ハルヤスミ句会 第八十八回

2008年2月

《 句会報 》

01 車窓よりおたぬき様の寒榎    阿昼

02 節分の小鬼転んでしまひたる   つばな(ど・あ・ま)

03 大粒の雨がななめに春立ちぬ   つよし(◎阿)

04 春寒の人新聞に舌打ちす     春休(山)

05 北風の積みし砂より芽ぐみかな  どんぐり(春)

06 紅梅の低し白梅やや高し     まどひ(阿)

07 蹴りし缶さほどは飛ばず草萌ゆる 春休(ど・山)

08 いぬふぐり全てに感謝出来るやう つばな(ま・春)

09 建国記念日またハンカチを忘れたる 阿昼

10 梅東風のここまで神田秋葉原   まどひ(あ)

11 春泥にまみれてちらしらしきもの 春休(ま)

12 恋猫に水疱瘡の子が怒る     阿昼(鋼・ど・春)

13 金の眼も紅の頭も鳥雲に     どんぐり

14 ひとひらはゆうるりと落つ春の雪 つばな(鋼・あ)

15 方丈に珈琲点てて法然記     どんぐり

16 龍の玉ころげ散らばる石のきは  つよし(山)

17 春雷やずらりと医者の看板が   春休

18 三匹の犬を引き立て寒椿     つよし

19 朧夜の試食のチョコはいくらでも まどひ(鋼)

20 雛飾りマンション住まいやケース入り あたみ

21 梅祭り甘酒に酔ひ花に酔ひ    あたみ

22 検診の異状なしとて冴返る    あたみ(阿)



【 鋼つよし 選 】
○12 恋猫に  水疱瘡に罹った子供の顔と恋猫の動きの想像が面白い。
○14 ひとひらは  春の雪とはそういうものとはいえ、中でもひとひらに惹かれたのだろう。
○19 朧夜の  即興的に出来たような句で、おかしみがある。

【 渋川どんぐり 選 】
○02 節分の  小鬼が転んだ一瞬の句から、その前後の光景もありあり、浮かびますね。   
○07 蹴りし缶  思いっきり遠くへ飛ばしてやるはずだったのに・・・。見下ろした我が足元には、草萌。まあ、いいかあ。 
○12 恋猫に  熱は出るし、しんどいし。恋と水疱瘡は、似てるでしょうか?どちらも、お大事に。     
この他にも、とりたい句がたくさんありました。
 08 いぬふぐり  全てに感謝出来るやう。ほんとうに。そう思います。句に似合う花は、やはり、薔薇より、いぬふぐりかと。
 18 三匹の  三匹の犬を引き立て!なんて、凛々しいお姿。寒椿と同様、ですね。     
 22 検診の  結果を待つ間、春めいてはいたけれど。その間の心持ちが思われる句です。    

【 梅原あたみ 選 】
○02 節分の  なごやかな家庭の雰囲気にいろいろな場面を思い浮かべつつ、我が身にも、その昔を思い出させられました。
○10 梅東風の  
○14 ひとひらは  春の雪はゆうるりと:の言葉使いに春を感じます。

【 中村阿昼 選 】
◎03 大粒の  まだ冷たい立春の驟雨を的確に詠んでいる。
○06 紅梅の  紅梅が咲くと、白梅も気になります。白梅と紅梅が逆じゃないところがミソですね。
○22 検診の  ほっとしたとたんに、寒さが身にしみる。
他に好きな句
 02 節分の  可愛い。幼稚園の節分の会?

【 山田つばな 選 】

○04 春寒の  面白いです。
○07 蹴りし缶  風や草を感じました。
○16 龍の玉  目に浮かぶようです。
他に好きな句、
 11 春泥にまみれてちらしらしきもの 
 12 恋猫に水疱瘡の子が怒る     
 17 春雷やずらりと医者の看板が   
以上です。いつもお世話になります。ありがとうございます。

【 舟まどひ 選 】
○02 節分の  よちよち歩きで豆まきをしているスターに焦点をあて、シンプルで情景がよく見える句。そこにいる人々の笑い声まで聞こえてきます。 
○08 いぬふぐり  こう言われてみると確かにいぬふぐりを見ていると、ぱーっと幸福感に満たされていくような感じがしますね。幸せ気分を感謝とは・・いいですねー。
○11 春泥に  う、うまいっ!らしきだから少し遠くから見ている。つまりその春泥はけっこう広い。うねりや水分といったどろどろ感がとてもよくでている。

【 小川春休 選 】
○05 北風の  素朴な句ですが、愛情を持ってしっかり観察しているのが伝わってきて、好感を持ちました。
○08 いぬふぐり  いぬふぐりだからこそ、謙虚さが嫌味なく率直に受け取れます。「誰(何)に対しても優しくありたい」と思うときって、ありますよね。小さな命の必死さに触れたときなど。
○12 恋猫に  ちょっと散文的なところが気になりますが、面白い句。最後を「怒り」と流した方が据わりが良いかも。
 01 車窓より  「おたぬき様の寒榎」には心引かれるのですが、この場合、「車窓より」が効いているかというと効いていないように思います。
 02 節分の  「小鬼」というと、おじゃる丸に出てくる鬼、ではなくて、子供が鬼の面をかぶってるんでしょうね。前が良く見えなくて転んじゃったのでしょうか?
 03 大粒の  この時期の雨は、大体しとしとと降るものですが、今年はちょっと様子が違いましたね。
 09 建国記念日  ちょっとよく分からない句。でも何だか気になる句でもある。作者に意図を聞いてみたい気もする。
 10 梅東風の  東京の地理に疎いので、「ここまで」が今ひとつ読み切れませんでした。申し訳ない。
 14 ひとひらは  春の雪で「ひとひら」「ゆうるり」はもうすでにある句だと思います。もう一歩二歩、踏み込んでもらいたい。
 16 龍の玉  石で区切った花壇か何かに龍の髭が生えていて、龍の玉がころころと転げ落ちた、という景かな。しっかり書かれていると思います。
 19 朧夜の  チョコの試食というと、私がイメージするのはデパート等の空の見えない室内。なので、朧夜という季語がしっくりきません。実際には、夜空が見えてチョコの試食もあって、という場所があるのかもしれませんが・・・。
 20 雛飾り  雛がケースに入っているという所を掘り下げれば、面白い句になるかもしれません。「マンション住まい」だから「ケース」に入っている、というのでは、ちょっと
 22 検診の  「検診の異常なし」という良いニュースと「冴返る」のイメージが合っていないように思います。もっとすっとぼけたような季語を持ってきた方が、異常なしでほっとした感じがでるのではないでしょうか? たとえば「検診の異常なしとて雛祭」とか。

来月の投句は、3月15日までに、3句お送り下さい・・・・・・投句はこちら

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