえ。障子きっちり、防寒対策万全の座敷。寒いのはいけません。 【 中村阿昼 選 】 ○10 手も顔も 「ふやけて」がいかにも産まれ立てという感じでリアル。まっしろな雪が赤子を包みこむように降って、祝福するかのようですね。 ○03 婆ちゃんに 飯は雑炊か昨日の鍋の残りか。北国の冬という感じです。 ○08 産まれるを 着膨れのコートのボタンは掛け違っていそう。うろたえ加減がもっとリアルに出てるとさらによいと思う。 02 産まれさう この梅は白梅のような気がする。 「急いで」はいわずもがなかもしれないが、忘れられない日の一コマですね。 13 参道を 参道沿いに小さな川でも流れているのでしょうか。春の日を受けた水のきらめき、木漏れ日の石段など想像できます。 【 小川春休 選 】 ◎03 婆ちゃんに ちょっと散文的ではありますが、それを気にさせない力強さがある。婆ちゃんが出してくれたのは、具だくさんの味噌汁だったろうか。 ○04 いままでを 「蒲団」が活きてますね。夫婦・友人・親子、いろんなシチュエーションが頭に浮かんできます。 ○09 料峭や 「料峭」といういささか時代がかった季語のイメージを逆手に取った、面白い句だと思いました。 01 湯疲れに なかなか良い雰囲気なのですが、「また」が曖昧な感じです。「湯疲れに出でし凍星大いなる」などではいかが?(「出でし」が少々蛇足という気もしますが) 07 本音など 「冬座敷」だと、何だか辛さが身にしみますねー。「春の雪」とかだったら、もうちょっとの辛抱、という感じですが…。 12 飯食へば ぶっきらぼうな上五中七ですが、「春の雪」という季語のおかげで何だかちょっとせつない雰囲気を醸し出してます。 13 参道を この句も「春の水」なればこそ、上五中七にほんのりとしたぬくもりが感じられて、良い感じです。 |
来月の投句は、3月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら |
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