Essay 卒業文集

サイト2周年記念!!ということで、僕の中学校の卒業文集をのせます。





挫折で得た自信
 見上げるとかすんだ空。暖かな風が吹き抜ける。出来立ての校舎。少し大きめの制服。正門を通り過ぎる人々。僕の目に映る全てが希望に満ちていた。あの出来事が起こるまでは・・・。
 そうそれは、数学の正負の数の授業でのこと。先生が黒板に問題を書く。マイナスの数字とすら初対面の僕には到底分かるわけがない。先生の解説を聞くもやはりちんぷんかんぷんだ。
「みなさん、分かりましたか?」
「はい。」
 皆が、口々に答える。自分だけが取り残されたような感覚。僕は一気に自信をなくした。
 その頃同じようなことが部活でも起こった。当時、僕は吹奏楽部に入っていた。与えられた楽器はクラリネット。中一が集まって音出しの練習をする。周りの人たちが着々と音が出せるようになる中、僕はなかなかきれいな音が出せなかった。もっと練習しよう、そう思うことができたなら良かったのに、勉強でも自信を失くしていた僕にそう考える余裕はなかった。
 結局、僕はどうすることもできず、いつしか学校に行く気力さえも失い始めていた。宿題の提出は滞り、授業も少しずつ遅れをとっていた。また、部活も休部することになり、まさに「不登校」の一歩前の毎日。楽しさを見出せない毎日。このような状態が一、二ヶ月は続いた。当時の僕が何を考えていたかはあまり記憶にない。でも幸いなlことに僕の周りにはこの悩みを分かってくれる親、先生がいた。こうした人たちの助けを借りながら、僕は回復への道を歩み始めた。
 まず、自分自身に区切りをつけるために吹奏楽部を退部した。また、それと同時にピアノへと没頭するようになった。これは「学校から帰ったら好きなことをして過ごせ」というスクールカウンセラーの先生の助言によるものだ。音楽は自分の心を支え、慰めてくれた。こうして平凡な毎日の中にひとつ楽しみを見つけたのだった。
 それからの僕はとても調子が良かった。文化祭や朝の学校集会でピアノを弾き、それはいつしか自分の中で自信に変わっていた。また、勉強の自分なりのペースを掴み、部活も情報部へと入りなおした。どちらも上昇気流に乗り、入学したての頃とは違う新しい自分がそこにはいた。
 今こうして振り返ってみると、あの挫折は少し苦い思い出だ。でも決して自分にとってマイナスではなかったように思う。毎日何の意味もなく過ごしていた自分に、自分と向き合うということを教えてくれた。失敗することで自分を知ることができ、自分を知ることで、自信を持つことができる。そしてその自信はやがて成功へとつながる。この繰り返しの中でさらに素晴らしい自分に会いたい。
 
・・・とまあこういうわけです。
この出来事は、僕の作詞・作曲、およびこのホームページの原点ともいえると思います。
自分と向き合った結果が「音楽」だったのでしょう。
それでは今後も「僕の音楽精進生活」をよろしくお願いします。
※BGMはSHU作詞・作曲「光へ」。
この2周年企画にあわせて録り直しました。
・・・相変わらず歌は下手。

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