News LetterNo.5
2003年04月10日発行

目次


2003年度事業計画〜今年も事業が盛りだくさん
2002年度事業報告
ハイチ・プロジェクト
環境プロジェクト
ワークショップ「ハイチ共和国と文化」 総合的な学習の時間での異文化交流・理解
カリブとアジアを結ぶ 文房具を贈ろう!共同プロジェクト
ドイツ・環境スタディーツアー


2003年度事業計画〜今年も事業が盛りだくさん〜
ハイチ、ドイツ、環境、鞆、各プロジェクトを一挙紹介
2003年度 実績をもとに、大きな発展をめざす
ハイチ・プロジェクト
 @「ハイチ子ども教育基金」キャンペーン
  第1段として6月、岡山(9日)、福山(13日)、広島(17日)でコンサートを開催。CD制作でセッションをしたアゾールさん、占部さん、光成さんに加えブローさん(ギター)が出演予定。併せて学校でのワークショップも追求する。
 AIT教育/ITによる識字教育事業を推進
  事業内容を決定し、申請書作成に向け、ハイチ側NGO・ジェーアと共同しての作業を急ぐ。実施内容は、太陽光発電システムの設置とコンピュータなどの整備。活用する制度は、外務省の「日本NGO支援無償資金協力」。
 B好評のワークショップを継続
  これまで実施した学校では、ワークショップが大変好評を博した。しかし、実施校が少なかったため、今年度は対象校を増やし、感動を共有し、一層のハイチ理解を進めることができるように取り組みを進めたい。
 Cフェアートレードの実現に向けて尽力
  昨年から準備している、ハイチから公正価格でコーヒー豆を買うフェアートレードが、ハイチ側の作業の遅れにより、輸入が大幅に遅れている。「おいしい!」と好評のコーヒー豆だけに、早く実現できるように努力する。

ドイツ・プロジェクト

 充実した内容と今後の環境政策が見帳せると評価の高い「ドイツ・環境スタディーツアー」。一昨年に引き続き、2回目のスタディーツアーを主催する。今回のテーマは、「バイオマス・バイオガス、環境教育、エコメッセ」。前回同様、自然エネルギーについてじっくり学習できるとともに、年1度の、NGO主体の環境見本市「エコメッセ」に参加できるビッグチャンス。

環境・プロジェクト

 今年は日本でも、バイオマスなどの自然エネルギー活用が進みそうな気配。NPO法人e&g研究所の前身、「環境-国際理解研究所」の設立記念講演で、「ドイツでのバイオガス・ドイツの現状」について紹介した。2000年8月のことだった。その頃はまだ、バイオガスという名前はあまり知られていなかった。それから2か年半、日本においても「バイオマス」、「バイオガス」という名前が徐々に知られるようになった。国の施策としても、昨年バイオマスを自然エネルギーとして法律で唖置づけるとともに、5省合同で「バイオマス・ニッポン総合戦略」を策定し、今年度から具体化しそうな気配。
 e&g研究所は、2001年実施した「ドイツ・エコ・スタディーツアー」で、重点的にバイオガスについて学んだが、日本ではこれからということもあり、スタディーツアーの報告書が大きな反響を呼んだ。今年は、バイオマス研究をさらに進めるとともに、「自然エネルギー学校(仮称)」を主催することで、系統的な普及啓発を図っていく。

鞆・プロジェクト

 e&g研究所としては、鞆の浦の世界遺産化をめざしているが、e&g研究所理事の松居秀子が代表理事として、「鞆まちづくり工房」のNPO法人化を申請中。6月からの事業開始が見込まれるが、「空き家バンク」の創設や尾道市などとの「港町ネットワーク」を進める計画。e&g研究所としては、「鞆まちづくり工房」と連携しながら、世界遺産化へ向け力を注ぎたい。



 
<<2002年度事業報告>>
ハイチ・プロジェクト
「ハイチ子ども教育基金」キャンペーン
1. 概 要
 ハイチ共和国では学校に行けない子どもたちが50万人いると言われている。中には一日一食の食事も満足に取れないでいる子どもたちもいる。そうしたハイチの子どもたちの生活・教育環境の改善のために在日ハイチ大使館が設立した「ハイチ子ども教育基金」への募金を目的としたキャンペーンを、同大使館と協力して展開していく。2003年度からの本格的スタートを目指し、2002年度はその準備を行なった。
2. チャリティーCD製作
 ハイチのタンブー(太鼓)の第一人者奏者・アゾールさんと、広島県福山市在住の尺八奏者・占部三竜さん、箏奏者・光成歌能子さんの3人によるチャリティーCD「ハイチ−日本 心から心へ」の制作に着手。9月10日、広島県沼隈町のサンパルホールにて録音を済ませた。収録曲はハイチの伝統音楽やアゾールさんの自作曲、日本の「春の海」など、全7曲。2003年3月19日発売開始。
3. 校長会でのアピール
 12月5日、岡山県笠岡市の校園長会に、マルセル・デュレ在日ハイチ大使とともに出席。ハイチの現状についての理解を求めた。また、高木笠岡市長および安藤教育長にもお会いし、今後の交流の可能性について協議した。
 
 

ハイチ共和国にゴミ収集車とバイクを贈るプロジェクト

1. 概 要
 2001年3月末より準備を進めていた、ハイチ共和国・ペチオンビル市にゴミ収集車2台とバイク24台を贈る事業を完了。この事業は、外務省の「リサイクル草の根無償資金援助協力」制度を活用して行なった(詳細についてはニュースレター第4号にて報告済み)。

総合的な学習の時間における異文化交流・理解「ハイチ共和国と文化」

1.ワークショップ
 前年度に引き続き、2002年も「ハイチ共和国と文化」と題したワークショップを開催。
2.成 果
 マルセル・デュレ在日ハイチ大使と、太鼓奏者のダニエル・ブレヴィルさん(ハイチ共和国出身)に来ていただき、10月22日午前、岡山県笠岡市立城見小学校で、午後は岡山県笠岡市立西中学校でワークショップを行った。デュレ大使にはハイチの歴史や国についての話を、ダニエルさんにはハイチの伝統楽器を用いてのハイチ音楽紹介をしていただいた。過去2か年のワークショップ同様、子どもたちは初めて接するハイチの音楽や話にとても興味を持ち、いっしょに演奏する場蔓では、からだを揺らしながらリズムを刻んでいた。先生や保護者もとても喜んで、子どもたちといっしょになって参加。
 城見小学校ではワークショップ終了後、3年生の教室で子どもたちといっしょに給食をいただいた。ダニエルさんは味噌汁やひじきといった純和風メニューの食べ物を、はしを上手に使って食べた。デュレ大使は、子どもたちに簡単なクレオール語やフランス語を指導、しりとりゲームをしたりして子どもたちは大喜びだった。
 西中学校では、ワークショップ最後の質問コーナーで、生徒からさまざまな質問が出た。インターネット等でハイチに関する事前学習もしていて、異文化理解に対する先生や生徒の前向きな姿勢を感じた。

ハイチ共和国におけるIT教育およびITによる識字教育促進プロジェクト
 -太陽光発電装置を用いたコンピュータ・トレーニング・センターの設立-

1. 概 要
 ハイチ共和国北部の町グロモーンに、太陽光発電装置を用いたコンピュータ・トレーニング・センターを設立し、不足しているコンピュータ指導者・技術者の育成にあたり、また、ITによる識字教育に取り組む。2002年度は、事業計画のための現地視察およびカウンターパートナーとなる現地NGO・ジェーアとの協議を行なった。2003年度、外務省の「日本NGO支援無償資金協力」に申請し、実施する予定。
2. 現地視察
 村田・青山・手島の3名で、2002年4月3日〜14日にかけてハイチ共和国を訪問。プロジェクト実施予定地を訪れ、建物の管理団体、カリタス・ゴナイーヴと協議した。また、コンピュータ教育に取り組む学校やサイバーカフェも訪ね、コンピュータに関する現状を聞いた。電力供給事情の悪さ、指導者・技術者の不足等、多くの問題が把握できた。

フェアートレードによるハイチ産コーヒーの取引

1. 概 要
 この事業は、ハイチのコーヒー生産組合・FACNよりコーヒー豆を直接輸入し販売するもの。生産者の生活改善・安定を目的とするため、フェアトレード(公正な貿易)により輸入する。FACNのメンバーと協議し、また現地の農家、豆の集荷選腹工場を視察。フェアートレードの国際ネットワーク組織FLO International(本部:ドイツ・ボン)への登録など、輸入までの準備を行なった。しかし、ハイチ側の事情で輸入にまでは至っていない。
環境プロジェクト
〜自然エネルギー研究〜
バイオマスに関する調査・研究
1. 概 要
 地球温暖化防止は、緊急の課題であり、国際的な取組みなくしては効旺の上がらない、解決困難な課題でもある。そのため、温暖化効旺物質の削減目標を国際的に定めたのが地球温暖化防止京都議定書である。
 その目標達成に大きな効旺が期待されているのが、自然エネルギー。その中でも完全な自然循環が可能なバイオマス(生物資源)に大きな注目が集まっている。しかし、日本はヨーロッパなどの先進地域に比べ、バイオマス活用では大きく立ち後れている。
 そこで2002年3月北海道にて、バイオマスの中でもメタンガス醗酵を利用する「バイオガス」を農場で進めている、先進国・ドイツとの合弁会社を視察した。2001年度の「ドイツ・エコ・スタディーツアー」での視察とあわせ研究を進めるとともに、日本でのバイオガス利用の可能性について検討をした。
 
2. 成 果
 バイオマスに対する関心が日本でも急速に広まりつつあり、2002年7月、農林水産省、文部科学省、経済産業省、国土交帳省、環境省は合同で、バイオマスの総合的な利活用(動植物、微生物、有機性廃棄物からエネルギー源や生分解素材、飼肥料等の製品を得ること)に関する戦略(「バイオマス・ニッポン総合戦略」)を策定した。このような情勢の中、私たちのバイオガス研究の成旺が認められ、中国経済産業局、近畿経済産業局およびNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の主催による研修会にて講演をする機会を得た。

役員の変更のお知らせ
手島佳子監事が、理事へ
上田摂子理事が、監事へ
変更となりました。 

HPが素敵にリニューアル
見て楽しい、聞いて楽しいホームページに変身しました。
What’s New(最新情報)をクリックすると、そこには素敵なアゾールさんの歌声が.....
http://ww41.tiki.ne.jp/~e-and-g をご覧ください

〜ワークショップ「ハイチ共和国と文化」〜総合的な学習の時間での異文化交流・理解〜


役員紹介
田中眞佐子(国際担当理事)
 ポルトガル語とスペイン語を使っての外国人相談員を生業として、ボランティアグループ「ワールドシップ〜外国人と共に生きるネットワーク」の事務局長として、多言語による生活相談、支援や日本語習得支援を柱に活動を続けています。
 なんと、ワールドシップが呼びかけ団体となり、来年5月末には、「2004年移住労働者と連帯する全国フォーラム」を、この福山で開催する予定です。
 移住外国人問題に取り組んでいる全国のNGOやNPOグループが福山に集う、またとない機会です。ぜひ、多くのみなさまのご協力やご参加をお願いしたいと思っています。
 地方都市からグローバルな活動ができたら、と願っています。


〜子どもたちが学校に通えるように〜
カリブとアジアを結ぶ 文房具を贈ろう!共同プロジェクト
福山YMCA FFO( Filipino Friendship Organization) 
NPO法人 e&g研究所  福山フィリピン協会
後 援 福山市ボランティア・NPO総合センター(つれのうて)運営委員会
趣 旨
 国際協力事業を通じて関わってきたハイチ共和国とフィリピン共和国では、多くの子どもたちが、経済的貧しさゆえに義務教育すら受けることができません。義務教育では授業料は無料ですが、文房具が買えないために、学校に通うことを断念しています。
 一方、私たちの周りを見渡してみると、使われることなく放置されている鉛筆、ノートなどの多いことに気づきます。それが「ゴミ」として出されている場合もあります。こんなにもったいないことはありません。
 そこで、使われることなく眠っている文房具を贈り、文房具が買えないために学校に行くことを断念している子どもたちを支えようと考えています。

具体的な訴え
 各家庭や事業所などで、使われることなく放置されている新品同様の鉛筆、ノート、メモ用紙、消しゴム、シャープペンシル、ボールペンを集めます。
 それぞれ1000個単唖で集まった時点で、現地へ持参します。
 また、贈った後、それがどのように活用されているかを知らせてもらい、現地の子どもたちの声を日本に届けます。そして、文房具支援を通じて、子ども同士の交流が広がることを期待しています。

寄贈先
 ハイチではグロモーン、フィリピンではレイテ・ビリアバにある小学校を対象とします。
 ※e&g研究所はハイチ現地で、草の根農業団体・アデラムから文房具寄贈の要請を受けていました。

共同して取り組む現地NGO
 現地のNGOとの緊密な連携を図り、善意がきちんと生きるようにマネジメントを行います。具体的なパートナーとしての現地NGOは、これまでの信頼関係をもとに、ハイチではジェーア、フィリピンではセブYMCAを選びます。

お寄せいただく所                       
 福山YMCAないしNPO法人 e&g研究所
 ※なお、収集に関しては、持ち込みか郵送を基本とします。

第1期集約日
 2003年9月末日
連絡先                    

  福山YMCA    /   福山フィリピン協会
  〒720-0067 福山市西町2-8-15
  Tel: 084-926-2211   Fax: 084-927-1246
  e-mail: kajiwara@fukuyamaymca.ac.jp
 NPO法人 e&g研究所   /   F.F.O.
 〒720-0812 福山市霞町4丁目1-25
 Tel/Fax: 084-924-4435
 e-mail: e-and-g@mx41.tiki.ne.jp


=評価と期待の高い「ドイツ・環境スタディーツアー」を主催=
テーマは、「バイオマス・バイオガス、環境教育、エコメッセ」
期 間:2003年5月15日(木)〜24日(土)
主 催:e&g研究所  企 画・同行:ビアンカ・フュルストさん

●「持続可能なエネルギー法」の制定によって、ドイツは自然エネルギーの普及の環境づくりをしています。今回のツアーでは、特にバイオマス・エネルギーにフォーカスします。生ゴミや糞尿などを貴重な資源としてとらえ、それらからクリーン電気を発電し、有意義なゴミ処理方法と持続可能なエネルギー源を提供するとともに、「エネルギー農家」という表現が使われるほど、農家にも新しい経済チャンスを与える仕組を勉強します。さらに「森林」利用の見直しによって、木質バイオマスを一軒家や施設ごとの暖房から、都市スケールの発電源として積極的に利用されるようになった、ドイツの最新情報を紹介します。
 そして、「環境教育」の分野では、BUND環境自然教育センターや学校を訪ねる予定です。加えて「エネルギー、建設、環境技術」というテーマの「エコメッセ2003」を視察するチャンスもプログラムに含まれています。
 環境保全活動に関する、最新技術、政治的な仕組み、新しいアイディアを勉強し、企業・行政・NGOのパートナーシップによる協力の成功例も実感できると思います。
●さらに、観光と文化も体験しませんか?
 伝統的な会場でコンサート観賞したり、美術館でヨーロッパのアートを楽しんだり、地方料理を食べたり、地ビールやワインを飲んだり、ドイツで一番有名なお城、ノイシュバーンシュタイン城を見学したり、アルプス山を見て散歩したり、中世期の街並で散歩したり、ドイツだからできる経験も大切にした旅にしたいと思います。5月のヨーロッパの春、ドイツ料理・文化・習慣を楽しめる思い出深い旅になるでしょう。

プログラム・アウトライン
5月15日(木) 出発 −> ドイツ・フランクフルト空港へ 
5月16日(金) バイオマス情報センター訪問      (シュトットガルト市)
          木質バイオマス暖房施設見学      (ロッゲンブルグ村)
5月17日(土) 生ゴミバイオガスプラント見学ほか  (エルクハイム市)
5月18日(日) 日曜日ゆえ、お城観光やアルプスを眺めての散歩とピクニック
5月19日(月) 農業バイオガスプラント見学      (レーゲンスブルグ周辺)
5月20日(火) 「Green City」街づくりNPOとの交流  (ミュンヘン市)
5月21日(水) 木質バイオマス発電施設見学      (プファフェンホーフェン市)
       木質コンポスト・センター見学    (ノイウルム市)
5月22日(木) エコメッセ2003       (ウルム市)
5月23日(金) 自然環境教育センター訪問      (ビベラハ市)
           帰国へ   −>5月24日(土) 日本着


e&g研究所ニュースレター05号 2003/04/20発行 
発行・編集責任者:村田民雄

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