8月28日
8時待ち合わせの予定より10分遅れで広島駅に到着し、待っていたI君に謝りながら急いで北口を出発、8時50分小谷SAでK君を拾って一路南アルプスへ。これからしばらくは仕事も忘れ登山三昧にと胸が高鳴る。途中岡山を過ぎる頃から激しい雨となり京都付近まで続く。関が原のあたりで携帯が鳴る。今回初参加のT君から。Y君夫妻とT君は10時頃東京を出発、早くも宿泊地の近くに来ているとの事、すばらしい天気らしい。小牧を過ぎ、中央自動車道に入り、恵那山を過ぎると南アルプスの懐かしい景色が見えてくる。飯田を過ぎ、松川ICで自動車道を降りる。インターを降りた近くの道沿いにりんご農家が店を出している。その一軒に立ち寄り山の昼食用にりんごを買う。人の良いおばあさんが広島から来たということで大サービスで大きな梨を2つくれる。ぜひ帰りによんなせえ、はい、それじゃあということで、目的地の塩川へ。深い谷沿いの国道を奥に走り午後6時前に山塩館に到着。先に到着の東京組みは付近の博物館などの観光も済ませ、温泉にも入り結構出来上がっている。我々も温泉に入り早速夕食の宴会。一年ぶりの再開、まずは元気で何より。すっかり酔っ払って部屋に帰ると直ぐ寝入ってしまった。
8月29日
8時の朝食をすませ出発。鳥川林道を登り、途中素晴らしい展望台でしばし休憩、中央アルプスから遠く北アルプス、立山まで展望できる。林道の駐車場まで登り車を置いて10時頃いよいよ出発。しばらく林道を歩き登山道入り口(1300米)から上りにかかる。K君と私が先に、I君、T君、Y君夫妻はゆっくりと。針葉樹の林の急なのぼりのあと、緩やかな登りがひたすら続く。息も絶え絶え、日ごろの不摂生を反省してもどうにもならない。木のはしごを何度か渡り、植生がだんだんシラビソなどに変わり始めたころ視界が開け、仙丈ケ岳、間ノ岳が突然眼に入ってくる。りんごとパンの昼食を取りさらに登り。ムー、もう勘弁と思った頃漸く三伏峠小屋(2600米)が突然現れる。13時到着。三伏峠は日本一高いところにある峠。一休み後、近くの烏帽子岳に向かう。トリカブト、マツムシソウなどが咲き誇るお花畑を経て、約一時間で頂上に到着。明日登る塩見岳や蝙蝠岳が真正面に見える。蝙蝠岳はその名の通りコウモリが羽根を広げたような形の美しい山だ。戻る途中、K君と水場の冷たい水で体を拭く。今日明日と風呂がない。疲れた体に冷たい水が気持ち良い。小屋に帰ると後続組みも到着していた。16時30分から夕食、しっかり持参したスコッチの水割りで早々に出来上がり、19時過ぎころ寝入ってしまった。
8月30日
4時半朝食の知らせで起床。5時半出発。今日はいよいよ頂上を目指す。天気は快晴。今日もK君と先に行く。途中本谷山山頂を経由、塩見岳が近づく。道の左右にはシナノキンバイ、ハクサンキキョウ?が可憐な姿を見せる。8時ころ塩見小屋に到着。荷物を置いて軽装にし、山頂を目指す。あたりはすっかり這松の植生に変わり、だんだん急斜面の岩山となる。息を切らせながら10時、山頂に到着(3054米)。360度の素晴らしい視界。近くは農鳥岳、間ノ岳、北岳、甲斐駒、仙丈、西に立山、槍、乗鞍、更に木曽駒、空木岳などの中央アルプス、南に悪沢岳、赤石岳などが続く。そして東にどっしりと富士山。空は深い青。素晴らしい景色である。しばし休憩の後、蝙蝠岳を目指すが、やせ尾根や疲労で不安になり途中引き返し、再び山頂へ。りんごとパンの昼食を取ったころ、後続の3人が到着、めでたく全員で山頂の記念写真が取れた。シャッターを切ってくれたのは73歳の品のよさそうな老人、春ヒマラヤに20日あまり行っていたとのこと、日本の3000メートル級はこれで全部登ったそうだ。我々の20年後はどうしているのだろうか。下山にかかる。とにかく暑い。UVカットを忘れたので顔や手か真っ赤になる。2時ころ塩見小屋にもどる。少ない水をタオルに浸し、体を拭く。水は一本100円也の有料。塩見小屋は30人収容の小さな小屋でトイレも簡易トイレとなっている。病人用のトイレに一枚200円の袋を買ってセットし用を足すのである。これが意外と快適でなかなかのスグレモノ、通常の山小屋の鼻を歪めるトイレに比べるとはるかにマシであった。600円の缶ビールとスコッチで時間をすごし、4時半に夕食、後は日暮れを待ち寝るだけ。スコッチも完飲。
8月31日
4時半起床、朝食。5時19分、ご来光を仰ぐ。今日も快晴。今日はゆっくり下山するだけ。三伏峠小屋までは全員で下山、早い昼食のあと、I君、K君と3人で下山。だんだんと塩見岳が遠くなる。13時ころ、林道入り口に到着。とにかく暑く首がチリチリする。やっとの思いで車に、冷房がうれしい。明日の朝が早いため土産は今日中に準備しなくてはならない。土産は全員一致でりんごに決め、わざわざ、あのりんご農家に向かう。期待して行ったらシャッターが閉まって今日はお休み。呼び鈴をしつこく押すと、しばらくして感じのよい若い嫁さんが出てきた。わけを話すと、早速椅子を用意してくれ、りんごと梨でかいがいしく接待してくれた。そのうち、あのおばあさんも出てきて、まだいなさったんかということで、またまたサービスをしてもらった。わざわざ寄った甲斐があった。またまた引き返し、最後の宿赤石荘へ。露天風呂の温泉に入り豪華な食事で最後の夜は大いに盛り上がり、また来年の再開を約した。
9月1日
3時起床し、帰途に就く。今回の山行きは天気に恵まれ楽しかった。途中、渋滞も無く三木SAで朝食休憩の後、昼前に無事到着した。岡山の辺りで行きと同様、豪雨に見舞われた。車を提供してくれたI君は西条でK君を送り、わざわざ大野まで私を送ってくれた。友人はありがたい。