ハルヤスミ句会 第七十五回

2007年1月

《 句会報 》

01 龍宮のやうな宮まで霜踏んで   どんぐり(あ)

02 枯園にフラワーシャワー浴ぶ二人 まどひ

03 母の忌は冬日のささぬ日なりけり つばな(由)

04 高層の宴を降りて小夜時雨    由宇(ど・春)

05 綿の上聖樹の緑こぼれけり    どんぐり

06 初春や源氏絵展に語りかけ    あたみ

07 起きてるか寝てるか寒の釣人よ  春休

08 北吹くや四合瓶に杜氏の名    どんぐり

09 初舞や孫を嫁がすその翁     まどひ(あ・春)

10 一人分用意し忘れお年玉     つばな

11 あかあかと万両の実や葉隠れて  由宇

12 早朝やなじみの鍋釜年明くる   あたみ(ど)

13 おみくじの吉を結べば冬の梅   由宇

14 ふんはりと土に降りたる初雀   つばな(由・春)

15 貝拾ひをれば寒さのゆるぶかな  春休(ま)

16 花嫁の支度調ひ初松籟      まどひ(由)

17 手ふるへるほどの大椀薩摩汁   春休(あ・ど・ま)

18 お煮しめに柚子の香りをふんわりと あたみ

19 お好み焼汗かき食へば冬尽きん  春休(ま)



【 金子由宇 選 】
○03 母の忌は  深い寂寥感。そっくり私自身の感慨でもありました。
○14 ふんはりと  ふんはりとに静かでゆったりとした初春を感じます。
○16 花嫁の  気持ちも空気も引き締まって、そんな中にもめでたく嬉しい気持ちが伝わります。

【 梅原あたみ 選 】
○01 龍宮の  美しい宮、其処は何処でしょう*寒さもいとわず、ただひたすらにこの美しい、夢の様な宮にたどり着きたい、たどり着いたのです。ああやっぱり来て良かった。私もこの様な場面に何度も出会います。
○09 初舞や  大切な時間の一時新年よりとてもお目出度い初舞の様子がうかがえました。お孫様のお幸せを心よりお祝い申し上げます。
○17 手ふるへる  ゆうもあの有る句で、楽しい場面です。薩摩汁なるものに大満足の様子も解る様な気がします。

【 渋川どんぐり 選 】
〇04 高層の  目映い大都会の夜景に、時雨・・・。どうか、お幸せに・・・と、しみじみ。
〇12 早朝や  なじみの鍋釜と新年を迎えられることの喜ばしさ。今年も無事、一日一日が過ぎますように。
〇17 手ふるへる  やはり、おめでたい席なのでしょうか。薩摩の郷土料理。寒さを吹き飛ばすような豪快さですね
このほかにも、とりたかった句がたくさんありました。
02 枯園に  うらやましいこっちゃ。フラワーシャワーのお裾分けをぜひ。当方、枯れっぱなし。いえ、枯れも良きものではあるけれど。
13 おみくじの  早咲きの梅は、幸運の象徴のようです。
19 お好み焼  いろんな冬の送り方があるでしょうが、お好み焼きですか。いいですね。私も此度は、そうしようーっと。

【 舟まどひ 選 】
○15 貝拾ひ  初春の浜辺の雰囲気がよく出ています。新年の季を使わず、お正月気分を出すというのもなかなかです。
○17 手ふるへる  なんといっても薩摩汁がきまっています。具がたっぷり入った熱々で豪快な汁です。
○19 お好み焼  「食えば冬尽きん」に惹かれました。でもお好み焼きが最上かどうか。何かもう少しいいものがありそうです。

【 小川春休 選 】
○04 高層の  都会的な景を上手く詠み込んでいます。ただ気になる点が一つ。「降り」は「おり」なのか「ふり」なのか。私は「おり」で読み、「高層ビルでの宴から降りてきてみれば、外は小夜時雨であった」と解しました。もし「ふり」だったら、「時雨」で「ふり」は当たり前なので一気につまらなくなります。そう思うと、「降り」以外の言葉を使った方が誤解を招きにくくて良いかもしれません。
○09 初舞や  孫を嫁がすような齢で、まだまだ立派に舞えるとは。何ともめでたいではないですか。素直に祝福したい気持ちにさせる句。
○14 ふんはりと  「初雀」ならでは、という感じですね。古き良き日本の正月、とでも言うべきか。
01 龍宮の  幻想的な中にも「霜」が効いている句だが、切れがないため句がふわーっとした感じになっています。
03 母の忌は  「冬日」自体、それほど明るいイメージではなく、どこか陰影を感じさせる季語ですが、それすらも「ささぬ日」とは…。せつないですね。
06 初春や  「に」のかかり方が微妙で、ちょっと読みに迷います。「源氏絵展にて(誰かに)語りかけた」と読むべきか「源氏絵展の絵に向かって語りかけた」と読むべきか…。もっと景が見えるように作ってほしいところ。
08 北吹くや  上手い句。きれいにまとまってはいるが、その分パワー不足のように感じました。
11 あかあかと  しっかり出来ていますが、すでに誰かが作っているかも、という気のする句です。同じ題材で、何句も何句も作ってそこを乗り越えたいですね。
12 早朝や  上五が「早朝や」ではじまり、下五がまた「年明くる」だと、どちらも同じような雰囲気になっていて、くどい感じです。「なじみの鍋釜」の生活感と新年のめでたさとのマッチングは良いだけに、もったいないです。ぜひ中八も解消して、すっきりとした句に仕立ててください。
18 お煮しめに  素直な良い句。日々の生活の中で、こういう句をたくさん作っていきたいものです。

来月の投句は、2月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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