「絵画・音楽・人々の暖かさに感動」
「ハイチに行ってみたい。」と思ったのが4年ほど前のこと。この夏やっと念願かなってハイチへ行ってきました。正直言って、遠かったです。でも、近い将来また行きたい、と思っています。
私の想像していたハイチと実際のハイチは、ずいぶん違っていました街中に音楽や太鼓の音が溢れ、街の人たちは踊りながら歩いていて・・・そんなイメージを描いていましたが、首都のポルトープランスは人と物に溢れ、音楽も太鼓の音も聞こえませんでした。この風景は15〜6年前に訪れたケニアの首都ナイロビに似ていました。ケニアだからと言って、街をマサイ族の人たちが民族衣装で歩いているわけではないのと同じです。ただハイチの都会の風景で印象的だったのは、街のいたるところで絵が売られていることでした。そしてもうひとつ印象的だったのは、ハイチの女性たちが思い思いのファッションで、とても誇り高く歩いている姿でした。
ハイチの人たちに誇り高さとパワーを感じる理由のひとつには、ハイチ共和国が、2004年に独立200周年を迎える、世界初の黒人の独立国家であることが挙げられると思います。国立博物館を案内してくれた中学生のアレンは、熱心にハイチの歴史を説明してくれました。彼の英語を全部理解できない私は、ありったけのハイチ知識を総動員して、彼の解説を聞きました。
ただ、今のハイチは世界最貧国のひとつであり、治安も不安定な状況であるので、アメリカで会ったハイチ人の中には当然、今のハイチを悪く言う人もいますし、「なんでハイチになんかに行くのかしら?」といった感じの反応をする人もいました。ハイチの滞在先のホテルでも、「観光で来ました。」という私の返事に「???」の反応をする外国人もいました。確かに、ハイチではハゲ山があちこちに見られ、舗装された道路も穴ぼこだらけで、私たち日本人のイメージする「リゾート」とは違っていました。でも、ハイチにはきれいなカリブの海があり、壊されていない自然があり、他の国には見られない絵画、音楽、そしてもちろん、人々の暖かさがありました。
いま私たちは、10月末に行うハイチ人パーカッショニストによるワークショップと、ペチオンビル市へ2台のごみ収集車と二輪車24台を贈るプロジェクトの大詰め段階に入っています。方やニューヨーク、方や通信事情のよくないハイチ、と、やりとりにはなかなか時間がかかりますが、皆、実現へ向けて日々動いています。
今までハイチから音楽や絵やパワーをもらってきましたが、これからはそれに加えて、こちらからハイチへ出来ることを見つけてやって行こうと思います。そういう意味で、これからがとても楽しみです。
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