News LetterNo.6
2003年10月25日発行

目次

NPO主体でバイオマス利活用を促進
バイオマスNPO提携
NPO主体のバイオマス利活用推進計画
ドイツ・環境スタディーツアー報告書
バイオマスの問い合わせ相次ぐ
2003年8月12日 毎日新聞社掲載記事 ハイチの窮状を知って
ハイチ・プロジェクト報告
広がる「文房具を贈ろう」の輪
秋葉広島市長提唱の「広島・長崎講座」ベルリン工科大学で開設

NPO主体でバイオマス利活用を促進
広島県内での普及に向けネットワーク化を図る
 目に見えて進む地球温暖化。「異常気象」という形で実感できるまでに深刻化しています。近年猛烈に発達する台風やハリケーンも、その表れだといえます。その温暖化対策として、1997年京都議定書が締結されました。しかし、二酸化炭素など温暖化を促進する物質は増え続け、日本では6%削減の目標を達成することが極めて厳しい状況となっています。
 その地球温暖化を促進する化石燃料の代替エネルギーとして、“バイオマス”が注目を集めています。環境負荷が少ないだけでなく、ゴミとして処理していたものを資源として有効利用でるすし、森林資源の活用で、林業の再生や新たな雇用が生み出されると、大きな期待が寄せられています。すでに環境先進国では、バイオマスなど自然エネルギーを積極的に活用し、雇用を拡大しながら二酸化炭素などを着実に削減しています。
 私たちは、「ドイツ・環境スタディーツアー」で、そのことをしっかりと学んできました。
 日本においても、バイオマスを新エネルギーとして法律で唖置づけ、また、経済産業省や農林水産省など5省合同で「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定しました。バイオマス活用促進の基盤ができつつあるといえます。しかし、取り組みがあまり進んでいないのが現実です。
 そこで、バイオマスの魅力にひかれ、その有用性に期待を寄せるNPOが中心となり、普及啓発、調査研究、実施へと進めていく、バイオマス利活用の大きなうねりを作っていきたいと考えています。私たちの住む広島県内において、木質バイオマスやメタン醗酵によるバイオガスの利活用を具体的に進めていきたいと考えています。そして、この大きな事業は、産学民官の協働により進めることで、より大きな力を発揮できるものと考えています。
 そこで、その第一歩としての初会合(準備会)を企画しました。多くの地域、多くのセクターからの参加を期待しています。楽しく、真剣に、そして精力的に、バイオマス利活用を進めていく企画を共同して立てていきましょう。
 
   趣 旨
 環境負荷の少ない、魅力ある代替エネルギーとしてのバイオマス活用について、広く県民への普及啓発を図るとともに、実施に向けバイオマス利用の動きを促進する。具体的には、ペレット・ストーブ等の普及やバイオガス・プラント建設等で利用促進を図ることで、バイオマス利活用の有用性や魅力を実感できるものとする。

呼びかけ人
早田保義(森のバイオマス研究会)、中村隆行(ひろしまNPOセンター)、村田民雄(e&g研究所)

バイオマスNPO提携
NPO主体のバイオマス利活用推進計画
 A. バイオマスに関する学習会や講座の開催(普及啓発
  @バイオマスへの関心を呼び起こすとともに、バイオマス普及を担う人材を育成することを目的に、バイオマスについての学習会や講座会、展示会などを開催する。
  A学習会などを開催する過程で、調査・研究機関の立ち上げについての議論を深め、同研究機関を立ち上げる。
  B当初から、研究者、国(中国経済産業局、中国四国農政局など)、広島県、県内市町村、企業(特に、地場産業やベンチャー企業)などとの協力関係をつくっていく。
 B. 事業実施に向けての調査・研究
  バイオマス、バイオガス利活用の基礎研究と、プラント建設の可能性などの事業実施を進めていくための調査・研究を行う。
  ※先進国情報の収集については、すでに先進国・ドイツの研究機関、NGO、企業(地場産業やベンチャー企業)との関係ができているため、ヨーロッパの最新情報の収集が可能。
 C. 実施機関の立ち上げと推進
  Bでの調査・研究をもとに、利活用の具体化を図っていく機関を立ち上げる。その機関を実施母体として、広島県内での木質バイオマスやバイオガスの利活用を進めていく。

 
ドイツ・環境スタディーツアー報告書
“バイオマス活用の参考になる”と好評
 自然エネルギー導入が急速に進んでいるドイツで学んだものを、早く多くの人に伝えたい。そんな思いから、ツアーから1ヶ月後に報告書の概要版を出版し、8月20日には、より詳細な報告書を完成させた。この出版のタイミングがよかったのと、内容が時代的に求められているもので、大きな反響があった。NPO、まちづくり団体、学校、企業、行政など、さまざまな所からの問い合わせや注文が相次いでいる。
 また、この報告書をもとに講演や報告をする機会に恵まれたが、そこでも大きな反響があった。内容の一部が下記の記事に紹介されているので、参考にしていただきたい。
ドイツでの視察施設:
 ●木質バイオマス:暖房発電所、家庭用暖房施設、暖房プラント
 ●バイオガス(メタン醗酵):生ごみプラント、農業用プラント
 ●この他、バイオマス情報センター、NGO、教育事務所なども訪問
報告書は、A4版、52ページで、カンパ700円です。お問い合わせは、霞町事務所・村田まで。

バイオマスの問い合わせ相次ぐ

2003年8月12日 毎日新聞社掲載記事 ハイチの窮状を知って
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2003年8月12日 毎日新聞社掲載記事


ハイチ・プロジェクト報告
【公 演】
  「ハイチー日本 心から心へ」
   2003年5月26日〜6月21日
 2000年から毎年継続して実施してきたハイチのワークショップですが、今年は学校を訪問してのワークショップと、公演(映画上映+コンサート)を開催しました。また今回は、ハイチと日本の国交50周年ということで、ハイチの国・文化を紹介するとともに、ハイチの伝統楽器と日本の伝統楽器(琴・尺八)による異なる音楽の比較・融合を体感していただきました。
 【ハイチ側奏者】
  アゾールさん(タンブー、歌)
  ブロー・バルクールさん(ギター、歌)
       :ともに、ハイチ共和国在住
 【日本側奏者】 
  占部三竜さん(尺八):広島県福山市在住
  光成歌能子さん(筝):広島県福山市在住

【ワークショップ】
 ワークショップでは、子どもたちの歓迎演奏や、4名の音楽家による「鉄腕アトム」の演奏、音楽の教科書に載っている曲の子どもたちとの合奏、給食を一緒にとりながらの交流など、各学校独自のアイデアでの活発な交流が見られました。毎回もそうですが、心から喜んでくれる子どもたちの姿がとても印象に残っています。大きくなったときに、「小学生のときハイチとかいう国の人が来たよなぁ。太鼓もすごかったし、ギターの音もきれいだったなぁ。尺八と琴も初めて生の音聴いたよなぁ。きれいだったなぁ。」という風に、思い出してもらえたらうれしいですね。
 また、これまで広島県・岡山県内中心に実施してきたワークショップが、今回東京から福岡まで広範囲に渡って実施されたこと、そして、どこでも好評だったことは、今後の大きな励みになりました。資金蔓がクリアできれば、来年もぜひ実施したいと思っています。
 公演は、福山公演をe&gが、岡山公演を「NPO法人CDM JAPAN」が、福岡公演を「ティエンポ・イベロアメリカーノ」が、それぞれ主催団体となって開催しました。また、広島公演は「多文化共生センターひろしま」に共催団体として、展示作業・当日運営スタッフなど、多大な協力をいただきました。このように、映画と演奏によってハイチを詳しく知ってもらえたと同時に、いろんな団体の方々と知り合えたことが大きな収穫です。また、広島市をはじめとする自治体の国際交流担当の方々にも、大変お世話になりました。各公演を手伝ってくださったみなさん、どうもありがとうございました!

【広島市長表敬訪問】
 今年2月7日、マルセル・デュレ駐日ハイチ大使が広島市の秋葉市長を表敬訪問された際、e&gから村田と手島が同行しました。秋葉市長は、在米中にハイチ人の知り合いがおられたそうで、ハイチについてよくご存知でした。この訪問がきっかけとなり「ハイチー日本 心から心へ」広島公演が実現しました


広がる「文房具を贈ろう」の輪
 今年4月、e&g研究所、福山フィリピン協会など4団体が呼びかけ団体となり、「?子どもたちが学校に帳えるように〜カリブとアジアを結ぶ 文房具を贈ろう!共同プロジェクト」を開始しましたが、すごい反響で、多くの文房具が届けられています。第1陣として、ハイチ共和国に向けて、ぎっしりと詰め込んだ段ボール7箱分を送りました。
 また、「福山青年会議所・グリーンリーダーズスクール」様から、3万円のご寄付をいただきましたので、送料として利用させていただきます。


歴史遺産の宝庫・鞆のまちづくりの柱をめざす「鞆まちづくり工房」(松居秀子代表)が、NPO法人化。坂本龍馬縁の家の保存、空き家活用などの事業を開始。詳しくは、ホームページをご覧ください。
 http://www.vesta.dti.ne.jp/~npo-tomo/

秋葉広島市長提唱の「広島・長崎講座」
ベルリン工科大学で開設
〜15年間の日独市民交流が実を結ぶ〜
 秋葉広島市長は、9月上旬、ドイツのハノーヴァーとベルリンを訪れました。主要行事は、広島市とハノーヴァー市との姉妹都市提携20周年祝賀会ですが、ベルリンにおいては、シュレーダー首相との会談を帳じて、核廃絶に向けた行動への協力要請をするものでした。
 この秋葉市長の訪独を帳して大変嬉しいことが実現しました。それは、日独市民交流を帳して築き上げてきたネットワークが大きな力を発揮し、ベルリン工科大学での平和学=「広島・長崎講座」開設が決まったからです。
 日独の市民交流は、戦前戦後の日独の歴史の共帳性から過去の歴史を直視し、未来に向けて市民の力で平和を築き上げていこうと、1987年「日独平和フォーラム」として始まりました。具体的には、お互いの国の敗戦日を目途に訪問し、交流を進めながら討論を深めていくものです。私がこの運動に関わり始めたのが翌年の1988年で、同年8月、初めてドイツからの訪問団を受け入れ、その翌年、まだベルリンの壁が存在した時、私にとっての初めてのドイツ訪問となりました。
 この運動のドイツでの主要拠点は、ハノーヴァー、ベルリン、カッセルです。それぞれがネットワークを生かしながら進めていく市民運動のスタイルをとるものですが、新聞記事に登場するオイゲン・アイヒホルンさん(ベルリン工科大学教授)は共同代表の一人です。
 オイゲンさんは昨年夏も来日し、8・6広島訪問時に、秋葉市長が提唱する「広島・長崎講座」を自分の勤務する大学で始めたいとの意向を示され、広島市の担当者(国際部 平和推進課)と実務的な話を進めました。
 この度の秋葉市長訪独が、希望を伝えるいいチャンスだとは思っていましたが、忙しいスケジュールゆえ、特にシュレーダー首相との会談が主要なものだけに、オイゲンさんの希望したユダヤ博物館案内と「広島・長崎講座」等の提案のための時間調整ができるかどうか、不安ではありました。しかし、お互いの信頼関係とネットワークを生かしながら調整した結旺、見事に願いが叶いました。
 この他、以下のオイゲンさん達の提案に対しても、広島市長が前向きに検討されていることが、帰国後の記者会見の中で明らかにされました。
 @第2次世界大戦後に犠牲者と加害者の第二世代が抱える問題に関する国際シンポジウム「プロジェクト 2005」 Aベルリンのユダヤ博物館と広島市平和記念資料館との交流 Bドイツ「良心的兵役拒否者」の受入れ

e&g研究所ニュースレター06号 2003/10/25発行 
発行・編集責任者:村田民雄

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