ハルヤスミ句会 第五十五回

2005年5月

《 句会報 》

01 高音はる鶯ケキョのしりつぼみ   佐津子(由・春)

02 花大根ぽつぽつ摘んで左手に    つよし

03 逝く人の行列けふは花御堂     佐津子

04 春愁がねぢりこんにやくねぢりをり 春休(ま・ど)

05 区切られし菜園ごとの葱坊主    つよし

06 菖蒲湯やまづは手首で湯かげんを  佐津子

07 菖蒲湯に入るや赤子の耳押さへ   春休(佐・山)

08 うたたねのつづきか母の日もひとり つばな

09 おさな児の畦の近道きんぽうげ   由宇

10 刃物屋も日除伸ばすや紺屋町    まどひ(鋼・ど)

11 刈つとくれ明日は祭のこの頭    春休(ま)

12 腰掛けて涼しき人となりにけり   まどひ(由・春)

13 鼻に抜け祭の寿司の山葵かな    春休

14 参拝を忘れて出づる牡丹寺     由宇(山)

15 夜釣火や波打際へひとすじに    どんぐり

16 頂上の厠使へず桐の花       つよし

17 てつぺんにねじり上げたる祭髪   まどひ(佐・鋼・山)

18 林立のビルのガラス絵若葉かな   由宇

19 アカシアの花たふたふとふりかかる つばな(佐・鋼・ど・春)

20 舟虫の背なに残され夜光虫     どんぐり(ま)

21 出目金のほうけて空へのびあがる  つばな(由)

22 桟橋に網ながながと五月闇     どんぐり



【 梅原佐津子 選 】
○07 菖蒲湯に  その昔、私もしっかりこの様な事をしました。何時の時代も古き良き習わしを残しておきたいものです。
○17 てっぺんに  祭りの心地よさはなんと言っても気合の入ったねじり髪、しかも頭のてっぺんまでも祭り気分*
○19 アカシアの  花の咲いている景をたふたふとふりかかると詠れ、勉強に成りました。

【 金子由宇 選 】
○01 高音はる  鶯にも鳴き方の上手下手があり、こんな鶯確かにいます。若い鶯かも。
○12 腰掛けて  やれやれ極楽、極楽なり。
○21 出目金の  出目金の滑稽さを「ほうけて」に感じます。小さきものが宇宙に広がる雰囲気があっていいですね。
選びたい句が多くて困りました。
07 菖蒲湯に  これもほほえましい情景が目に浮かびます。

【 鋼つよし 選 】
○10 刃物屋も  刃物屋と紺屋町の組み合せに風情がある。「も」にせず「の」にしたほうが「刃物屋」が立つと思う。
○17 てつぺんに  類句もあるような気もするが、髪に目をつけたところ戴いた。てつぺんには要らないのでは。
○19 アカシアの  晴れた午後を思わせる、よい句と思う。切れがないように思うので、「花やたふたふ」にして「と」を取り「や」を挿入してとも思う。

【 舟まどひ 選 】
○04 春愁が  贅沢病とも奥様病とも言われる春愁をこんにゃくと取り合わせるとは。でも春愁がぴったりはまっています。これは「ねじり」がミソですね。
○11 刈つとくれ  床屋の景なのに、角刈り達が神輿を担いでいる様子、そこから祭り全体が見えてくるという面白い句です。それは、この勢いのある言い回しなればこそです。
○20 舟虫の  自分がみたことのないものには惹かれてしまいます。「残され」というのがせつない。

【 渋川どんぐり 選 】
○04 春愁が  春愁をどうやりすごすか?そうか、ねじるという手がありましたか。哀しいようで、おかしいようで。
○10 刃物屋も 歴史のあるお店が並んでいるんでしょうね。刃物屋の店先に並んでいる物の光具合を想像しました。
○19 アカシアの それはそれは大きな木。たくさんの花。たふたふが素敵。
この他にも面白い句がたくさんあって困りましたけど・・・。
12 腰掛けて 思いっきり遊んだ後、夕方の縁側に座って、足をぷらぷらさせていた。何故か、子どもの頃を思い出しました。
14 参拝を 私もそうです。秋になると、神社で銀杏を山ほど拾って、お参りを忘れて帰ります。あー、ちょっと、違うか?

【 山田つばな 選 】
○07 菖蒲湯に  笑い声、お湯の音が聞こえてくるようです。
○14 参拝を  こういうことってありますよね。楽しいです。
○17 てつぺんに  威勢の良い女性が見えるようです。祭りのざわめきを感じます。
 他に好きな句、2 花大根、12 腰掛けて、13 鼻に抜け、22 桟橋に です。

【 小川春休 選 】
○01 高音はる  「しりつぼみ」の発見が面白い。それだけに、上五が言わずもがなの蛇足のよう○12 腰掛けて  「腰掛けて」の一語で、この人がそれまで忙しく立ち働いていたのかな、というところまで想像が広がります。単純な語り口にして味わいのある句。
な気がします。もっと良くなる句と思いますので、推敲してみて下さい。
○19 アカシアの  ゆったりたっぷりとした句。「たふたふと」が良いですね〜。
06 菖蒲湯や  「や」の切り方が今ひとつ効果的でないようです。どこで切るか、句の中のどこを強調し、どこにピントを合わせるか、悩みどころではありますが、楽しい悩みでもあります。
10 刃物屋も  「紺屋町」「刃物屋」、そして「も」の置き方によって、街並みが見えてくる。奥行きのある句。今回のまどひさんの句、3句とも良かったです。3句選でなければもっと○付けたんですが…。
14 参拝を  とぼけた味わいの句ですが、中七「忘れ出づるや」とするとさらに軽妙な感じになるかと思います。
16 頂上の  これも採りたかった句です。つよしさんの句のにじみ出るようなユーモア、良いですね。爽波の「立派なる厠を持てる梅林よ」に通じる、飄逸な味わいの句。
17 てつぺんに  勢いのある佳句と思います。
20 舟虫の  親亀の上に子亀、ではないですが、ありそうでなかった組み合わせではないでしょうか。実際に見に行かないとできない句ですね。
21 出目金の  不思議な魅力のある句ですが、「空へのびあがる」がちょっとよく分かりませんでした(そこが魅力にもなっているのですが)。ぜひ作者に聞いてみたいところです。


来月の投句は、6月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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